コミュニティを通じて、お客様との信頼関係をより強固なものに|鈴木様インタビュー

最終更新日:2024.07.11 (公開:2024.06.21)

現在の不動産業界を見ると、不動産投資を行っているオーナー様と不動産会社との間には、明らかな情報格差があります。その格差が原因で、時にオーナー様は不利な条件で取引をすることになったり、鮮度の低い情報をもとに投資判断をしなければならないのが実情です。

こうした状況を打破するために、メイクスでは、オーナー様に新鮮な不動産情報を届けたり、オーナー様同士が情報交換し合えるコミュニティ「オーナーズクラブ」の立ち上げを進めています。

今回は、オーナーズクラブの立ち上げにご協力いただいている鈴木様に、メイクス コンサルティングセールス本部役員の山口との出会いや、外資系企業を中心に営業畑を歩んでこられた鈴木様のキャリア、そして不動産投資に対する考え方などについてお話を伺いました。

ビジネスの基本は、お客様との信頼関係

山口:まずは、鈴木さんと私との出会いを振り返ってみたいと思います。当時のことは覚えていますか?

鈴木:どんなかたちで出会ったのか、詳細は覚えていないですね。紹介でしたっけ?

山口:そうですね、紹介でした。鈴木さんが不動産投資に興味があるということで、ある人から鈴木さんを紹介してもらったんです。

鈴木:当時、資産形成と節税の両面から不動産投資に興味を持っていました。それで、山口さんを紹介いただいたのですが、最初の契約のときにはいろいろありましたよね。

山口:せっかく不動産投資をやると決めてくださった鈴木さんに、審査に関することや契約の日取りについて、まったく連絡しない状態が続いていたんですよね。

鈴木:そうでしたね。

山口:それで、鈴木さんと喫茶店で打ち合わせをしたときに非常に厳しいことを言われて、私は思わず泣いてしまったんです(笑)。当時を思い返すと、自分のふがいなさをはっきりと指摘されて、それが悔しくて泣いたのだと思います。「お客様の立場に立って対応する」という当たり前のコミュニケーションができていなかったんです。

鈴木さんは、不動産投資に対してすごく意気込んでくれていたのに、営業である僕の対応が行き届いていなかった。「自分も同じ営業職だけど、お客様にそんな対応なんてしないぞ」とお怒りで…。

鈴木:確かあのとき山口さんに「あなたたち営業は、毎日3,000万円や4,000万円の物件を売っているわけだから、それが当たり前になっているかもしれない。でも我々は、3,000万円、4,000万円という高額なローンを組む機会なんてめったにない。“もし、この先、病気で働けなくなったら返済はどうしたらいいのか?”といった不安も抱えている。

客側は相当な覚悟で不動産投資の決断をしているのに、その客に何の連絡もしない。お客様の立場に立って考えていれば、そんな対応はできないはずだ。ビジネスで一番大切な“信頼”をまったく築けていない」と言ったんです。そうしたら、山口さんが泣き出してしまったんですよね(笑)。

山口:営業がお客様の前で泣くことなんて、普通はありませんよね。でもあのときは、申し訳ない気持ちと、ここまではっきりと言ってもらえたありがたさが相まって、涙が出てきてしまったんです(笑)。

鈴木:当時は順調に売上を上げていた時期だから、業績にあぐらをかいていたのかもしれないですね。お客様のことをまったく考えていないわけではない。けれども、お客様の立場に立って考えるという「営業の本質」はおろそかになっているように見えましたね。

山口:慢心はあったかもしれないです。だから、鈴木さんに図星を突かれて思わず涙が出たんだと思います。鈴木さんのおっしゃることが正論すぎて、「申し訳ございません」としか言えなかった…。結局は「残念だけど」と言われて、最初の契約はキャンセルになったんですよね。

そんな出来事から2年が経って、たまたま食事会でご一緒させていただく機会があって、また再会しましたね。

鈴木:2年もブランクがあったんですね。

山口:また鈴木さんとつながることができて「あらためて、ご提案させてください」ということで、再度、不動産投資の提案をさせていただいたのですが、また泣かされてしまった(笑)。

鈴木:はっきりと覚えていないのですが、また私が泣かせたんですか(笑)?

