15種類の所得控除を知ろう!年末調整・確定申告ではここをチェック

最終更新日:2024.02.02 (公開:2023.12.15)

会社勤めをされている方が、毎年、会社から受け取る書類に「源泉徴収票」があります。 

この書類は簡単に言えば「1年間の収入と控除額、納付した所得税額が記載された書類」のこと。「所得控除の額の合計額」の欄には、所得から控除される金額が記載されていますが、人によって控除される内容が異なります。 

そこで今回は、15種類ある所得控除についての基礎知識について詳しく解説します。 

所得控除とは? 

所得控除は、所得税を計算する際、課税対象になる所得金額から差し引くことができるもので、15種類あります(2023年3月現在)。会社勤めの人であれば、源泉徴収票の「所得控除の額の合計額」で控除額の合計金額を確認できます。 

源泉徴収票について詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますのでご覧ください。 

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源泉徴収票の見方を解説|不動産投資で知っておきたい基礎知識

それでは、次項から各所得控除について見ていきましょう。
※各所得控除の対象範囲や控除額の算出方法は、個別ケースによって異なるため、詳しく知りたい場合は税理士など専門家へ相談するのがおすすめです。

1.基礎控除

基礎控除は、所得税を納付している全ての人を対象とした控除です。合計所得金額に応じて控除を受けられます。合計所得金額が2,400万円までは、誰でも48万円の所得控除を受けられます。 

▼合計所得金額別の基礎控除額一覧

合計所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超~2,450万円以下32万円
2,450万円超~2,500万円以下16万円
2,500万円超0円

出典:No.1199 基礎控除|国税庁 

2.社会保険料控除

社会保険料控除は、健康保険、国民年金や厚生年金保険、介護保険、雇用保険などの社会保険料を納めた場合、支払った金額を控除できるものです。納税者本人の支払分だけでなく、生計が同一の配偶者や親族の社会保険料も含むことができます

3.生命保険料控除

民間の保険会社と契約して、医療保険や個人年金保険、学資保険などの保険料を支払った場合、生命保険料控除を受けられます。 

生命保険料控除の対象となる保険は、大きく以下の3つに分けられます。 

一般生命保険料 

被保険者が死亡した際に保険金が支払われる保険。保険商品としては、死亡保険、収入保障保険などがあります。 

介護医療保険料 

被保険者が入院や通院などをした際に保険金が支払われる保険。医療保険、がん保険、介護保険などがあります。

個人年金保険料

公的年金に上乗せして、老後の生活資金を自分で準備する保険。一定条件を満たす個人年金保険が控除対象となります。

生命保険料控除の控除額 

控除額は支払った保険料や契約時期によっても異なります。以下の表にある計算式で、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料それぞれについて算出します。また、控除額には上限があり、合計で12万円が上限です。 

▼生命保険料控除額の計算式表(2012年1月1日以降契約)

年間に支払った保険料控除額
20,000円以下 支払った全額
20,000円超~40,000円以下[支払った金額×1/2]+10,000円
40,000円超~80,000円以下 [支払った金額×1/4]+20,000円 
80,000円超一律40,000円 

▼生命保険料控除の計算式表(2011年12月31日以前契約) 

年間に支払った保険料 控除額
25,000円以下 支払った全額
25,000円超~50,000円以下 [支払った金額×1/2]+12,500円 
50,000円超~100,000円以下 [支払った金額×1/4]+25,000円
100,000円超 一律50,000円 

4.地震保険料控除

地震保険料控除は、民間の保険会社と契約して地震保険料を支払った場合に受けられる控除です。 

2006年までは「損害保険料控除」と呼ばれる所得控除があり、火災保険も控除対象になっていましたが、税制改正で対象外となりました。現在は、地震保険とセットの火災保険に加入していても、所得控除の対象は地震保険料の部分のみです。 

▼地震保険料控除の金額一覧

年間に支払った保険料 控除額 
50,000円以下 支払った全額 
50,000円超 一律50,000円 
※税制改正後の2007年1月1日以降契約の場合 

5.医療費控除 

医療費控除は、病気やケガなどによる通院・入院、歯科治療、妊娠・出産などにかかった医療費が、年間10万円(※)を超えたときに受けられる控除です。納税者本人だけでなく、生計が同一の配偶者や親族の分もまとめられます。 

控除額は次の計算式で算出し、医療費控除額は最高200万円までです。 

(実際に支払った医療費-保険金などで補てんされた金額)-10万円(※) 
※所得が200万円未満の人は総所得金額などの5% 

「保険金などで補てんされた金額」とは、民間の医療保険の給付金、健康保険の高額医療費や出産育児一時金などで、その分は差し引いて計算します。 

また、医療費控除の対象にならない医療費があります。例えば、人間ドックなどの健康診断費用、美容整形の手術費用、予防接種代、サプリメント購入費などです。 

医療費控除の特例「セルフメディケーション税制」 

2026年12月31日までの特例として、セルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)があります。指定の医薬品を買った場合、12,000円を超える部分の金額(限度額88,000円)について控除が受けられるものです。 

医療費控除との併用はできず一定の条件はありますが、薬局で買った市販薬も対象になります。対象医薬品には、パッケージやレシートに控除対象であることが分かる記載がなされています。 

6.配偶者控除

配偶者控除は、年間の合計所得金額が48万円以下(給与所得のみの場合は103万円以下)など、一定の条件を満たす配偶者がいる場合に受けられる控除です。納税者本人の合計所得金額と配偶者の年齢によって控除額が変わります。 

以前は「所得金額に関係なく、配偶者控除と言えば38万円」という税制でしたが、現在は、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合には配偶者控除は受けられないなど、基準が変更になっています。

