不動産投資は新築マンションと中古マンションで何が違う?メリット・デメリットを解説

最終更新日:2023.01.19 (公開:2022.12.15)

不動産投資を新たに開始、もしくは買増しをしようと思っている方の中には、
「不動産投資では新築マンションと中古マンションの投資にはどんな違いがあるの?」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

新築マンション投資と中古マンション投資の違いについて比較検討できるよう、それぞれのメリットとデメリットについて解説します。

新築マンション投資を検討するときでも、中古マンション投資との違いを知ることは有益な知識となりますので、ぜひ参考にしてください。

新築物件(新築マンション)で不動産投資をするメリット

まず、新築マンションで不動産投資をする主なメリットについて解説します。

新築マンション投資は、低リスクであることが人気の理由といわれていますが、どのようなメリットや強みがあるのでしょうか。

入居率が高くなりやすい

新築嗜好の人が多い日本では、賃貸市場でも築浅物件のほうが入居率は高くなる傾向にあります。不動産投資で成功するには入居率の高さが重要なポイントとなり、高い入居率を維持することで経営が安定します。

入居率を高くするには

▪退去を出さないこと
▪退去後の客付けを迅速に行うこと


この2点が大切です。新築マンションは、賃貸物件の中でも特に人気なので長期的に住む入居者が多いと考えられ、退去後の客付けに有利といえるでしょう。

金融機関などから融資・不動産投資ローンを受けやすい

新築マンションは担保評価が高くなるため、金融機関などからの融資を受けやすくなります。新築マンションは入居率が高く、不動産投資の初心者でも経営を安定させやすいことも背景にあるでしょう。

一方、築年数が古い物件ほど建物分の担保評価は低くなるため、ローンの審査には不利になる傾向といえます。

新築マンションは、同じ新築物件の中でも木造アパートなどと比較して、資産価値が下がりにくいという強みがあります。例えば、インフレになると都市部を中心に、マンション購入時よりも高く売却できるケースも珍しくありません。不動産投資の規模を広げていく際にも、優秀な運用が実現できていれば、追加融資の可能性も開けるでしょう。

高い家賃を設定しやすい

新築マンションは、周辺相場の中でも高い家賃を設定しやすいというメリットがあります。

先述したように、新築マンションは中古マンションと比べると入居率が高いです。入居率が高ければ、需要と供給の関係上、設定できる賃料も上がります。需要に対する供給が足りておらず、家賃を高く設定しても入居が埋まるともいえるでしょう。

「新築価格」という言葉があるように、賃貸市場で新築物件はほとんどのケースで家賃が割高に設定されています。もちろん、エリアによってどれくらい割高に賃料を設定できるのかは変わりますが、特に都市部では、かなりのプレミアム価格で募集されるケースも多くあります。

※新築物件といえど…
経年とともに家賃は下落していく傾向にあります。一般的に、都市部の物件では築5年までは1%程度の下落率ですが、それ以降は4%程度の下落率となっています。家賃下落を織り込んだ収支シミュレーションをしておくのが賢明です。

売却しやすい

新築マンションは、出口戦略(売却)を取りたいタイミングで売り出しやすいことも強みです。日本では米国などとは違い不動産への「ビンテージ」の概念が薄いため、築古になるほど需要がなくなり売却しにくくなります

特に、土地の持分がほとんどない区分マンションは、建物が古くなると価値が一気に落ちます。

あくまで一般的な目安ですが、マンションの場合は、新築から10年、20年を過ぎたタイミングで価値が大きく変わりやすいです。

この視点で考えると、新築マンションは

▪価値が下がるまでの期間を目一杯運用できる
▪価値が下がる時期を見越して売却する

など資産の組み換えを考える上でも有利でしょう。都市部の新築物件であれば、インフレのタイミングで大きなキャピタルゲイン(売却益)を狙えるケースもあります。

【関連記事】
新築ワンルームマンションの不動産投資を行うメリットや収益性とは?

新築物件(新築マンション)で不動産投資をするデメリット

低リスクで魅力いっぱいの新築マンション投資ですが、デメリットや注意点もあります。ここでは、新築マンションで不動産投資をする主なデメリットについて解説します。

物件価格が高い

新築マンションに投資する一番のデメリットは物件価格が高いことです。先述したように、マンションは、ある程度の年数が経つと一気に価格が下がるため、中古マンションと比べて割高と感じる方もいるでしょう。

また、融資を受けやすいのが新築マンション投資のメリットですが、そうはいっても、投資物件数を増やしたりすると、投資金額が大きくなるため特に不動産投資初心者にはリスクがあるといえるでしょう。

\ 初心者が新築マンションを検討する際は /
まずは少額の自己資金や無理のない融資(返済)で始められる区分マンション、ワンルームマンションへの投資が向いています。自分の収入や資産運用の目標に合わせた無理のない投資を意識しましょう。