山口:私の対応がまだまだ未熟で、また鈴木さんにお叱りを受けたんです。10年前の出来事ですが、そのときのメールも残してあります。

「2年前から、あまり成長を感じません。相手の人生に大きな影響を与える仕事をしているという自覚や責任感はあるのでしょうか?しっかりと引き継ぎを行っていない状態で、自分の部下に対応させようとしているのはおかしいと思います。“このビジネスは信頼が重要だ”と2年前に話したはずです。私を面倒な客だと思うなら、それはそれで結構です。こちらは、普通の客以上に信頼し合える関係になりたいという思いであなたと接してきたんです」

こんな内容のメールでした。

鈴木:ビジネスでは、お客様との信頼関係がもっとも大切ですからね。

山口:こうした出来事を通じて、僕は鈴木さんに成長させていただいたと強く感じています。ここまでストレートに厳しいことを言ってくれる方はなかなかいません。もはやメンターのような存在ですね。

今でも、鈴木さんと話すことで「最近、少し気がゆるんできたかな」と気づかされるときがある。背筋が伸びる思いです。

鈴木:山口さんの慢心が見えると、間髪入れず、ストレートに指摘しますからね(笑)。

山口:そのあと、少し成長したエピソードもあります。鈴木さんが投資物件として購入してくださったマンションの原状回復を進める際に、メイクスプラスの担当者が、鈴木さんに物件の汚れや損傷を確認してもらうために150枚くらいの画像を送ったことがありました。

すると鈴木さんから「こんなにたくさんの画像が送られてきても、私は何を見れば良いか分からない」というメッセージが担当者に送られていた。そのやりとりに気づいた僕は、急いで鈴木さんに電話して、鈴木さんに見てもらうべき画像を2枚抽出して送ったんですよね。

これはメイクスプラスの教育不足もあるのですが、お客様が困っているその瞬間に、どれだけお客様の心に寄り添えられるか、お客様の立場に立ってコミュニケーションをとれるかがまったく考えられていない事例だと思います。

鈴木:仕事をしていると、どうしても「自分の任務を遂行すること」だけに気が向いてしまいますからね。メイクスプラスの担当者の方も「漏れのないように確認してもらわなければいけないから、とにかくたくさんの画像を送ろう」という考えだったのでしょう。

でも、ここで本当に考えるべきは、画像を受け取った側は何を考えるかということです。「ここは汚れているから修繕が必要だね」といった判断をしなければならないのに、突然説明もなしに150枚の画像が送られてきても「汚れが分かる写真はどれ?」となってしまう。

もちろん、担当者の方は真剣に仕事をしているはずです。たくさん画像を送ったほうが相手も漏れなく確認できるだろうと思って、親切のつもりで150枚の画像を送ったのでしょう。しかし、画像を受け取る側は、大量に受け取ってもどの画像のどの部分を見れば良いのか分からない。そこまで考えが至るかどうかが大事だと思います。

私が勤めている会社の営業担当でも「自分がお客様に伝えたいことを、すべて伝えることができた」と誇らしそうに言う人がいます。でも、お客様が何を知りたいのかを考えて話をしなければ意味がないわけです。どうしても「お客様」ではなく「私」を中心に考えてしまう。

山口:自分が何を言いたいか、それだけしか考えていないわけですね。

鈴木:そうなんです。コミュニケーションをとるときに「私のこと」を考えるのはすごく簡単ですが、「相手のこと」を考えるのはちょっとした工夫が必要ですよね。でも、そのちょっとした工夫をするだけで、コミュニケーションはとても良いものに変化するんです。

