不動産投資の種類と特徴を解説!購入から確定申告まで、やり方も紹介

最終更新日:2023.01.19 (公開:2022.10.19)

不動産投資の仕組みについての基礎知識を解説。不動産投資の種類と特徴をはじめ、代表的な不動産投資、管理・運用方法、確定申告など主なポイントをご紹介します。

実は「不動産投資で利益を出す仕組みや種類が、イマイチよく分からない…」と思っている方も多いのではないでしょうか?

富裕層が行うイメージの強い不動産投資ですが、将来に向けた資産づくりの手段として会社員にも人気です。

そこで今回は、不動産投資の仕組みから、代表的な不動産投資の種類、管理・運用方法、確定申告のやり方までを詳しく解説していきます。

この記事では、主に、不動産投資会社を通さずに物件を購入し、管理・運営する方法のご紹介となります。

不動産投資で利益が出る仕組みは主に2つ

投資をする上で利益の仕組みを理解することはとても大切です。不動産投資において利益が出る仕組みは、主に2つあります。以下で順番に説明します。

安定的に利益を得るインカムゲイン(家賃収入)

インカムゲイン(家賃収入)とは、所有している不動産を第三者(入居者)に貸し出すことで得られる利益のことをいいます。入居者がいれば毎月一定の収入になるので、安定的にコツコツと利益を得るモデルです。

家賃は景気変動に左右されないため、安定しているのが特徴です。先述したように入居者が確保できれば安定収入につながるので、ローリスク・ローリターンの仕組みだといえます。

家賃収入はよく不労所得とも呼ばれ、不動産投資における最大のメリットです。

物件の売却により利益を得るキャピタルゲイン(物件の売却益)

キャピタルゲイン(売却益)は、不動産を購入した価格よりも高い価格で売却する、あるいはローン残債よりも高く売却することで得られる利益のことをいいます。

現物資産である不動産は、インフレ(物価上昇)に強いメリットがあり、場合によっては大きなキャピタルゲインが期待できます。逆に、デフレ(物価下落)になると価値が目減りするため、景気に左右される点は要注意です。

このように売却益を狙った投資は、資産価値の変動次第で大きな利益にも損失にもなる、ハイリスク・ハイリターンの投資方法といえます。

不動産投資の代表的な種類(投資先)と特徴

一口に不動産投資と言っても投資先となる物件の種類はさまざまです。ここからは、不動産投資の代表的な物件(投資先)とその特徴について見ていきましょう。

区分マンション投資の特徴

区分マンション投資とは、マンションを1室購入して運用するやり方です。1室単位で購入することが最大の特徴で、入居者がいれば安定した収入を期待できます。

1棟ものに比較すると物件価格が安く、ローンも通りやすいので初心者でも始めやすいのが最大のメリットです。

ただ、始めやすい一方で、入居者が退去すると収入がゼロになる空室リスク、家賃が滞納になるリスクなど注意点もあります。そうしたリスクを避けたいという方は、管理会社と相談して管理・運営することをおすすめします。

※保証期間中であっても、サブリース事業者には借地借家法上賃料の減額請求権が認められていることや、サブリース事業者から解約・解除できるとの契約内容となっている場合もある点には留意が必要です。

1棟アパート・マンション投資の特徴

1棟アパート・マンション投資は、その名の通りアパートやマンションを1棟まるごと購入して運用するやり方です。

部屋が複数あることで家賃収入も多くなるため、高収益性が一番の特徴でありメリットです。区分マンションのように1室退去すると家賃収入がゼロになる心配もありません。

ただし、物件の規模が大きいため、価格が高額になりローンを受けるのが難しい面はデメリットです。特に1棟マンションであれば、数億円レベルになることも珍しくありません。自己資金も、一般的に物件価格の1割ほどが最低でも必要となり、資金準備の面でもハードルが高いといえるでしょう。