利回りが低い

新築マンションは中古マンションと比べて物件価格が高くなるため若干利回りが低くなります。利回りとは、投資した不動産物件の収益性を数値化したもので、「表面利回り」と「実質利回り」があります

■表面利回り
購入時の各種手数料や諸経費、修繕積立金などを含まない指標で、以下の計算式で算出します。
おおよその利回りを知りたいときに向いている指標です。
表面利回り=年間家賃収入÷物件価格×100(%)

■実質利回り
購入時の各種手数料や諸経費、修繕積立金などを考慮した指標で、以下の計算式で算出します。実質利回りのほうが、より実際に近い利回りが把握できます。
実質利回り=(年間家賃収入-年間の諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100(%)

ここでは分かりやすくするために、表面利回りで、仮に年間家賃収入が同じ120万円という条件で新築と中古の利回りを比較してみましょう。

物件価格が4,000万円の新築マンションの利回り
120万円(年間家賃収入)÷4,000万円(物件価格)×100=4%

▪物件価格が2,000万円の中古マンションの利回り
120万円(年間家賃収入)÷2,000万円(物件価格)×100=6%

この比較を見ても、物件価格が安い中古マンションのほうが投資金額も少なくて済み、当然、利回りがよくなることが分かります。

利回りをよくするために、新築マンションの家賃を割高に設定することはできます。ただ、上記のケースで計算すると、年間家賃収入を1.5倍の180万円にしないと中古マンションと同じ利回り6%になりません。月の家賃にすると月10万円を月15万円に設定する必要があります。

入居者から見て、差額の5万円を「新築の価値」と考えてもらえるか、「新築とはいえ周辺の家賃相場感と比べると高い」と思われてしまうか、そのバランスを慎重に検討しなければならないでしょう。

キャッシュフローが小さい

新築マンションは、キャッシュフローが小さくなるケースが多いのもデメリットです。キャッシュフローとは、家賃収入からローンの返済や管理費を差し引いた手残り部分を指します。

物件価格が高い新築物件は、ローンの返済が重くなるため、その分、キャッシュフローが圧迫されます。東京都心部の物件をフルローンで購入すると、キャッシュフローがマイナスになるケースも多いです。

ただ、長期的な資産形成の観点でいうとキャッシュフローが一時的にマイナスでも決して投資として失敗ではありません。運用計画に沿ってローンを順調に返済し、10年~15年後の売却時に購入額よりも高く売却できれば利益を得られます。一方、短期的な不動産売買で利益を得ようとすると、売却サイクルが早くなるため、ローンの残債を早く返済してプラスのキャッシュフローにする必要があるのです。

目先のキャッシュフローが投資の目的である場合、「不動産投資は意味がない」と感じる方もいるでしょう。短期的なキャッシュフローをプラスにしたい方は、自己資金をなるべく多く用意することや、市場が活発な都市部物件を探すのがおすすめです。

将来のシミュレーションが難しい

新築マンション投資は、ある程度長期的に投資をすることでメリットを受けられる投資手法。インフレによる売却や、不動産投資を続けるのが困難になる場合を除いて、ローン完済後の家賃収入を目的にするケースがほとんどだからです。

新築マンションは資産形成に向いている優秀な資産ですが、長期的な投資にはシミュレーションも大切です。ただ、経年による物件価格の変動や賃貸需要、修繕・管理費の変化を分析するのは簡単ではありません。一方、中古マンションの場合には、市場に出てからある程度の年数を経ているため、物件価格が落ち着き、賃貸需要も過去の実績から想定しやすいといえるでしょう。

特に投資初心者の方には、資産価値の長期的なシミュレーションが難しいデメリットは否定できません

【関連記事】
不動産投資で失敗する原因とは?事例から見る失敗しないポイントを解説

中古物件(中古マンション)で不動産投資をするメリット

次に、新築マンション投資との比較のために、中古マンションのメリット・デメリットについても紹介します。
ここではまず、中古マンションで不動産投資をする主なメリットについて見ていきましょう。

物件価格が低い

中古マンションに投資する一番のメリットは、新築と比べて物件価格が低いことです。築年数によって価格帯はさまざまですので、自分の予算に合った不動産投資ができます。エリアや築年数によっては1,000万円以下の物件もあり、現金だけで購入できるケースがあるのも魅力でしょう。

新築マンションと比較して物件数が豊富なため、掘り出しものを見つける楽しみもあります。

※扱う不動産会社が無数にある…
物件選びだけでなく会社選びにも注意が必要です。ある程度、自分で物件を見る目に自信がある方や、投資経験があり物件選定から運用まで自分でやりたい方にはおすすめです。

利回りが高い

物件価格が低いことで利回りが高くなることも中古マンション投資の魅力です。賃貸需要の動向に注意する必要はありますが、しっかり客付けできる物件であれば高収益を実現できるのが、中古物件ならではのメリットでしょう。