2つの出来事を通じて学んだ、営業の基本となるもの

山口:ここからは、鈴木さんのキャリアについてお聞きしたいと思います。鈴木さんはまず、新卒で商社系SIerに入社されていますよね。

鈴木:そうですね、営業職で入社しました。その会社で経験を積んで外資系IT企業に転職する人も多く、その意味でも有名な会社でした。

山口:優秀な人をたくさん輩出している企業ですよね。鈴木さんは、その会社を退職してから一度カナダに渡って、帰国後は外資系のITハードウェアメーカーに転職されました。

鈴木:そうですね。そして「ハードウェアを経験したから、次はソフトウェアかな」ということで外資系のソフトウェア会社に勤務。次に、当時はWebマーケティングやWeb解析のリーディングカンパニーとも言われていたグローバル企業に転職しましたが、買収されてしまって、その後はヨーロッパ最大級のソフトウェア企業に勤めました。現在は、BIツールを提供している外資系企業で働いています。

山口:外資系の大手企業を中心に、ずっと営業畑を歩んで来られたわけですが、どうして営業職を続けているんですか?

鈴木:単純に「面白いから」ですね。例えば、人事やバックオフィス系の人は、基本的には社内の人と接するのが中心なので、会う人が限られるわけです。でも、営業は毎日違う人に会って、いろんな人と話せる。そして、いろんな人のいろんな経験をちょっとずつ垣間見ることができる。それが面白いんです。

山口:なるほど。そんな鈴木さんの営業人生の中で、印象に残っている出来事はありますか?

鈴木:2つあります。まず1つ目は、新卒で入社した商社系SIerでの出来事です。私が担当する企業の中で大手医療機器製造企業があって、その企業が製造している医療機器に使用するメモリを海外から仕入れて販売していたんです。

あるとき、メモリの仕入先であるアメリカの企業と連絡が取れなくなってしまった。でも、あまり気にせず特に何の対応もしなかったので、結果的に仕入れが遅れて、お客様への納品も遅れたんですよね。

納期は遅れたものの納品できているわけなので、私はそこまで深刻に考えていなかったのですが、お客様はかなりお怒りでした。そしてなんと、栃木県の那須にある工場まで呼び出されてしまった。そのときは私1人で伺ったのですが、通された部屋には工場長をはじめそうそうたるメンバーが集まっていたんです。

ひとまず私が謝ると、工場長から「あなた自身は、単にメモリを納品しているだけかもしれない。けれども、その先には病気を患っている患者様がいるということを忘れてはいけない。言っている意味が分かるか?」と厳しくご指摘頂きました。

自分の仕事のことだけを考えたら、ただ納品が遅れただけ。でも、その先には医療機器メーカー様がいて、さらにその先には病院があって、病気の患者様がいる。医療機器メーカーは、納期を守らなければ人の生死に関わるという緊張感の中で仕事をしているんですよね。

自分は毎日、発注しては納品しての繰り返しなので、深く考えずに漫然と仕事をしていたんだなと痛感しました。自分は命に関わる仕事をしているんだと、ようやくここで気づいたわけです。

この出来事を通じて「お客様の立場になって考えること」の大切さを実感しました。

山口:「お客様の立場になって考えること」。これはまさに、私が鈴木さんに指摘されたことと同じですね。

鈴木:印象に残っているもう1つの出来事は、商社系SIerの次に勤務した外資系のITハードウェアメーカーでの出来事です。あるファイナンス関連企業に営業をかけていたのですが、私が提案していたのは、その企業が使用しているサブシステムに使用するストレージで、価格は1,000万円程度のもの。それと同じ時期に、ライバル会社はメインシステムに使用するハードウェアを提案していて、それは8,000万円という大規模なものでした。

この営業活動で大変だったのが、その企業のIT部門のドイツ人部長。いつも顔を真っ赤にして怒っているんです(笑)。営業に行くたびに毎回怒られて、自分でもなぜ怒られているのか分からない。でも、めげずに何度も訪問していたんです。すると、徐々に私のことを認めてくれるようになって、最終的には「メインシステムに使用するハードウェアも、お前から買う」と言ってくれたんです。