1棟物件は購入のハードルこそ高いものの、一度に複数の部屋を所有できるので、効率的に不動産投資の規模を拡大する時におすすめです。

戸建て投資の特徴

戸建て投資とは、戸建住宅を購入して運用するやり方です。マイホームとして人気の戸建て物件ですが、投資用としても人気があります。

特に中古戸建は、物件によって比較的リーズナブルに購入でき、区分マンションと異なり修繕積立金がランニングコストとしてかからないので、高利回りが期待できます。入居者の多くがファミリー層である点も特徴であり、長く住んでもらえる可能性のある点がメリットです。

デメリットとしては、物件の維持・修繕が大変である点があります。特に築古戸建の場合、購入してすぐに多額の修繕コストがかかるケースもあるため、リフォームに詳しくない限りは注意が必要でしょう。

物件購入までの基本的な流れ

初めてご自身で不動産投資を検討する場合、物件の購入までどのように進めていけば良いのか分からない方も多いでしょう。

ここでは、不動産投資会社を通さずご自身で不動産投資を行う方法について、物件購入までの基本的な流れをご紹介します。

1.不動産投資について情報収集をする

不動産投資を始めようと思ったらまずは情報収集です。今の時代は、どのような情報でもインターネットで簡単に入手できます。物件、不動産会社、ローン、税金など気になることは徹底的に検索して調べてみてください

注意点としては、ネット上は情報量こそ多いものの誤った情報もたくさんある点です。まずは、ネット上の情報収集で良いのですが、全てを信じてはいけません。

ある程度の情報を頭に入れた後は、書籍や不動産会社への資料請求、セミナーなど、よりリアルな情報収集にシフトしていくといいでしょう。

2.投資の目的や投資スタイルを決める

次に投資の目的やそれに合わせた投資スタイルを決めます

不動産投資は、ただ漠然と始めても満足のいく結果にならず、「自分の投資って成功?失敗?」となりがちです。「5年後に毎月の手残りが30万円ほしい」「毎月手取り50万円が達成できたら会社を辞める」「定年退職するまでに資産を2,000万円作りたい」「老後の生活を迎えたときに毎月10万円の家賃収入を実現する」など、目的をはっきりさせましょう

注意点としては、最初から自分のスタイルを完全に決めてしまわないことです。リスクとリターンを考えながら目的が達成できて、かつ自分に合う投資スタイル、自分が対処可能な投資スタイルを考えて確立させていきましょう。

3.物件を調査して選定する

投資の目的とスタイルを決めた後は、実際に物件を調査します。投資用物件については、不動産投資専用のポータルサイトを見るか、直接、不動産会社から紹介を受けます。

ポータルサイトにはたくさんの物件情報があるので、時間に余裕があって自分で調査するのが苦でない方におすすめです。駅からの距離や周辺の環境、物件価格、利回りなど選定に必要な情報がたくさんあります。

投資初心者の方は、始めから管理会社などへ相談してみるのもおすすめです(※)。物件調査の手間が省けるだけでなく、おすすめの物件情報など自分に合った物件情報を得られる可能性もあります

※管理会社によっては、物件種類により管理の得手不得手があります(区分マンション経営に強い会社、アパート経営に強い会社など)。物件調査の段階で、管理委託する賃貸管理会社も調査しておくのが望ましいです。

4.物件を購入する

物件が決まったら、次は購入の手続きです。

現金で購入する場合を除いて、まず物件資料や事業計画書を金融機関に提出し、ローンの審査を申し込みます。投資用ローンは、住宅ローンより審査が厳しく、買主の属性だけでなく物件についても厳しく評価されます。実際、ローンが組めないから不動産投資をスタートできないケースも全く珍しくありません。

金融機関の開拓における物件資料や事業計画書の準備・提出は、不動産会社から購入する場合、不動産会社が代行してくれるのが一般的です。情報収集や手続きの手間を省くことができるだけでなく、経験豊富なプロに任せることで適切なサポートが受けられます。

