東京都の東南部に位置する江東区は、鉄道・バスなどの交通網が発達した交通利便性の高い地域です。近年、豊洲を中心とした湾岸エリアでは都市開発が進み注目度が高まっていますが、不動産投資の視点で江東区を見た場合、どのような魅力があるのでしょう。
そこで今回は、東京都江東区の人口、交通アクセス、家賃相場、都市開発状況、区内の注目エリアなどについて解説します。
目次
東京都江東区とは?
江東区は「近未来」と「伝統」という異なる二面性を、一度に発見できるエリアといえます。どのような特徴があるのか詳しく見ていきましょう。
江東区の地域特性
江東区は東京23区の中で東部に位置しており、JRや地下鉄、バスなど交通の便が発達した利便性の高いエリアです。東京駅(大手町駅)など都心へのアクセスが容易な点から、ファミリー層をはじめ社会人・学生の単身者などからも居住区として人気があります。
また、東京駅周辺や銀座、浅草、東京ディズニーリゾートといったレジャー施設・観光スポットが30分圏内と近く、東京観光を楽しむ際の拠点として選ばれることもあるエリアです。湾岸エリアには2018年に豊洲市場が開設され、今後も多くの施設建設が予定されています。
ビジネス・商業・観光の都市機能が充実している一方、歴史や文化、昔ながらの風情を感じられる場所が多数残っていることも江東区の魅力です。例えば、深川・城東エリアを散策すれば、江戸時代からの下町情緒が垣間見られます。
江東区の9つの地区
行政上の区分けでは、江東区は9つの地区に分かれます。地区別・町名を挙げると次のようになります。
- 白河地区(清澄、常盤、新大橋、森下、高橋、平野、三好、白河)
- 富岡地区(佐賀、永代、福住、深川、冬木、門前仲町、富岡、牡丹、古石場、越中島)
- 豊洲地区(塩浜、枝川、豊洲、東雲、有明、辰巳、潮見)
- 小松橋地区(千石、石島、千田、海辺、扇橋、猿江、住吉、毛利)
- 東陽・木場地区(木場、東陽)
- 亀戸地区(亀戸)
- 大島地区(大島)
- 砂町地区(北砂、東砂1~5丁目、南砂の一部)
- 南砂地区(東砂6~8丁目、南砂の一部、新砂)
江東区の人口
最近の江東区の人口と世帯数の推移を見てみましょう(※)。
※住民基本台帳による江東区発表。外国人住民数も含む。
<江東区の人口と世帯数の推移表>
年月 | 人口(前月比) | 世帯数(前月比) |
---|---|---|
2023年9月 | 538,396人(+177人) | 289,101世帯(+174世帯) |
2023年10月 | 538,571人(+175人) | 289,285世帯(+184世帯) |
2023年11月 | 539,010人(+439人) | 289,713世帯(+428世帯) |
2023年12月 | 539,127人(+117人) | 289,869世帯(+156世帯) |
2024年1月 | 539,108人(-19人) | 289,908世帯(+39世帯) |
2024年2月 | 539,100人(-8人) | 290,059世帯(+151世帯) |
2024年3月 | 538,918人(-182人) | 290,115世帯(+56世帯) |
■出典:江東区の世帯と人口(2024年4月1日現在)|江東区
直近の人口については減少している月もありますが、人口、世帯数ともに年々増加傾向にあります。10年前の2014年3月の状況を参考までにご紹介すると、人口が487,846人、世帯数は245,059世帯でした。
現在、江東区内で人口が集中しているのは豊洲地区で、2024年4月1日現在の人口は124,649人、世帯数は58,502世帯です。もともと企業の造船事業の拠点だった豊洲地区は、2000年代に入って跡地の再開発が進み、タワーマンションや大型商業施設、公共施設などの建設に伴い人口流入が顕著となりました。
江東区の交通アクセス
江東区にはさまざまな交通機関が走っていて、交通アクセスが充実しています。区内に駅のある電車路線は次の通りです。
- JR東日本(総武線、京葉線)
- 東京メトロ(東西線、有楽町線、半蔵門線)
- 都営地下鉄(新宿線、大江戸線)
- 東武鉄道(東武亀戸線)
- 東京臨海高速鉄道(りんかい線)
- ゆりかもめ
東京駅(大手町駅)や新宿駅、池袋駅、渋谷駅などのターミナル駅に乗り換えなしでアクセスでき、仕事・レジャーなどを目的とした移動がしやすいでしょう。
また、江東区には数多くの都営バス路線が網の目のように張り巡らされている点も特徴のひとつです。電車路線から離れた場所にある地域にも、運行本数の多い都営バスを利用すれば容易にアクセスできます。
