不動産投資で失敗する原因とは?事例から見る失敗しないポイントを解説

最終更新日:2023.01.19 (公開:2022.07.13)

普段の買物と比べて投資用不動産は高額であるため、購入後のリスクを考えると失敗しないためのポイントを事前に知っておきたいものです。「不動産投資で失敗しないだろうか…」という不安も、予備知識を収集することで解消できる場合もあります。

そこで今回は、不動産投資における失敗の定義をはじめ、事例から見る失敗の原因、失敗するリスクを軽減するためのポイントまで詳しく解説していきます。

不動産投資における失敗とは?

そもそも不動産投資における失敗とはどのような状況なのでしょうか?不動産投資で失敗のリスクを回避するためには、失敗の内容について理解しておくことも大切です。

はじめに、不動産投資の失敗とはどのような状況を指すのか、主なケースを見ていきましょう。

失敗はトータルの損益額で赤字になること

不動産投資の失敗とは、「物件を購入してから売却するまで、トータルの期間で損益額が赤字(マイナス)になること」です。トータルの損益額、つまり、物件を売却して損益を確定させて初めて、成功か失敗かの判断ができます。

一般的に、投資用物件を購入する際は、長い場合には35年から45年の銀行ローンを組みます。ローンの返済期間中は、入居者からの家賃収入で返済をしていきますので、月々のキャッシュフロー(手残り)はそこまで多くありません。

そのため、物件を運用中に成功・失敗の判断をするのは、不動産投資においてあまり適切ではないといえるでしょう。

運用中の赤字は投資失敗ではない

投資初心者の中には「運用中の赤字=投資の失敗」と考えている方もいます。

しかし、不動産投資は長期的な視点で取り組むべき投資であり、短期的に赤字が出たとしても、その時点で「投資に失敗した」というわけではありません。例えば、月々の家賃収入からローンの返済や諸経費を除いたキャッシュフローが赤字になっていても、売却時にトータルでプラスになるのであれば、その投資は成功です。

その他にも、「月々の収支がマイナスでも、節税効果があるから良い」月々の手残りはほぼないが、家賃収入からローンの返済ができて資産形成になるから良い」など、長期的な視点で、売却するまでを考えた投資戦略が大切になります。

不動産投資でよくある失敗原因

不動産投資で失敗しないためにも、失敗事例のパターンを理解しておくことは大切です。

続いては、本題である不動産投資でよくある失敗の原因について見ていきましょう。ここでは「収入とコスト」「客付け」「売却」の3つの観点での注意ポイントをご紹介します。

収入とコストに関わる原因

不動産投資において、収入とコストに関わる、よくある失敗原因には次のようなものがあります。

家賃保証のシステムを理解していない

不動産会社によっては、家賃保証が付くこともありますが、システムを理解せずに契約すると失敗するケースもあります。

家賃保証には、新築物件で最初の入居者が埋まるまでの「満室保証」やサブリースなどの「空室保証」などがありますが、契約内容のチェックは必ず行い、よく理解しておきましょう。

特に、サブリース契約は不動産業界特有の契約です。例えば、サブリース契約の保証期間と保証賃料の見直し期間を勘違いして、保証賃料の見直しを巡ってトラブルになるケースもあります。

また、保証期間中であっても、サブリース事業者には借地借家法上賃料の減額請求権が認められていることや、サブリース事業者から解約・解除できるとの契約内容となっている場合もある点には留意が必要です。

新築物件で多い家賃保証ですが、メリットだけでなくデメリットや注意点についてもしっかりと理解した上で契約をしましょう。

ランニングコストを考慮できていない

不動産投資の失敗でよくある原因の一つが、ランニングコストを考慮できていないことです。

ランニングコストとは、不動産の運営に関わる費用全般のことで、毎月発生するものから、毎年発生するもの、急に発生するものまで多種多様です。

例えば、突発的に高額費用が発生する建物の修繕費。特に築古物件では、購入後すぐに大規模修繕が発生するケースもあり、数百万円レベルの費用になる可能性もあるため、注意が必要です。