不動産会社から金融機関を紹介されなかった場合、ご自身で金融機関を開拓していく必要があります。地銀、信金、ノンバンクなど不動産ローンを扱う金融機関に対して問い合わせをして、必要書類をご自身で作成・収集して提出します。審査落ちすることもよくあり、審査を通すことは結構骨が折れる作業です。

無事審査が通り、ローンが受けられた後は、買付申込書を売主に提出し、条件に問題なければ正式に契約となります。

契約後に物件の引き渡しが終わると、晴れて不動産オーナーとしてデビューです。

不動産投資の管理・運用のやり方

不動産投資は、物件を購入してからの管理・運用も大切です。良い物件を購入してもその後の運用ができていないと賃貸経営に失敗します。

ここからは、不動産投資で必要となる管理・運用のやり方について、主な形態別に説明していきます。

自主管理の場合

自主管理は、入居付けからクレーム対応、家賃の入金確認、物件の清掃など管理業務の全てを自分で行うやり方です。

最大のメリットは、管理手数料がかからない点であり、全ての業務を自分で行うため経営のノウハウが身につくことです。

デメリットとしては、全ての業務を自分で行うため時間と手間がかかる点であり、初心者が副業として行う場合はかなり難しいでしょう。急な設備の故障や入居者同士のトラブル、入退去時の対応など、突発的な対応が必要となるため、想像以上の労力がかかります。物件戸数が多くなればなるほど対処は困難になります。

自主管理をしている不動産オーナーによっては、緊急出動のことを考えて自動車で1時間以内に到着できる物件しか保有しないなど、ルールを決めている方もいるほどです。

サブリース契約の場合

サブリースは、専門会社が物件を一括で借り上げることでオーナーに一定家賃を保証してもらう契約であり、一括借り上げとも呼ばれます。

最大のメリットは、空室が発生しても保証賃料を得ることができる点です。保証賃料が更新されるまでは収入が一定であるため、確定申告が楽な点も魅力でしょう。

逆にデメリットとしては、満室状態でも保証賃料しかもらえないことと、その額も査定によって変動することです。更新するタイミングで保証賃料が大きく下がるケースもあるため注意が必要です。

※保証期間中であっても、サブリース事業者には借地借家法上賃料の減額請求権が認められていることや、サブリース事業者から解約・解除できるとの契約内容となっている場合もある点には留意が必要です。

管理会社への委託の場合

管理会社とは、賃貸物件を専門的に管理・運用する会社であり、建物管理のプロです。

賃貸経営の経験がない投資家でも管理会社に委託することで、必要な業務を原則全て任せることができます。入居者からのクレーム対応や設備の故障は、緊急で対応する必要があるため、初心者には対応が難しいですが、管理を委託すれば問題ありません。

デメリットとしては、管理を委託することで毎月賃料の5%前後(※)の手数料がかかる点です。

また、管理会社の質が悪いと運用がうまくいかない場合もあるので、口コミや評判の良い会社を選びましょう

※地域・賃貸管理会社により管理委託手数料の相場は変わります。また、賃貸管理会社により、客付けが得意だが物件運営は不得意など得手不得手があるので、事前に調査をおすすめします。

不動産投資に関わる確定申告のやり方

不動産投資をしていると毎年確定申告をする必要があります。中には、確定申告が初めてでやり方が分からない方もいるでしょう。

続いては、不動産投資に関わる確定申告のやり方について説明していきます。ここでは主に会社員の方が副業として不動産投資を行う場合の例でご紹介しますが、それぞれのケースに応じてやり方は変わってきますので、詳しくは税務署や税理士など専門家に確認しましょう。