しかし、そのハードウェアはライバル会社の製品であって自社製品ではないんです。それをドイツ人の部長に言っても「そんなことは関係ない。お前を信頼しているから、お前から買うんだ」の一点張り。そこで、自社の会長にまで相談して、代理店経由でライバル会社の製品を入手して、なんとかお客様に販売することができました。

山口:ライバル会社の製品を売るなんて、通常であれば考えられないことですよね。

鈴木:ライバル会社の営業担当も、毎回怒られるから、嫌気が差してあまり訪問しなくなったみたいなんですよね。でも、どうせ受注できるだろうと高をくくっていたら、ライバルである私の会社が受注してしまったというわけです。

この出来事を通じて学んだのは、どんなことがあっても、最後までお客様と向き合わなければ信頼は得られないということ。逆に言えば、お客様から逃げずに、丁寧に接し続けていれば信頼を勝ち取れるということです。

山口:ドイツ人の部長は、一体何に対して怒っていたんでしょうね(笑)。

鈴木:もしかしたら、それは演技だったのかもしれないですね。多少の圧力をかけても逃げ出さない人間であれば、今後トラブルが起きたときもしっかり対応してくれるだろうといった点を見極めていたのかもしれないです。

山口:お客様の信頼を獲得すると「君の会社に全部任せるよ」と言ってもらえる。営業の可能性は無限大ですね。

鈴木:ビジネスで重要なのは、やはり「信頼」なんです。私が山口さんに厳しいことを言った、その原点は、この2つの経験に基づいているわけです。

山口:そうですね。1つ目の出来事で言えば、僕たちが不動産投資を提案しているお客様のその先にはご家族がいて、そのご家族の生活や未来につながっている。そこまで想像して、きちんと提案していかなければいけない。

2つ目の出来事を僕たちに置き換えると、極端な話かもしれないですが、お客様から信頼を獲得すれば、「物件なんてなんでもいいから、君からの提案だったら買うよ」と言ってもらえるかもしれないということですよね。

鈴木:営業はどうしても、目の前の物を売ることばかり考えてしまいがちですが、それでは駄目なんですよね。

回り道をするからこそ、得られる経験がある

山口:これまで鈴木さんとお付き合いをさせていただき、いつも感じることがあります。それは、鈴木さんはいつも自信に満ちあふれているということ。その自信は、幼少期に育まれたものなのでしょうか?

鈴木:原点は子どものころですね。走るのがすごく速くて、野球も上手で、また勉強も得意だったから、それで自信がついたのかなと思います。幼少期にあまり褒められずに育った人は、いつまでたっても自信がない人が多い。私は、かけっこ競争やリレーで1位になったらいつも「速かったね」と周りが褒めてくれた。それが積み重なって、大きな自信につながっていったのだと思います。やっぱり、小さいころの成功体験は大切ですよね。

山口:ご両親の教育方針はどういったものだったんですか?

鈴木:「勉強しなさい」とも言わず、自由にさせてくれましたね。兄が頭が良かったので、見よう見まねで勉強するくらいでしたが、それでも小学校のときの通信簿はオール5に近い成績でした。

ただ、ショックを受けたのが中学校に入って最初の中間テスト。生まれて初めて順位が発表されるテストだったのですが、小学校での成績は抜群だったので、自分は当然1位だと思っていました。ところが、300人中60位だったんです。そのときに「みんな、結構勉強しているんだな」と思って、それから一生懸命勉強するようになりました。

山口:最終的に、順位は何位まで上がったんですか?

鈴木:最高は3位くらいだったと思います。

山口:これが鈴木さんの人生初の挫折でしょうか?

