資産形成に最適なポートフォリオの組み方のポイントとは?

最終更新日:2023.09.14 (公開:2023.08.18)

資産形成を考える際に、自分が持っている資産を全体的に把握できるポートフォリオの作成方法を知りたい方は多いことでしょう。ポートフォリオを組むことは、投資のリスクを分散し、リターンとリスクのバランスをとりながら、安定的な資産形成を実現するために非常に重要です。

そこで今回は、ポートフォリオの必要性や組み方の手順、自分に合ったポートフォリオを組むときのポイントなどを詳しく解説します。

そもそもポートフォリオとは?基礎知識から理解しよう

はじめに、ポートフォリオの基礎知識について見ていきましょう。

所有する資産の組み合わせ・割合のこと

ポートフォリオとは…
所有する資産の組み合わせや割合のこと

ポートフォリオを作成することで、自分が保有している資産の種類や割合をひと目で確認でき、投資先をより効率的に管理することが可能になります。

資産運用のポートフォリオの役割とは?

資産運用は、単に金融商品を購入するだけで終わるものではありません。所有している資産の市場動向を定期的にチェックして、最適な運用資産のバランスを維持しながら収益を最大化することが大切です。

ポートフォリオを組むときの考え方

ポートフォリオを組むときは、投資目的や投資期間、リスク許容度などを考慮しながら、適切な投資先を選定することが重要です。

★ポイント★
資産形成は将来の生活に関わるものであるため、短期的な視点ではなく、将来のライフプランを考慮して検討しましょう!

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資産形成を行うためにポートフォリオは必要?

ここからは、資産形成を目指す上で「ポートフォリオを組む必要性」「ポートフォリオが必要な理由」について見ていきましょう。

資産形成に重要な「分散投資」の管理に不可欠

資産形成を行う上で重要なポイントの一つが「分散投資」です。また、分散投資は以下の2つの側面から考えることができます。

資産分散…異なる特徴の投資商品に分散投資する(1種類の商品に依存しない)
時間分散…投資商品の購入時期を分散する(一度にまとめて購入するのを避ける)

これらのアプローチは、運用リスクを抑えるための重要な手法です。

例えば、特定の企業や国に偏った株式投資をしている場合、その企業の業績不振やその国の経済変動による影響を直接受けることになります。しかし、リスクの分散によって、一時的な不振に陥った資産がある場合でも、ほかの資産とのバランスを考えれば、影響を最小限に抑えることができるのです。

分散投資では、自分が「どの投資先に、どれくらい分散投資しているか」を適切に把握する必要があります。そのため、ポートフォリオの作成と管理が不可欠です。

複数資産の組み合わせや比率の定期的な見直しに不可欠

分散投資において複数の資産を所有する場合には、性質の異なる資産を組み合わせたり、比率を調整したりすることが重要です。株式や不動産、債券、現金などの異なる資産を所有すると、その比率が資産成長のリスクとリターンに大きく影響します。

例えば、リスクの高い株式に偏った投資を行った場合、その影響はポートフォリオ全体に及び、市場の暴落時にはリスクが高まってしまいます。しかし、高リターンを期待する株式と、安定した収益を期待する債券など、リスクとリターンの特性が異なる資産でポートフォリオを組むことで、リスク分散が可能です。

このような資産の組み合わせや比率は、市場動向や自身のライフステージに合わせて、定期的に見直すことが重要です。ポートフォリオを組むことで、資産状況の推移や将来予測もしやすくなり、精度の高い資産運用が期待できます。

【手順】ポートフォリオの組み方

続いては、ポートフォリオを組むときの具体的な手順について解説します。

1.資産形成の目的や目標を設定する

ポートフォリオを作成する前に、資産形成の目的や目標を明確にしましょう。これにより、適切なポートフォリオを作りやすくなります。具体的には、次の2点について意識するのが重要です。

・何のために資産を形成するのか(目的)
・いつまでに、どれくらいの金額を達成するか(目標)

例えば、短期間での資産形成を目指す場合は、より高いリスクをとる必要があります。一方、長期的な安定運用を目指す場合には、比較的低リスクの投資商品を中心にポートフォリオを組むことで、リスクを抑えることができます。