新築物件でも、入退去時に発生するルームクリーニングや補修などにかかる原状回復費用があります。都道府県の条例に沿って、一定割合をオーナーは負担する必要があります。

あらかじめ資金計画の中に組み込んでいる場合や事前に物件を販売する営業担当からランニングコストがかかることを事前に伝えられている場合は対応ができますが、失敗するケースの多くは、このような費用を事前に考慮できていないことが多いです。特に、投資初心者の場合、ローン返済以外のコストが見えていないことがあります。

初心者にありがちな失敗事例として、原状回復費用が一般的な価格だったとしても「こんなはずではなかった」「危険かも知れない」と驚いてしまい、物件の利益がマイナスの状態で売却してしまうケースがあります。

設備の耐用年数が短い

中古物件を購入すると設備が古い場合が多く、購入後すぐに交換や修繕が発生するリスクが高いです。

特に、複数部屋がある1棟物件の場合、それぞれの部屋で設備の交換が発生すると多額の出費が発生し、一気に運転資金が無くなる可能性もあります。

新築物件の場合、設備は新品なのでほとんど心配はありませんが、中古物件では、入居者がいると室内を確認することもできないため、不動産会社に確認するしかありません。

オーナーチェンジが多い物件では、所有者を含め誰も把握していないというケースもあり、そのような物件はリスクが高いといえるでしょう。

設備の確認は漏れをしやすいポイントなので、意識的に必ずチェックすることをおすすめします。

客付けに関わる原因

不動産投資において、客付けに関わる、よくある失敗原因には次のようなものがあります。

立地が悪く賃貸の需要がない

不動産投資において最も大切なのは入居率です。立地が悪く賃貸需要がない物件を購入してしまうと、入居が付かず、安定した家賃収入が生まれないため、失敗してしまう可能性が高くなります。

例えば、物件価格が安く、満室想定の利回りが高いからと購入したものの、立地が悪いので結果的に入居者を確保できずに失敗するという事例はよくある話です。

物件を選ぶ際は、近隣の賃貸需要と購入しようとしている物件のタイプをよく考慮し、需要の見込める物件を選ぶことが大切です

瑕疵物件(訳あり物件)

瑕疵(かし)物件とは、建物や土地にその価値を下げてしまうような欠陥がある物件のこと。ここで言う「瑕疵」とは、例えば、一見気づかないような建物のひびや欠損などの物的瑕疵死亡事故のような心理的瑕疵が該当します。

中古物件を購入する場合、不動産会社が事前に詳しく説明してくれれば問題ありませんが、気づかずに購入してしまうと、後で入居付けや売却に悪影響が出るリスクがあります。

こちらから確認しないと説明してくれない場合も多いので、物件の瑕疵については、事前に不動産会社にしっかり確認することを心掛けてください。

1つの指標で利益を予測する

不動産投資で失敗する原因になりやすい考え方に「1つの指標で利益を予測すること」があります。

例えば、大学のキャンパスや大手企業の工場があるエリアで、その賃貸需要だけを見込んだ投資をするのは、大学や大手企業が移転した時のリスクを考えると危険です。移転した途端、そのエリアから人がいなくなり、賃貸需要が激減する可能性もあるからです。

また、物件のデザインや間取りは、時代によって流行があります。いくらデザイン性が高いからといって、それだけを強みに賃貸需要を見込むのは長期的に無理が生じます。

このように、投資物件を選ぶ際は1つの指標だけで選ぶのではなく、立地や住環境、そのエリアの人口流入率など、複合的に考えて物件を選ぶことが大切です。

利回りのみを追求し、物件の入居率を想定していない

入居率を想定しないで、利回りの高さだけで物件の購入を決めるのは、後で失敗につながる可能性が高い物件選びです。

先述しましたが、不動産投資で最も大切な要素は入居率。利回りだけで物件を購入した結果、「入居率が低過ぎてローンが支払えなくなってしまった…」というのは、不動産投資の失敗でよくあるケースです。