鈴木:いえ、人生初の挫折は中学校のときの野球部での経験ですね。なかなか背が伸びず、周りがどんどん大きくなっていって、力で勝てなくなった。小学校のときは大人でも打てないような速い球を投げていたから、とにかくショックでしたね。それが最初の挫折です。

山口:つまり、小学生時代とは打って変わって「圧倒的な存在ではなくなった」ということなんですね。そうした挫折をきっかけに自信をなくしてしまう人も多いですが、鈴木さんはどうでしたか?

鈴木:基本的にストレスを感じないタイプなので、多少の挫折感はありましたが、自信を喪失するまでは至らなかったですね。何かの壁にぶつかったときは、「解決する」もしくは「解決できなければ諦める」しかない。そのサイクルが速いから、あまりストレスを溜め込まないのだと思います。

先ほどの話で言えば、なかなか背が伸びなくて、他の人よりも力が劣っていて活躍できないというとき、背が伸びなければ力がつかない。けれども落ち込んでいても背は伸びない。それなら「今は部活で活躍するのは諦めて、勉強に集中しよう」といった考え方にスライドさせればいいわけです。

山口:なるほど。では、高校ではどんな生徒だったんですか?

鈴木:3年間、めいっぱい遊びました(笑)。自由な学校だったので、いろんな経験ができました。たくさんの友達と遊んで、いろんな人の考え方を吸収しましたね。

そのかわり、高校を卒業して浪人時代はかなり勉強しました。毎日、勉強しかしていませんでしたね。「これだけ勉強したんだから、上智、慶應、早稲田しか受けない」と決めて大学受験に挑みましたが、見事に落ちてしまいました(笑)。

それで2浪になるわけですが、模試での偏差値もかなり高かったので、受験勉強はやめて、言語学など自分が学びたいことを勉強していました。

山口:2浪ともなると精神的に追い込まれる人も多いと思いますが、鈴木さんは前向きですね。

鈴木:受験に失敗しても、挫折感はなかったですね。高校3年間、あれだけ遊んだから自業自得というのもありますが、ずっと勉強だけしていたら得られないような経験もできたので、それはそれで良かったと思っています。

山口:子どものころからとんとん拍子に進んだとしても、とんとん拍子に進んだこと自体がプラスになるとは限らないですもんね。

鈴木:そうですね。回り道をして得た経験が、その後の人生のプラスになることもありますからね。

山口:だから、小学校、中学校、高校、大学のそれぞれの時期での出会いを楽しんだほうが、豊かな人生になるのかもしれないと、鈴木さんのお話を聞いて思いました。

鈴木:一般的な流れを否定するつもりはまったくありません。ただ「それしか知らない」という状態は良くないと思っています。「これが一番良い」と信じ込んで、良い大学に入って、良い会社に入る。僕らの時代はそういう人も多かったけれど、人生の選択肢はそれだけではないはずです。

いろいろと経験した上である選択をするのは良いと思いますが、1つのことしか知らず、選択肢がそれしかない状態で物事を選ぶのはもったいない。長い人生を考えたら、数年くらいは海外に行ったりしても良いのかなとも思いますね。

多様性を認めて、みんながチャレンジできるように

山口:鈴木さんは、今後のキャリアについてどんなイメージを持っていますか?もし65歳で定年ということであれば、この先の10年~15年をどんなふうに想定されているのでしょうか?

鈴木:若いころは、カントリーマネージャーになりたいとか、肩書が欲しいという思いがありました。今はそれよりも、これまで積み上げてきた経験をもとに、営業のやり方や考え方を若い世代に伝えたいと思っています。自分が通ってきた道を教えてあげられれば、若い人たちが多くの時間を自分のやりたいことのために使えますからね。

外資系企業に勤務したことで日本企業の足りない部分に気づくこともできたので、そうしたことを伝えていきたいとも思っています。自分の興味が「肩書が欲しい」から「日本企業を変革したい」という方向にシフトしているので、日本企業の変革のために何かの肩書が必要になるのであれば、その肩書を手に入れるためにがんばろうかなと思っています。

山口:肩書は自分自身の満足のために狙う人が多いですが、後進を育成するために肩書を取りにいくという感覚は面白いですね。そうした心境の変化の原因は何だと思いますか?

