不動産投資がなぜ相続税の税金対策に効果的なのか分かりやすく解説!

最終更新日:2023.03.31 (公開:2023.03.02)


高齢化社会になっている日本では、ますます高齢者世帯が増えてきています。財産を子どもや孫に相続を考えている方達も多く、どうしたら相続税の負担軽減ができるのか悩みどころではないでしょうか。相続税の節税として効果的なものに不動産投資があります。 

※本稿での「節税」というキーワードは「税金対策として効果が期待できる手段」という意味であり、どのようなケースでも節税が常に可能であることを保証してはおりません。実際の対策実行の際には、税理士のアドバイスをもとに行われることをお勧めいたします。 

しかしながら、不動産の相続税対策が不適切であれば負の財産になりかねません。不動産投資をするなら、しっかりと相続税についての理解を深めることが大切です。 

そして、相続する財産が現金の場合は、不動産に換えると節税効果を期待できます。今回は、 

・不動産投資はなぜ相続税の節税に効果的なのか 
・今からできる税金対策 
・不動産投資による相続税節税で注意点 

などについて解説していきます。 

厳しくなる相続税 

個人の資産・財産が多ければ多いほど、相続税が高くなるのが日本の現状です。たくさんのお金を持っていると、相続する時の税率が高くなってしまうので多くの税金を国に納めなければいけません。 

相続税は増税傾向 

相続税は、定期的に法改正が実施されており増税傾向です。2015年の法改正で、それまで納税対象者となっていなかった人でも税金を納めることになりました。また、税率も法改正前は最高税率50%でしたが法改正後は55%となりました。 

今後も、相続税の増税は行われていく見込みで、多くの財産がある人は相続税対策を何もしていないと最悪の場合財産が無くなってしまう恐れもあるので注意が必要です。 

控除が減りつつある相続税 

基本的に相続税は、資産の総額から基礎控除額を差し引いた金額に課税されます。

基礎控除の算出式は、
「3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)」が基準です。

したがって、相続する金額が3,600万円より少なければ、相続税を納める必要はありません。 

昔は、基礎控除額が今よりも高く設定されていたので、課税対象になる人数も今ほど多くはありませんでした。遺産総額のうち3,600万円まで税金がかからないのは喜ばしいことなのですが、基礎控除額は徐々に減ってきているため課税対象者は増加傾向です。 

相続税対策をしないと、どのぐらい税金がかかる? 

遺産相続する金額が3,600万円に届かない人は、課税対象とならないので税金に関してあまり気にしなくて良いでしょう。しかしながら、遺産相続する金額が3,600万円以上の人はきちんと相続税対策をしないと大切な資産・財産が大幅に減少し、失う恐れがあります。 

例)現金1億円を相続する場合、仮に1名(配偶者なし・子ども1人のみ)の法定相続人、相続税の税率30%で計算するとします。 

1億円-3,600万円(基礎控除額)=6400万円 
6400万円☓税率30%=1,920万円の税額 
1,920万円-700万円(控除額)=1,220万円 

つまり、上記の条件で現金1億円の相続者は1,220万円の相続税を納税する必要があるのです。 

※血縁関係や配偶者、その他の条件によって変わります 

相続税対策として、現金を不動産投資にすることで財産としての評価額が下がり相続税を引き下げることができます。

例えば、1億円で購入した土地は路線価がおよそ市場価格の60~70%、建物は固定資産税評価がおよそ建築費の50~80%となりますので、相続税評価上、「1億円×0.7×0.8」で5600万円くらいの評価になりますから、現金よりも相続税がかからなくなるのです。このように、現金と不動産投資では何百万円もの納税額の差がつくので相続税対策は行った方が良いです。 

今からできる相続税対策とは  

遺産相続により現金を相続する人は、不動産投資をすることにより相続税を少なくできるとお伝えしてきました。節税を意識して、効果的な相続税対策をしなければ、非常にもったいない思いをしてしまいます。また、資産・財産を持っている人が逝去される前に、不動産(土地)や現金を生前贈与するといった手段もあります。 

財産を持っている人が亡くなってから遺産を譲り受けられないというわけではありません。今からできる相続税対策は以下のようなものがあります。個々の状況に合った相続の仕方をされてみてください。 

年間110万円まで非課税で譲渡  

個人の財産を生前贈与する場合、「年間110万円まで非課税」で相手に譲渡できます。現金や不動産などに対して生前贈与を受けたら、贈与税がかかってきます。ただし、贈与税には年間110万円の基礎控除額があり、それを超える金額に課税されるのです。 

贈与税がかかるケースは、生前贈与だけとは限りません。 

・第三者の財産の名義を自分の名義に変更してもらった 
・個人から時価よりもとても安い対価で財産を譲渡された 
・財産の共有持分を変更し自分の持分がアップした 

上記のような場合にも贈与税が発生します。 

そして、大きな金額の財産を生前贈与したい場合、贈与税がかからないような工夫をすることが大切です。
例えば、年間110万円の贈与を10年間行えば、1,100万円を課税の対象から除外できます。

しかしながら、気をつけなければいけない点があります。 

贈与税は、現金を受け取った時にかかるのではなく、財産(権利を得た時も含む)を貰った際に課税されるのです。

途中で10年の間、毎年110万円を貰う権利を得たと判断されてしまうと、110万円ではなく1,100万円を受け取ったものとして贈与税がかかるので注意しなければいけません。 

孫への教育費  

人によっては、孫に財産を相続したいと思っている人もいます。孫への相続方法は、「養子縁組・遺贈・代襲相続」の3つあります。基本的に、財産を譲渡したい人が遺言を残しておらず実子が居る場合孫は法定相続人に入りません。 