物件を見る際は、まず入居が埋まるのかという点を第一に考え、賃貸ニーズを意識した物件選びを心掛けましょう。

また、不動産の運用において、常に満室を維持するのは不可能なため、ある程度の空室を見込んだ事業計画を立てることも重要なポイントです。

売却に関わる原因

不動産投資において、売却に関わる、よくある失敗原因には次のようなものがあります。

違法建築の物件

違法建築の物件とは、建築基準法に違反している物件です。

例えば、中古物件の中には「建ぺい率や容積率を超えて建築してしまっている」「隣地の建物と適切な距離が取れていない」物件などが該当します。

違法建築の物件は、金融機関から融資を受けることが原則できません。よって、物件価格は相場より格安であるケースが多いのですが、全て現金で購入する必要があります。

間違って購入してしまうと、売却したい時に買い手が付かないという事態になりやすいので、事前に違法建築でないか必ず確認しましょう

違法建築の物件を見極める方法は、「確認済証」が発行されているかをチェックすることで簡単に確認できます。※「確認済証」は、建築基準法に沿って建てられた建物にのみ発行されます。

なお、新築ワンルームマンションの投資物件を専門に扱っている会社から物件を購入する場合なら、これまで掲載した失敗の確率を下げられるように、立地を選んで物件を建設し、お客様と不動産運営をする会社がほとんどです。

不動産投資で失敗しないためのポイント

不動産投資の場合、成功するために最も大切なことは「失敗しない方法を続けること」です。失敗のリスクをできるだけ軽減し、投資をコツコツと積み重ねることが成功につながります。

最後に、不動産投資で失敗しないためのポイントについて見ていきましょう。

よくある失敗原因3つ「収入とコスト」「客付け」「売却」について営業担当者に質問する

不動産投資で失敗しないために必要なポイントは、営業担当者に不動産投資でよくある失敗原因の「収入とコスト」「客付け」「売却」について質問し、失敗する確率が低いかを確認することです。

どのようなビジネスでもそうですが、情報は成功する上でとても大切な要素です。情報を収集できるように、営業担当者は選ぶ必要があります。

例えば、ご自身が質問しても営業担当者が答えないなど、不誠実な営業担当者からは購入しない方が得策です。最低限、上記3つの失敗原因に丁寧に答える営業担当者が好ましいです。

利益にとらわれ過ぎないようにする

不動産投資は、利益にとらわれ過ぎないようにすることも失敗しないために必要なポイントです。

利益を考えることは投資家としてもちろん大切ですが、不動産投資の場合、利益にこだわり過ぎると大きなリスクを負う可能性が高くなります。

例えば、「利回りが高いからといって、賃貸需要を考えずに物件を購入する」銀行融資が出るからといって、やみくもに物件を買い進める」などは、利益にとらわれ過ぎて失敗してしまう可能性が高い行動でしょう。

不動産投資において欲を出し過ぎるのは、後々、取り返しのつかないリスクを抱えやすいので、失敗しないためには、より堅実でリスクの低い方法を意識することが大切です。

予想外の事態へも対応できるよう準備しておく

他の投資でも同じですが、不動産投資は、長く続けていると予想外の事態が発生するケースもあり、その都度、必要な対応をしていかなければなりません。

例えば、予想より早く建物の大規模修繕が発生することや入居者の一斉退去、自然災害など、予想もしない事態はいつも急に発生します。

不動産投資をする際は、まず運用しているとどのような事態が起こり得るのか、仮に起こった時にどのような負担が発生するのかを把握し、事前にしっかり準備しておくことが大切です。

仮に、不測の事態が起こった際に対応ができないと、その時点で運用が難しくなってしまう可能性があるので注意しましょう。

失敗しないポイントを理解した上で不動産投資しましょう

今回は、不動産投資における失敗の定義をはじめ、事例から見る失敗の原因、失敗リスクを軽減するためのポイントについて解説しました。

不動産投資は、失敗しないためのポイントを知ることが成功への一番の近道です。不動産投資にまつわる事例やポイントについて詳しく知りたい方は、実績豊富なメイクスまでお気軽にご相談ください。
専門知識をもったコンサルタントが最適な資産運用をサポートします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクスにおいては、何ら責任を負うものではありません。



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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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