江東区にはほかにも、隅田川や湾岸エリアを運航する水上バスもあります。電車やバスでは遠回りになるお台場や浅草へも、水上バスなら短時間でたどり着ける点がメリットです。東京都心の街並みを船上から楽しめることもあって、多くの観光客から人気を集めています。
江東区の都市開発
江東区は2022年に「江東区都市計画マスタープラン」を策定しました。20年後を見据えた街づくりとして、主に次のような重点戦略を挙げています。
- 「地下鉄8号線延伸のまちづくり」
- 「未来の臨海部のまちづくり」
- 「浸水対応型のまちづくり」
いずれも時代や環境変化に柔軟に対応できる街づくりを主眼に置き、交通利便性の向上、湾岸エリアを中心とする都市開発、防災観点での対策が進んでいます。
特に2030年代半ばの開業が予定されている地下鉄8号線延伸(豊洲~住吉間)は、これまでなかった江東区を南北に走る電車路線です。開業すれば、城東・深川・臨海部を結ぶことになり、ますます交通利便性が充実します。
不動産投資の観点から見る江東区の特徴を解説
ビジネスや商業、観光エリアとしても発展が進む江東区ですが、居住用物件への不動産投資の観点から見た場合にはどのような特徴があるでしょうか。
ここでは、投資判断の際に参考になる、物件(立地条件)、単身世帯数、家賃相場について解説します。
江東区の物件(立地条件)の魅力
江東区は東京都心部に位置している点から、交通手段が豊富で、通勤・通学をはじめ生活利便性の良いエリアです。また、都心の主要ターミナル駅への移動も容易なため、ショッピングやレジャー、観光にも最適といえます。
その一方で、大きな公園や運河が多く点在し、都心の中では自然環境に恵まれているのが特徴です。自然を身近に感じられる地区は居住に適しており、住環境の良さでも評価されています。
交通アクセスの利便性と良好な住環境という2つのメリットを併せ持つ江東区は、活発な都市開発を受けて「移り住もう」と考える人が、今後も増える可能性があるでしょう。不動産投資市場でも注目度が高まっています。
江東区の単身世帯数
不動産投資の中でも初心者が投資しやすい物件のひとつが新築ワンルームマンションです。入居者として主にターゲットとなる単身者について、江東区の現状をデータで見てみましょう。
2020年に行われた国勢調査をもとに、江東区と主な区の単身者数の割合を比較すると、次の比較表のようになります。
<江東区と主な区の単身者数の割合比較表>
地域 | 世帯総数 | 単身世帯数 | 単身世帯割合 |
---|---|---|---|
東京都全体 | 7,216,650 | 3,625,810 | 50.2% |
江東区 | 264,111 | 123,488 | 46.8% |
品川区 | 237,447 | 136,020 | 57.3% |
大田区 | 399,628 | 214,237 | 53.6% |
世田谷区 | 494,717 | 250,635 | 51.0% |
練馬区 | 374,485 | 178,473 | 47.7% |
江戸川区 | 332,895 | 148,816 | 44.7% |
単身世帯の割合を東京都全体と比較すると、江東区のほうがやや少ない割合であることが分かります。
<単身世帯割合の比較> 東京都全体…50.2% 江東区…46.8% また、2人世帯・3人世帯の割合で比較してみると、江東区のほうがやや上回っています。 <2人世帯・3人世帯割合の比較> 東京都全体…2人世帯:23.5%、3人世帯:13.9% 江東区…2人世帯:25.2%、3人世帯:15.2% |
このことから、東京都全体と比較して江東区はファミリー世帯の割合がやや多く、ファミリー層の賃貸需要も多いと考えていいでしょう。とはいえ、半数近い世帯が単身世帯であることから、1人暮らしに向いた物件にも需要があることが分かります。
江東区の家賃相場【間取り別】
江東区の家賃相場はどれくらいなのでしょうか。ワンルームから2LDKまで5種類の間取りの家賃相場を、周辺地域の墨田区・品川区との比較でご紹介します。
<間取り別の家賃相場比較表>
間取り | 江東区 | 墨田区 | 品川区 |
---|---|---|---|
ワンルーム | 99,400円 | 94,700円 | 100,900円 |
1K | 97,200円 | 95,000円 | 96,700円 |
1LDK | 164,900円 | 157,500円 | 182,200円 |
2K | 106,500円 | 113,200円 | 146,600円 |
2LDK | 240,600円 | 209,400円 | 259,200円 |
■引用 :江東区の家賃相場情報 | LIFULL HOME’S
※2024年4月11日現在
