現物投資で注目されているワイン投資や腕時計投資とは?

最終更新日:2023.05.26 (公開:2023.04.27)

 投資といえば不動産や金融商品が知られていますが、近年ではワインや腕時計などの品物(現物)を投資目的で購入する方も増えています。「普段からワインが好きで飲んでいる」「腕時計をコレクションしている」という場合には、趣味の知識を活かして投資ができるでしょう。

そこで今回はワイン投資と時計投資の概要をはじめメリットと注意点についてご紹介します。

ワイン投資や腕時計投資とはどのような投資?

そもそも「ワイン投資」「腕時計投資」とは、どのような投資方法なのでしょうか?
はじめに、ワイン投資と腕時計投資の概要について見ていきましょう。

ワイン投資とは?

ワイン投資とは…
将来的に価値が上昇する可能性があるワイン銘柄を選んで購入、価格が上昇したタイミングで売却して差額を利益とする投資方法です。

投資期間としては、短期で売買するのではなく、ある程度の年数をかけて行うのが一般的な投資スタイルです。

高級ワインの中には、元値の何倍もの価格で取引されるケースもあります。海外では、銀行から融資を受ける際に「フランスのブルゴーニュ地方とボルドー 地方の高級ワインを担保にした」という話もあるくらいで、ワインの資産価値の高さが分かるでしょう。

腕時計投資とは?

腕時計投資とは…
高級腕時計を購入し、その価値が上がったときに売却することで差額利益を得る投資方法です。

高級な腕時計は中古であっても価値が簡単には崩れにくいとされています。生産数が非常に少ないものもあり、希少性と人気の高さからプレミア価格で取引されるような商品もあります。腕時計投資とは、そんな腕時計の特性を活かした投資です。

価値のある腕時計は、売却時まで資産として保有しておくだけでなく、記念日など特別な日に身につけられるというのも魅力の一つといえるでしょう。

ワイン投資や腕時計投資の4つのメリット

さまざまな投資方法がある中で、ワイン投資や腕時計投資をすることにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

ここでは、ワイン投資や腕時計投資のメリットを4つご紹介します。

他の投資商品と価格変動が異なるため分散投資に適している

株式投資などの金融商品は、企業の業績だけでなく社会情勢や政治の動向、自然災害の発生など不測の事態によっても価格が変動します。一方、現物を扱うコモディティ(商品)投資は、金融商品とは別の要因で価格が変動します。

そのため、例えば、金融商品だけの偏った資産運用をしていると、世界情勢が不安定になったときや金融危機が起こったときには、保有している資産全体が影響を受けて大きなダメージを抱えてしまうリスクも…

★ポイント★
価格変動の要因が異なるコモディティにも分散して投資しておけば、一瞬で資産価値が無くなってしまうような事態を軽減することが可能なのです。

趣味の延長線上で行うことができる

もともと「ワインや腕時計のコレクションが趣味」という場合なら、投資を始めやすいこともメリットの一つといえます。

趣味の延長であれば、すでに商品についての基礎知識があるので、購入商品のセレクトから、コレクターの動向などについても無理なく把握できるでしょう。

ワイン投資や腕時計投資の魅力とは…
自分が好きなブランド・商品への投資であればモチベーションも上がりますし、楽しみながら投資を行うことができます。

流行によって価格が高騰する可能性がある

ワイン投資や腕時計投資では、ブームが沸き起こることで、予想外に価格が高騰することがあります。見込み以上の利益が出せることもコモディティ投資のメリットといえるでしょう。

注意点
流行がどれだけ続くかは分かりません。流行が過ぎれば価格が下落する可能性も高いため、投資目的の場合は売却タイミングも意識しておく必要があります。

現物資産のため資産価値が暴落する可能性が低い(インフレに強い)

不動産投資と同じように、ワインや腕時計など現物資産への投資はインフレに強いという特徴があります。現物投資はモノ自体に価値を見出す投資方法であるため、物価が上昇してお金の価値が下がったとしても、その影響を受けにくいです。