鈴木:若手の営業担当を見ていると、がんばってもがんばっても、なかなか売れない人がいますよ。それは営業としてのポテンシャルがないわけではなく、考え方が少し間違っていたり、売り方が少し間違っているだけなので、もう少し柔軟になれば売れるはずです。それがもったいないから、自分の考え方を伝えていきたいと思っています。

山口:かつての日本企業は、世界のランキングにも入るくらいすごい企業がたくさんありましたよね。日本自体も、世界で有数の経済大国だったわけですし。

鈴木: 今はそんな会社はないですし、日本も元気がないですよね。

山口:国内の大手企業は、資金も人材も豊富で、優秀なメンバーがそろっている。だから、リーダーが変われば、そんな状況も変えられると思うんです。

鈴木:企業はお金と人を持っているんだから、何でもできると思うんです。経営層の頭が柔らかければ、新しいビジネスを次々に展開していけるはずなんですよね。

もともとはカメラのフィルムメーカーだったのに、今は化粧品も展開して売上が以前よりも伸びている会社だってあります。そういう「しなやかさ」みたいなものが、今後の企業経営において重要になると思っています。

山口:そうですね。今の企業には「変革を起こす人」が必要なのかもしれません。

鈴木:日本企業の評価制度は、失敗したら評価が下がる「減点方式」ですよね。でも、海外の企業は失敗しても問題なし、成功したらそれがプラスになる「加点方式」です。「減点方式」だと、みんなチャレンジできないんですよ。今まで通りのことをやって失敗しないようにするだけなので、全然成長しない。

山口:その部分が変わらないと、日本から世界的な企業は生まれないですね。

鈴木:教育も同じで、失敗したら怒られる。たくさん失敗して、ようやく成功したとしても、褒められるよりも「これからは失敗しないようにしなさい」と言われてしまう。これではチャレンジ精神は養われないですよね。もっとみんなが自由に動けるように、多様性を認めてあげないといけないと思います。

山口:多様性は考えれば考えるほど、難しいですよね。

鈴木:難しいと思います。例えば、営業を育成するときに「君の考え方は違うよね」と言いたくなるけれど、否定せず、その考え方を認めるのが多様性だったりするわけです。でも、本当に考え方が間違っているときは「それは違うよね」と言わなければならない。そのサジ加減というか、見極めが難しいんです。

山口:否定したり、「No」というコミュニケーションが続いたりすると、どうしても萎縮してしまいますからね。

鈴木:相手を否定していくと、結局はその人の個性が失われて「自分と同じ人間」になってしまう。でも会社としては本来、自分と違う人間になってもらったほうが良いわけです。そうしなければユニークなアイデアは出てきませんからね。その意味でも、これからのビジネスにおいては、多様性がますます重要なキーワードになると思います。

コミュニティのシナジーが不動産投資を超えた価値になる

山口:ここまでのお話を通じて、鈴木さんの歩んでこられたキャリアや、営業として大切にしている考え方などがよく分かりました。

あらためて鈴木さんとの出会いを振り返ると、最初のお話にもあった通り、私たちは紹介で知り合っただけなので、当時の関係値はそこまで濃厚ではなかったと思います。だから、あの最初の契約の際、鈴木さんは怒ったりせず「大人の対応」だけで終わることもできたと思うんです。「契約はキャンセルします」だけで済ませられたと思うんですよね。

でも鈴木さんは、僕の仕事に対する姿勢について、ストレートに、真剣にフィードバックしてくれた。それはなぜなんですか?