墨田区や品川区は、江東区と同様に交通網が充実していて利便性の高いエリアです。2つの区と比較した場合、江東区の家賃相場は中間であることが分かります。
さらに詳しい情報を知りたい場合には、以下の関連リンクからメイクスグループの賃貸管理部門にお問い合わせください。
【関連リンク】不動産オーナー様へ :賃貸管理サービスのご紹介 | メイクスプラス
江東区内の物件選びの注目エリア
ここからは、江東区の中でも特に不動産投資の注目度が高いエリアをピックアップしてご紹介します。
亀戸・大島
亀戸・大島エリアの主な特徴は次の通りです。
- 観光名所として人気が高い城東エリアに位置する
- 2022年4月以降、大型商業施設やタワーマンションの建設ラッシュ
- 東京駅や新宿駅へのアクセス良好
亀戸駅周辺には学問の神様として有名な菅原道真公を祭る亀戸天神社があり、地元の人々だけではなく、受験を控えた学生もよく訪れています。
また、アトレ亀戸や2022年4月にオープンしたカメイドクロックといった大型商業施設もあります。さまざまな世代が住みやすいエリアで、タワーマンションの建設も相次いで行われている地域です。
特に大島・西大島駅周辺は新しいマンション開発が進んでおり、ファミリー世帯にとって住みやすい街づくりが展開されています。東京駅や新宿駅へのアクセスが良好なことから、今後も多くの居住者が集まるでしょう。
門前仲町・木場・東陽町
門前仲町・木場・東陽町エリアの特徴は次の通りです。
- スーパーや商店、飲食店などが豊富で暮らしやすい住環境
- 東京メトロ・大手町駅まで約10分の交通利便性の良さ
- 江戸の下町情緒が残る穏やかな街並み
門前仲町・木場・東陽町エリアの大きな特徴として、暮らしやすい住環境が挙げられます。大通り(永代通り)沿いには飲食店など多くの店舗が軒を連ねており、歴史のある老舗店や人気店もあってにぎやかな印象を受けるかもしれません。
しかし、大通りから少し外れると一変して閑静な住宅街が広がります。道幅の広い道路は歩道と車道が明確に分かれているところも多く、住む人のことを考えた街づくりが進められている地域です。
門前仲町には多くの参拝客が訪れる富岡八幡宮や深川不動堂があり、江戸三大祭りのひとつ「深川八幡祭り」が有名です。また、木場・東陽町には、東京都現代美術館(MOT)、東京ドーム約5個分の広さの木場公園、江東運転免許試験場などがあります。
清澄白河
清澄白河エリアの特徴は次の通りです。
- 住宅が多く落ち着いた住環境
- 都内主要駅へのアクセス良好
- 神社仏閣が多く、緑豊かな清澄庭園、カフェのある街
東京メトロ半蔵門線と都営大江戸線の2つの路線が乗り入れる清澄白河駅は、都内の主要駅へのアクセスが良好です。大手町駅、永田町駅、渋谷駅、錦糸町駅、押上駅、汐留駅、六本木駅、新宿駅、上野駅、両国駅などへ乗り換えなしでアクセスできます。
都立公園の清澄庭園や多くの神社仏閣があり、歴史と自然、下町風情が感じられるエリアで、繁華街や遊興施設はほとんどなく治安面も良好です。
また、ブルーボトルコーヒーをはじめとするおしゃれなカフェが住宅街に点在するコーヒーの街としても知られています。週末にはカフェ巡りに訪れる人も多いエリアです。
江東区の不動産投資の将来性
有明・豊洲の湾岸エリアは、豊洲市場が開設されたことから多くの観光客でにぎわう場所です。特にインバウンド需要が目まぐるしい活況を見せており、今後も飛躍的な発展を遂げると期待されています。
また、門前仲町・木場・東陽町エリアは、暮らしやすい住環境と通勤通学の利便性の良さから注目度が高まっています。住みやすさで見た場合、清澄白河もファミリー世帯からの支持を多く集めています。
亀戸・門前仲町エリアは観光スポットとしても有名で、観光客が多く訪れます。海外からの観光客も訪れることで江東区全体の経済が活性化し、都市機能と観光開発の両面からの発展が期待できます。
これらを受けて地価・賃貸相場の上昇が今後も予想され、江東区は不動産投資先としてみた場合、伸びしろのある将来性の高い地域といえるでしょう。
江東区は単身者だけでなくファミリー層にも需要のあるエリア
ビジネス、商業、観光、住環境といったあらゆる面で魅力度が高い江東区は、さらなる発展が見込まれるエリアです。さまざまな世代にとって住みやすい街づくりが進んでいるため、単身者だけではなく、ファミリー層にも需要の高いエリアといえるでしょう。
江東区エリアの販売実績まとめ
> メイクスデザイン住吉ASYLCOURT
> メイクスデザイン門前仲町II
> メイクスデザイン門前仲町RIVERPLACE
> メイクスデザイン門前仲町GROVE
> メイクスデザイン門前仲町GARDEN
> メイクスデザイン森下
※現在販売は行っておりません。