目的や目標を設定したら、以下の点を把握しましょう。

・目指す利回り
・必要な投資金額や積立金額
・自分が許容できるリスクレベル

自分の収入や家計状況、将来のキャッシュフローなどを考慮し、現実的かつ無理のない設定をすることがポイントです。

2.投資商品の特徴を把握し、対象投資を選ぶ

投資商品といってもさまざまな種類があり、それぞれが異なる魅力とリスクを持っています。そのため、実際に投資を行う際には、各商品の特徴を理解しておく必要があります。投資商品の特徴を把握することで「元本が減るリスク」「緊急時にすぐに現金化できるか」「資産の成長見込み」などをある程度判断できます。

ここからは、主な投資商品の特徴を簡単に見ていきましょう。

「不動産投資」の特徴

不動産投資は、不動産物件を購入して第三者に貸し、家賃収入を得る投資方法です。また、物件を売却することで売却益を得る投資方法も含まれます。

特徴は、副業として運用できることや節税効果が期待できる場合があること、不動産価値の比較的ゆるやかな変動により、ミドルリスクで長期的なリターンを期待できる点などです。ただし、入居者が見つからない空室リスク、老朽化による修繕リスクなどがあるため、適切な物件選びや管理・運営が大切になります。

■関連記事不動産投資の8つのリスクと回避のための対策について【徹底解説】

「運用型の保険」の特徴

運用型の保険は、ライフステージに応じて目標金額(保険金)を受け取れる商品です。例えば、以下のような保険商品があります。

・終身保険…解約や失効をしない限り、死亡時などに保険金を受け取れる
・養老保険…通常、満期時に所定の保険金を受け取れる
・個人年金保険…契約時に設定した年齢に達すると、保険料に応じた年金を受け取れる
・学資保険…子どもの入学や進学に合わせて保険金を受け取れる

これらの保険商品は掛け捨ての保険料ではないため、上手に活用することで資産形成としての役割も果たします。高いリターンは期待できませんが、保障を確保しながら資産形成できる点が特徴です。

「株式投資」の特徴

株式投資は、企業の株式を購入・保有し、株価の上昇による利益を狙う投資方法です。成長が見込める企業の株式であれば、高いリターンを期待できる特徴があります。

ただし、企業の業績や経済情勢の変動により株価が大きく変動し、損失を被る可能性もあります。

★ポイント★
株式投資では、企業の経営状況や財務状況を詳しく把握するために、情報収集や分析、リスク管理が欠かせません。

「債券」の特徴

債券は、投資家から資金を借り入れるために、企業や国が発行する有価証券です。債券を保有することで、定期的な利息収入が得られ、満期には元本が返還される特徴があります。安定的な運用が可能で、比較的低リスクな投資とされています。

金利の変動によって債券の価値が変動するため、市況によっては実質的な資産価値が下がることも考えられます。

★注意点★
債券の発行元の業績によっては、元本割れのリスクがあるため、発行元の信用力の確認も重要です。

「FX」の特徴

FXは外国為替証拠金取引のことで、呼び方は英語の「Foreign eXchange」(外国為替)に由来しています。日本円や米ドルなど異なる通貨同士を取り引きする「証拠金取引」です。

FXの特徴としては、証拠金を金融機関に預けることで、元手の何倍もの信用取引が可能になることや、24時間取引が行える点が挙げられます。スマートフォンやパソコンを利用した取引環境が整っているため、手軽に取り引きできます。

★注意点★
FXは多国間の市場バランスや地政学リスクなど複雑な要素の影響を受けるため、初心者には高いリスクが伴います。少額の投資で大きな利益を狙える魅力がありますが、情報収集と分析、冷静な判断力が求められます。

3.定期的に資産の状況を見返す

金融市場は絶えず変動し、金融資産の価格も変化します。そのため、ポートフォリオ作成後も、定期的に資産の状況を見直し、投資方針とのズレがないか確認することが大切です。

定期的な確認をして資産配分に問題がある場合は、リスクを分散するためのバランス調整を行います。結婚や出産、転職、マイカーやマイホームの購入などのライフイベントは、ポートフォリオを見直す絶好の機会です。