鈴木:不動産投資というビジネスを展開している企業の中でも「これは節税対策です」というかたちで、表面的なメリットだけを謳っている企業も多いですよね。でも、メイクスははっきりと「資産形成」という言葉を使っている。そこがとても良いと思うんですよ。

自分の社会的信頼のもとお金を借りて物件を購入して、その物件を誰かにお貸しして家賃を払ってもらうことで自分の資産が形成される。プラスアルファとして節税の効果もある。人の役に立つことを通じて資産形成できるというのは、純粋にすごく良い仕組みだと思っていて、自分の知り合いにどんどん紹介したいと思っているんです。

こんなに素晴らしい仕組みだからこそ、山口さんには「この仕組みをしっかりと紹介できる男になってほしい」という思いがあって、つい厳しい言葉でフィードバックをしてしまったんです。

山口:手前味噌になりますが、鈴木さんがおっしゃる通り、メイクスの仕組みはとても素晴らしいものだと思っているんです。そして、オーナー様にも「メイクスと出会えて良かった」と思ってもらうために、オーナー様同士で情報交換ができるコミュニティ「オーナーズクラブ」を作りたいと思って取り組んでいます。

現状、オーナー様と不動産会社との間にはかなりの情報格差があると思うんです。だから、「オーナーズクラブ」を作ってその格差をなくしたいと思っています。

例えば、最初のほうに話題にも出た原状回復の見積もりだったり、世の中の家賃事情だったり、最新の情報はなかなか一般の人は知る方法がないんですよね。鈴木さんは、ご自身が投資している物件があるエリアで、一番高い賃料がいくらくらいかご存知ですか?

鈴木:分からないですね。

山口:そうですよね。でも、僕たち不動産会社の人間は全部知っているわけです。そういう情報格差があるから、不動産投資の世界では、お客様が不利な価格で取引させられるといったことが起きるんです。

この情報格差のほかに、もう1つ課題があるんです。それは「孤立するオーナー様が多い」ということです。

鈴木:オーナーが孤立するというのは、どういうことですか?

山口:例えば、鈴木さんの担当者が僕だとすると、鈴木さんがメイクスで知っているのは僕しかいないわけです。そして、もし僕がメイクスを辞めたら、鈴木さんとメイクスのつながりはほぼなくなってしまう。そうした状況だと、後任が連絡しても、アポすら取れなかったりすることが多いんです。

鈴木:物件を持っているのに?

山口:そうなんです。それまで関わりがないから関係構築がうまく進まなかったりするんです。なぜ後任の関係構築がうまくいかないのか。それは、最初の営業担当とお客様との関係が濃くなっていくことで、対応が属人化してしまうからです。

担当者が変わるとそれまでとは対応が変わってしまい、お客様が違和感を抱き、営業担当との関係が希薄になってしまう。そしてそのままメイクスとの関係も薄くなってしまい、結果としてオーナー様が孤立した状態になるわけです。

鈴木:なるほど。それであれば「お客様と営業担当の1対1の信頼関係」ではなくて、「お客様とメイクス全体の信頼関係」を作らなければいけませんね。その意味で「オーナーズクラブ」は重要な存在になりそうです。

山口:僕たちも、お客様とメイクスとのつながりには課題があると感じています。だからこそ、オーナー様同士のコミュニティ「オーナーズクラブ」を作りたい。そこでメイクスからも、不動産に関する情報や利益を上げるための情報などを積極的に情報発信していきたいと、強く思っています。

鈴木:メイクスのオーナーにはIT企業勤務の方も多いので、そうした方たちが情報交換をすれば、すごいシナジーが生まれるかもしれませんね。

山口:おっしゃる通りですね。ただ不動産を売るだけではなく「オーナーズクラブ」を通じて情報提供を行ったり、そこでオーナー様同士がつながることができれば、不動産を超えた、もっと価値のあるものを提供できる会社になれるのではないかと思っています。

「オーナーズクラブ」の運用に向けて、引き続き取り組んでいきたいと思いますので、ぜひ鈴木さんにもご協力をお願いしたいと思います。本日はありがとうございました。

※この記事は2024年3月に実施したインタビュー内容に基づいて作成しています。

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著者/監修者紹介

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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