▼納税者本人の合計所得金額別の配偶者控除額一覧 

納税者本人の合計所得金額 控除額 
一般の控除対象配偶者の場合
控除額 
老人控除対象配偶者の場合 
900万円以下 38万円 48万円 
900万円超~950万円以下26万円 32万円 
950万円超~1,000万円以下13万円 16万円 
※老人控除対象配偶者は控除対象者が70歳以上 

7.配偶者特別控除 

配偶者特別控除は、配偶者の所得が多くて配偶者控除が受けられないとき、配偶者の所得金額に応じて受けられる控除です。納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下であることや、配偶者の合計所得金額が48万円を超え133万円以下(給与所得のみの場合は103万円を超え201万6,000円未満)などの条件を満たす必要があります。 

8.扶養控除

扶養控除は、配偶者以外に所得税法上の扶養親族がいる場合に受けられる控除です。16歳以上の子供や両親、祖父母などを扶養しているケースで適用されますが、扶養家族の年齢や同居しているかどうかで控除額が異なります。 

▼扶養控除の区分と控除額一覧 

区分控除額
一般の控除対象扶養親族(16歳以上) 38万円 
特定扶養親族(19歳以上23歳未満) 63万円 
老人扶養親族(70歳以上・別居)48万円 
老人扶養親族(70歳以上・同居) 58万円 

9.小規模企業共済等掛金控除 

小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済法で指定された共済制度の掛け金を控除できるものです。控除対象の掛け金は以下の通りです。 

・中小企業基盤整備機構との共済契約の掛け金
・個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛け金
・企業型確定拠出年金(企業型DC)の掛け金
・心身障害者扶養共済制度の掛け金

10.寄附金控除 

寄附金控除は、ふるさと納税や認定NPO法人など対象となる団体へ寄付をした場合、その金額に応じて控除を受けられるものです。控除額は、次のような計算式で算出します。 

「寄付金の合計額」または「合計所得金額の40%」のいずれか低いほうの金額-2,000円 

会社の年末調整では寄附金控除には対応していないので、寄附金控除を受けようとする場合には、自分で確定申告を行う必要があります。 

寄附金控除の対象団体 

寄附金控除の対象となる団体には、以下のようなものがあります。 

・国、地方公共団体 
・公益社団法人、公益財団法人 
・独立行政法人 
・自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興
・共済事業団、日本赤十字社 
・学校法人 
・社会福祉法人 
・更生保護法人 
・特定公益信託 
・政治活動に関する寄付金の一定のもの(政治資金規正法に違反するものを除く) 
・認定特定非営利法人(認定NPO法人)への寄付金の一定のもの 

ふるさと納税 

なお、ふるさと納税の納税先が5自治体以内の場合は、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用することで、確定申告をしなくても寄附金控除が受けられます。6自治体以上の場合や、医療控除など他の所得控除がある場合には、他の所得控除と合わせて確定申告が必要です。

11.ひとり親控除 

ひとり親控除は、扶養している子供がいる「ひとり親」が受けられる控除で、2020年から新しく始まった所得控除です。婚姻歴がない未婚のシングルマザーやシングルファーザーも対象となり、合計所得金額が500万円以下などの条件を満たす必要があります。控除額は35万円です。 

12.寡婦控除 

寡婦控除は、民法上の婚姻関係にあった夫と死別した、または離婚後に婚姻していない、夫の生死が明らかでない人が、要件を満たす場合に受けられる控除です。ひとり親控除に該当しないことや、合計所得金額が500万円以下などの要件があり、控除額は27万円です。 

13.障害者控除 

障害者控除は、納税者本人や配偶者、扶養親族が、所得税法上の障害者の場合に受けられる控除です。扶養控除では対象にならない16歳未満の扶養親族にも適用されます。

▼障害者控除の区分と控除額一覧 

区分控除額
障害者27万円 
特別障害者 40万円 
同居特別障害者 75万円 

14.勤労学生控除 

勤労学生控除は、働きながら学校へ通っている場合に受けられる控除で、控除額は27万円です。合計所得金額が75万円以下、指定の学校の学生・生徒であることなどの要件を満たす必要があります。 

15.雑損控除 

雑損控除は、震災・風水害・例外・雪害・落雷などの自然災害、火災、害虫による災害、盗難、横領などによって資産に損害を受けた場合などに受けられる控除です。 

生活に必要な家具や現金などが対象となり、別荘、貴金属や骨董など(1組または1個の価額が30万円を超える物)のぜいたく品は対象になりません。また、所得合計金額が1,000万円以下の人が受けられる「災害減免法による所得税の軽減免除」と比べて、有利なほうを選択できます。 

節税につながる所得控除を適切に活用しよう! 

所得控除は、年末調整や確定申告を利用して、自分で申告しないと適用されません。今回、解説した15種類の所得控除で適用される控除がある際は、もれなく申告できるように、年間を通して計画的に準備をするのがおすすめです。 

会社勤めの方で、不動産投資をはじめ副業などの所得が給与以外に20万円以上ある場合、確定申告をする必要があります。書類を用意するなど手続きの手間はかかりますが、不動産所得にかかわる控除もあるため、積極的に活用するのがいいでしょう。 

とはいえ、税務手続きにはある程度の知識が必要となり、不安を感じる方もいらっしゃることでしょう。そんなときは、不動産投資にかかわる税務処理の専門家のご紹介も可能で、ワンルームマンション不動産投資の実績豊富なメイクスまでお気軽にご相談ください。専門知識を持ったコンサルタントが最適な資産運用をサポートします。 

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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