ですので、例えば孫に教育費としての財産を相続したい場合は、きちんと遺言を残すか養子縁組・代襲相続が起こるケースしか遺産相続ができないのです。また、財産の相続ではなく生前贈与ができる場合があります。教育費を生前贈与したい場合、現在は1,500万円まで教育資金として一括贈与でき、そのまま貯金していても非課税となり贈与税がかかりません。 

ただし、30歳未満の孫が両親・祖父母から譲渡されることが条件としてあり、30歳までに教育費を使い切らないと、残っている金額に対して贈与税が発生することになるので注意が必要です。教育資金以外の使い道をしてしまうと、通常の贈与という扱われ方をしますので、そのお金に対して贈与税が発生してしまいます。 

【重要】評価額の大きな不動産を買う 

今からできる相続税の効果的な税金対策として、現金での相続を考えるのではなく不動産投資をした方が良いとお伝えしてきました。不動産を購入したら、なぜ現金の時よりも相続税が減るのかと言いますと、相続税を算出する時に現金よりも評価額を下げることが可能だからです。建物の相続税評価額は固定資産税評価額が使われており、建築価格の約7割に抑えるようになっています。 

例えば、1億円の建物を建築すると固定資産税評価額は約7,000万円になります。さらに、建物を第三者に貸し賃貸物件とした場合は、7,000万円の固定資産税評価額の3割引きした金額が相続税評価額となるので、4,900万円に対して相続税が発生するという仕組みです。 

不動産を賃貸に出すことで、建物も土地も相続税の評価を低く抑えることができるのです。不動産投資を賢く行えば、現金を相続するよりもかなり税金対策になります。 

不動産投資の魅力  

不動産投資が相続税対策に効果的ですが、建物・土地、有価証券、現金などの財産の種類によって評価方法に違いがあります。相続税評価額は、相続税を計算する時の基準になるため相続税評価額が下がることは節税に繋がるのです。財産の種類の中で、不動産投資は魅力的なので深掘りしていきましょう。 


なぜ不動産投資が税金対策としてもっとも魅力的なのか 

不動産投資がなぜ税金対策として魅力的と言えるのかですが、現金よりも相続税が優遇されている他に、国が不動産という資産を保護していきたいという税制上の考えがある点です。 

そして、不動産を自分で使用するのではなく、他人に貸し与えることで、さらに相続税評価額を低く抑えられます。賢い選択をすれば相続税対策として効果も高まります。 

しかしながら、不動産を所有し続けていると固定資産税とかの税金がかかってくるので、自分で不動産投資に関する知識を深めて負の財産にならないようにしていくことが大切です。 

相続税節税で不動産投資を行う際の注意点 

相続税節税で、不動産投資を行う際の注意点をお伝えしていきます。 

法律の改正が頻繁にある  

相続に関しての法律は、改正が頻繁に実施されています。相続税の基礎控除額は、改正毎に上限が減ってきていますから、数年前なら課税対象者とならなかった人でも、今は相続税を納税する立場になってしまう場合もあるので注意が必要です。 

また、贈与税に関しても2023(令和5年)の税制改正で、暦年課税贈与をする場合の生前贈与加算が相続開始3年前から2024年1月以降は相続開始前7年に延長となる見込みです。 

適切な物件を選ばないと負動産になる 

不動産投資を行うのであれば、相続税対策のためだけに購入してしまうと失敗し、後悔することがあります適切な物件を選ぶことができなければ、税金対策が裏目に出てしまいます。例えば、新築マンションか中古マンションのどちらを購入するか迷ってしまい、最終的に中古マンションを選んだとします。 

すると、中古マンションは建物の老朽化が激しくて新築マンションよりも、修繕費用がかさむ場合があるかもしれません。修繕費用がかさむのは、効果的な税金対策とは言えませんので不動産投資に失敗してしまうリスクが高くなります。不動産投資をするのであれば、広い視野をもって知識を深めることが大切です。 

申告期限を守らないと課税される 

財産の相続・贈与を受ける場合、申告期限を守らないと課税されるので注意が必要です。申告や納税をしなければならないのに、無視や放置している場合にも重加算税・無申告加算税・延滞税などの対象者となってしまう恐れがあります。 

申告期限や納税期限を守らないと、後々、支払うべき税金が大きくなり自ら自分の首を絞めることになります。正当な理由がなく、相続税の申告を期限までにしなかった場合、割増金が発生する場合がありますので注意しましょう。相続税の場合は、申告期間が10カ月以内と定められています。 

また、贈与税についても同じく申告期限があります。暦年課税贈与や相続時精算課税贈与の申告期限は、贈与を受けた翌年の2月1日~3月15日の間で納付期限も同じです。相続税・贈与税の申告期限は、少々なら遅れても大丈夫だろうと思う人もいるのではないでしょうか。 

しかし、1日でも過ぎてしまうとペナルティを課せられる対象となってしまいます。必ず守るようにしましょう。申告期限日が、土曜日・日曜日・祝日のいずれかの場合は次の平日となります。 

不動産投資で効果的に相続税の対策を行いましょう

高齢者になって、将来的に財産を身内に相続したいと考える人は多いです。相続税の基礎控除額以上の金額を相続した場合、血縁関係や色々な条件などにより課税額に違いがありますが国に相続税を納税しなければいけません。 

多くの人が現金での相続を考えがちですが、不動産投資をした方が相続税の節税効果が期待できる方法として効果的です。税金対策に失敗しないためにも、不動産投資に関する知識を深めたり、定期的に最新情報をチェックしながら取り組んでいきましょう。 
不動産投資の税金対策について、詳しく知りたいという方は、実績豊富なメイクスまでお気軽にご相談ください。専門知識を持ったコンサルタントが最適な資産運用をサポートします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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