また、金融商品などと比べて暴落するリスクも低いため、安定的に投資をしたい場合に向いているといえるでしょう。

ワイン投資の3つの注意点

メリットのあるワイン投資ですが、知っておきたい特有の​デメリットも​存在します。

ここからは、ワイン投資を行う際に注意したいポイントを3つ見ていきましょう。

生産状況によっては希望の商品が手に入らない可能性がある

ワインは、原料であるぶどうの収穫量によって生産量が左右されます。ぶどうなど農作物の収穫は、人間がコントロールできない天候要因が影響するので、事前に予想がしにくいものです。

そのため、ぶどうの収穫量が例年よりも不調でワインの出荷数が少ないと、希望のワインが手に入らない可能性もあります。ただ、入手しにくいからこそ希少性が高まって価格が高騰する銘柄もあるので、メリットと表裏一体といえるでしょう。

短期投資には向いていない

ワインはその価格が急激に上昇することはあまりありません。そのため、中・長期的な視点で考える必要があり「短期的に利益を出したい」という考えの場合には向いていないでしょう。

偶然、トレンド商品として注目されたり、先に触れたような収穫量の影響で希少性が高まったりして、例外的に価格が急上昇する可能性はありますが、基本的に短期投資には向いていないことを認識しておく必要があります。

保管が難しくコストが高くなりやすい

ワインは保管方法に気をつかわなければなりません。個人で楽しむだけであれば最低限の管理でも問題ありませんが、投資商品として将来的に売却することを考えると、保管には最大限の注意を払う必要があります

ワインの購入費用のほかに、保管コストがかかることも覚えておきましょう。保管用のワインセラーを用意し、セラーを稼働させておくための維持費は必須です。

★おすすめ★
自宅に保管スペースを確保できないのであれば、保管専門の業者に預ける方法が安心でしょう。専門業者の中には、醸造所のセラーに近い保管・熟成環境を整え、入退室のセキュリティ対策、災害発生などを想定して自家発電設備完備、耐震・耐火構造対策をしている業者もあります。

腕時計投資の3つの注意点

ワインと同様に、腕時計も投資目的で購入するのであれば注意しなければならないことがあります。

ここからは、腕時計投資を行うときに注意したいポイントを3つご紹介します。

マニアックなデザインのものを購入しない

その時代の流行によっては、これまでの腕時計にはないデザイン性のある商品が人気になることもあるでしょう。しかし、トレンド感の強い商品は長い目で見ると価格が安定しない傾向があります。自分が着用する目的であればマニアックな形状の腕時計でも問題はありません。

★ポイント★
投資のために購入するのであれば、多くの人が好むような商品、つまり売却しやすいものを選ぶのがポイントです。例えば、長年にわたって人気が続いているデザインのモデルが適しているといえます。

購入後は定期的な着用やメンテナンスが必要

腕時計を購入した後は「身につけずにキレイな状態のまま保管しておいたほうがいいのでは?」と考えるかもしれません。しかし、まったく使わずに置いておくと、外側はキレイに保管できても、腕時計の内部が劣化してしまう可能性があるため注意が必要です。

長い間、腕時計を放置していると、内部の機械油が固まって劣化し、時計の寿命にも影響します。そのため、数カ月に一度はゼンマイを巻く、稼働する箇所は定期的に動かすといったメンテナンスを行う必要があります。

貴金属製の商品でも価格が安定するとは限らない

腕時計は「金やプラチナなど貴金属を使っているもののほうが価値が上がるのでは?」と考えがちですが、腕時計の価値は素材で決まっているわけではありません。実際に、現在、市場価値が高い腕時計のモデルは、その多くがステンレス製です。