老後に向けたバランスのとれたポートフォリオ作成がおすすめ

老後に備えての資産形成を行う際は、安定した運用が重要です。ここでは、バランスのとれたポートフォリオを作成する方法について解説します。

特徴の違う投資商品を選びリスクを分散しよう

先にも説明したように、リスク分散の効果を高めるためには、異なる特徴を持つ商品に分散投資することが重要です。

★ポイント★
価格変動が比較的穏やかな不動産や現物資産など、金融商品以外の投資を組み入れるとバランスがとれ、安定的な資産形成につながります。

老後までの期間に資産づくりをすると考えると、リスクが高くなりがちな短期的・投機的な視点ではなく、長期的にコツコツと運用する視点が大切でしょう。

少額でローリスクの不動産投資や運用型の保険をベースにしよう

初期投資額が比較的少なくインフレに強い不動産投資や、貯蓄型の運用型保険をベースに投資を始めると、安定した資産形成が行いやすくなります。

★おすすめ★
特に区分マンション投資では、1室のマンションを購入して貸し出すため、1棟マンション・アパート投資に比べて少ない投資額で始めることができます。

入居需要が高い物件を選ぶことで、長期的に安定した収入を得ることが可能です。また、不動産投資には、各種経費や減価償却費の計上による節税効果が期待できるなどのメリットもあります。

■関連記事不動産投資10のメリットと7のデメリットを徹底解説!

為替のリスクを考え複数通貨で資産を保有しよう

為替は国際市場や国際政治の変動によって大きな影響を受けます。そのため、為替リスクを軽減するためには、複数の通貨で資産を保有するポートフォリオが対策の一つになります。

例えば、日本円と米ドルを保有していれば、日本円が米ドルに対して下落した場合でも、外貨資産は相対的に価値が高まる場合がほとんどです。これにより、資産全体の価値が下がってしまうリスクを回避できます。

自分に合ったポートフォリオを作成する3つのポイント

自身の状況に適したポートフォリオを作るために、以下の3つのポイントで解説します。

・すぐに利用できる現金を確保しておく
・金融市場の状況を確認しておく
・信頼できるアドバイザーを見つける

すぐに利用できる現金を確保しておく

資産運用を行う際には、すべての余剰資金を投資に回すのではなく、常に手元に一定額の現金を確保しておくことが大切です。病気や失職など不測の事態に備える生活防衛資金として、以下の金額が目安とされています。

■生活防衛資金の目安

・独身で1人暮らしの場合…生活費の3カ月~6カ月分
・夫婦など2人暮らしの場合…生活費の3カ月~6カ月分
・夫婦と子どもなど3人以上の場合…生活費の6カ月~1年分

多くの投資商品は現金と比べて流動性が低く、売却手続きに時間がかかります。すぐに利用できる現金を用意しておけば、予期せぬ出費に対応できる心理的な安心感が生まれます。また、運用資産を取り崩すリスク回避にもつながります。

市場の状況を確認しておく

どのような投資商品でも、その資産価値は多くの要素によって複雑に変動するので、定期的な市場チェックが欠かせません。投資商品によっても異なりますが、景気動向や政治的な出来事、国際情勢の変化、金利の変動、季節的な要因などが価格変動の主な要素です。

投資の初期段階では最適と思われたポートフォリオであっても、市場の変動によりバランスが崩れることがあります。このリスクを減らすためには、定期的に市場状況を確認してポートフォリオを見直す必要があります。

定期的な見直しによって、現在の市場価格と購入時の価格を比較し、自身の投資判断の正確性を評価することもできます。価格変動の傾向を把握することは、将来の価格変動の予測にも役立ちます。

信頼できるアドバイザーを見つける

投資商品の市場は絶えず変動しているため、正確な動向を予測するのは難しいです。そのため、経験を積んで自分自身の判断力を高めるまでは、経験豊かで信頼できる専門家のアドバイスを受けることが重要です。

アドバイザーを選ぶ際は、その専門分野を確認し、自身が望む投資スタイルやライフプランを理解してくれる人を選ぶことが重要です。また、税金や相続に関する知識を保有していたり、ほかの専門家とのパイプを持っているアドバイザーであれば、総合的なサポートを期待できます

ポートフォリオを作成して最適な資産形成を目指そう

資産形成を考える際には、それぞれの投資商品の特徴を考慮し、分散投資によるバランスがとれたポートフォリオを組むことが重要です。特に、老後に向けた資産形成では、短期的な視点ではなく、長期的に安定した運用が期待できる資産運用を検討しましょう。

メイクスでは、最適なポートフォリオを目指し、新築ワンルーンマンションによる資産運用に関するご相談を承っています。経験豊富なコンサルタントが、安定的な資産形成をサポートします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクス・㈱メイクスプラスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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著者/監修者紹介

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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