ベテラン投資家の中には、お買い得な築古・高利回り物件を買い増して、高収入を得ている方がいます。初心者のうちは新築マンション投資から始めて、物件を見る目が養われてきた頃に中古マンション投資に切り替える投資家もいます。

利回りが低いものの安定した新築マンション投資よりも、物件によってはハイリスク・ハイリターンで大きな運用益を得る投資が可能なのが、中古マンション投資の特徴の一つです。

購入後すぐに家賃収入が見込める

入居済みの中古マンションを購入した場合、すぐに家賃収入が見込める点もメリットです。

建物ができたばかりの新築マンションであれば、購入後に部屋が埋まるまで家賃収入はありません。家賃が入ってこない状況でもローンの返済は始まるため、入居者が決まるまでは自分の財布から返済する必要があります。部屋が埋まるまでの期間が長いと、その分、資金的な負担が増えるのはリスクといえるでしょう。

一方、中古マンションであれば、購入前に入居者の有無や賃料を確認してから投資をスタートできます。家賃収入をローンの返済に充てられるため、当初から安定した投資ができる点は大きなメリットです。

中古物件(中古マンション)で不動産投資をするデメリット

一見、新築マンションよりも魅力的に見える中古マンションですが、リスクとなる部分は多いです。最後に、中古マンション投資のデメリットについて紹介します。

修繕費が高い

中古マンションは築年数が経つごとに、設備の耐用年数が限界に達してくるため修繕費が高くなります。よって、中古マンションは新築マンションと比較して修繕費が高いことがデメリットです。

築浅であれば新築時とほとんど変わらないケースもありますが、築古になると新築時と比べて修繕費がかなり高くなる物件もあるので注意が必要です。購入しようとする中古マンションの過去の修繕費について、どのタイミングでいくら変化しているのか、その理由はなぜなのかなど、データをしっかり分析した上で検討することが大切でしょう。

資産価値が低い

土地の持分が少ないマンションは、建物が古くなると資産価値が低くなるデメリットがあります。エリアにもよりますが、中古マンションは新築時と比較して基本的に資産価値が下がります。人口減の激しいエリアでは、賃貸需要の低下から資産価値が激しく下がっている物件も多いです。
資産価値が下がっている物件をあえて購入する投資家もいますが、基本的にはおすすめしません。

▪融資の条件が悪くなること
▪出口戦略が取れなくなる

2点のリスクがあるからです。マンション投資をする際には、単身需要が多く資産価値が下がりにくい都市部の物件がおすすめです。

金融機関などから融資・不動産投資ローンを受けにくい

中古マンションは新築マンションと比較して、金融機関などからの融資を受けにくいというデメリットもあります。理由としては、耐用年数が短く、資産価値の低下から担保評価が受けられないからです。

例えば、新築時にはフルローンが使えた物件でも、中古になるとフルローンが使えなくなることも珍しくありません。フルローンが使えない物件を購入するには、初期費用とは別に頭金が必要になるので、自己資金が豊富にないと購入が難しくなります。

自己資金が少なくても金融機関などからローンを受けられることは、不動産投資における大きなメリットです。

ローンを受けづらい
自己資金が必要になる

中古マンションはこの点に注意しましょう。

耐震性の確認が必要

中古マンションを購入する際には、耐震性の確認が必要です。耐震基準を満たしていない物件は安全性に欠けるため、一般的に客付けの際に不利になります。災害時や経年劣化によって損壊・倒壊する可能性もあるため、所有しているだけでリスクといえます。

また、質の悪い物件を購入してしまうと売却がしにくいこともリスクです。どれだけ物件価格が安くても、耐震基準を満たしていない物件と分かって購入する人はほとんどいません。中古物件は仲介会社が扱うケースも多いので、詳しい確認が不十分になる可能性もあります。

中古マンションの場合には、耐震性の確認はもちろん、契約不適合責任の期間を必ず設けるなど契約内容にも十分な注意が必要です。

本業がある方は新築ワンルームマンションの不動産投資がおすすめ

今回は、不動産投資を考えている方に向けて、新築マンション投資と中古マンション投資の違いについて紹介しました。ここで解説してきたように、中古マンション投資は、専業で不動産投資をしているようなベテラン投資家向きで、中古マンション投資はハイリスク・ハイリターンを狙った投資手法といえるでしょう。

会社員をはじめ別の本業がある方は、管理・運用に比較的手がかからない新築マンションの不動産投資がおすすめです。特に、これから不動産投資を始める方には、小規模から始められる新築ワンルームマンション投資が向いているでしょう。

これから不動産投資をスタートさせたいと考えている方は、実績豊富なメイクスまでお気軽にご相談ください。専門知識を持ったコンサルタントが最適な資産運用をサポートします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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