そのため、投資目的で腕時計を購入する場合に、金やプラチナなどの素材だけで選んでしまうと失敗するリスクがあるため注意が必要です。

★おすすめ★
価格の安定を重要視するなら、素材だけに注目するのではなく、ブランドバリューや市場人気が高いモデルを選ぶことをおすすめします。

ワイン投資におすすめの商品例3選

ワイン投資に興味を持っているものの、実際にどのワインが投資に向いているのか分からないという方もいるでしょう。

そこで、ワイン投資にもおすすめの有名銘柄を3つご紹介します。

シャトー・フィジャック

シャトー・フィジャックは、フランスのサン・テミリオン地区にある人気のシャトーの一つです。この地区で最も古い歴史を持つといわれており、伝統のあるワインでもあります。

2022年にサン・テミリオンの格付けが更新されて、プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA(第1特別級)となったこともあり、さらに注目が集まっています。若くてもしっかりとした味わいを楽しめるという特徴のあるワインです。

クリュッグ グランド・キュヴェ

クリュッグ グランド・キュヴェは、シャンパーニュ地方で作られる最高級のシャンパン(スパークリングワイン)です。複数の年に生産されたワインを混ぜ合わせることによって作られ、ブレンドによってしか味わえない美味しさを表現しています。

なお、グランド・キュヴェとは特別な1本という意味であり、「シャンパーニュの帝王」とも称されています。

シャトー・ディケム

シャトー・ディケムは、フランスを代表する甘口の白ワインです。100年経っても損なわれない味わいを持つといわれており、ワイン投資に適した1本です。

4世紀前からワインの生産を続けている伝統のあるシャトーで、1855年のソーテルヌの格付けでは、プルミエ・ クリュ・シュペリュール(特別1級)の格付けを唯一与えられました

腕時計投資におすすめの商品例3選

続いては、腕時計投資におすすめの商品を3つご紹介します。

ロレックス デイトナ

ロレックスは、圧倒的な知名度を誇る高級時計ブランドです。

ロレックスの数あるシリーズの中でも、1963年に誕生した「デイトナ」はいつの時代も人気のモデルです。もともとはカーレーサー向けに作られ、クロノグラフとタキメーターが搭載されており、高機能かつ耐久性や防水性も高く、多くの有名人にも愛用されています。

★ポイント★
正規店での定価購入は困難な状況が続いており、ほぼ店頭に並ぶことがないモデルのため、中古でもプレミア価格で売られています。

パテック フィリップ カラトラバ

パテック フィリップは世界三大腕時計ブランドの一つであり、その中でも特に人気の高いブランドです。

「カラトラバ」は、正規店での購入が難しい入手困難なモデルの一つ。古典的なラウンド型の腕時計で、パテック フィリップの伝説的ともいえる気品を備えている人気モデルです。腕時計の元祖とされる「Ref.96」から始まったモデルで、シンプルなデザインながら個性と高級感を抱かせます。

オーデマ ピゲ ロイヤルオーク

オーデマ ピゲも、世界三代腕時計ブランドの一つに数えらえる有名ブランドです。

「ロイヤルオーク」は、八角形のベゼルが印象的なラグジュアリー・スポーツモデル。1972年に高級腕時計として初めてステンレススチール素材を使用したことでも知られています。ビジネスシーンにもカジュアルシーンにもあうモデルとして、人気を集めています。

ロイヤルオークも正規店での購入が困難で、プレミア価格がついているモデルです。

ワインや腕時計はコモディティ投資の選択肢の一つ!

ワイン投資や腕時計投資といったコモディティ(商品)投資は、金融投資にはない魅力がある投資方法です。短期的な取引での収益性ではなく中・長期的な投資視点が必要ですが、資産運用のポートフォリオに加えれば、インフレに強い資産としてリスクヘッジも可能です。

もちろんここでも解説したように、コモディティ投資だからといってリスクがないわけではなく注意点もあります。リスクに関する知識を認識した上で、趣味と実益を兼ねた選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクス・㈱メイクスプラスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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