1.確定申告の際に必要な書類

確定申告の際に必要な書類には、会社員であれば以下のようなものがあります。

・源泉徴収票
・賃貸借契約書
・家賃の振込明細
・売買契約書
・譲渡対価証明書
・領収証関係

土地と建物の価格が売買契約書に記載されていない際は、譲渡対価証明書が必要です。

建物価格は、減価償却費の計算で必要なので、契約時に確認しましょう。

売買契約書に土地・建物の価格が記載されないケースもあります。記載があれば売買契約書をそのまま確定申告に使用できない場合は譲渡対価証明書の作成を不動産会社に依頼します。

2.確定申告までに準備しておく経費と収支内訳書

収支内訳書は、収入と支出の内訳を明確にすることで最終的な利益を算出・記入するための書類です。

経費については対象となるものがたくさんありますが、例を挙げると以下のようなものがあります。

・管理費
・修繕費
・ローンの金利
・減価償却費
・保険料
・税理士への報酬

確定申告までに準備してまとめておかないと申告時期にとても苦労します。場合によっては申告漏れにもつながるので、収入と支出の各証明書は、日ごろから整理し大切に保管しておきましょう。

収支内訳書を作成することで経営状況を把握することにも役立ちます。

3.確定申告書Bの記入

確定申告書Bには、第一表と第二表で記入する内容が変わります。

第一表には収入、所得控除、最終的な所得、納税額などを記入します。

収入欄には会社員の給与や家賃収入、所得控除欄には配偶者控除や保険控除などを記入して課税所得を算出するやり方です。課税所得に沿った納税額がすでに源泉徴収されている額よりも小さければ還付されて戻ってきます。

第二表には、会社で源泉徴収されている内容を記載します。

医療費控除や住宅ローン控除など、源泉徴収により控除されているものも併せて記入します。

4.確定申告の提出方法

確定申告の提出方法は、以下の3つです。

・記入済み申告書類と必要書類を税務署に持っていく
・記入済み申告書類と必要書類を税務署に郵送する
・e-Taxで申告する

どれが良いというわけではありませんが、確定申告の時期は税務署がかなり混雑するため、郵送かe-Taxがおすすめです

e-Taxを利用する場合は、マイナンバーカード方式での申告が便利です。パソコンまたはスマートフォンがあれば税務署に出向くことなく確定申告が完結します。事前にマイナンバーカードの交付申請などが必要になりますが、手順は国税庁の公式Webサイトで確認できますので確認してみるといいでしょう。

■国税庁の公式Webサイトは下記からアクセスしていただけます。

令和3年分 確定申告特集

※令和3年分の確定申告を扱ったページのためご注意ください。

5.不明点は税理士や税務署の窓口に相談

確定申告で不明点がある際には、税理士や税務署の窓口に相談しましょう特に、初めて確定申告をする方は、自分で考えるより専門家に聞くほうが早くて正確です。最初の確定申告だけは完全に税理士にお願いするのも良いでしょう。

手続きが長引くほど申告が面倒になるので、最初は勉強だと思って不明点はどんどん相談するのがおすすめです。

不動産投資のやり方についてよくある質問

最後に、不動産投資のやり方について、よくある質問と回答を紹介していきます。同じ疑問を持つ方は、ぜひ参考にしてください。

Q:いくらから不動産投資を始められるの?

不動産投資は、大金持ちだけが行う投資のイメージが強いですが、そんなことはありません。

物件の種類にもよりますが、最低100万円~200万円程度からでも始められます。

特に初心者の方であれば、手元資金が潤沢な方でも初期費用を抑えて手元資金を残したまま投資できる物件がおすすめです。

Q:不動産投資初心者におすすめの物件は?

投資初心者におすすめの物件は、リスクが低く少額資金から始められる物件です。物件の種類は新築ワンルームマンションが特におすすめです。

逆に、最初からハイレバレッジを効かせた1棟物件や難易度が高い築古物件などは、否定こそしませんがおすすめはできません。初心者のうちは、低リスクで失敗しにくい新築ワンルームのような物件が最適です。

Q:遠方の物件を購入してもOK?

不動産投資は、遠方物件でも全く問題ありません。むしろ遠方でも賃貸需要が高いエリアが、投資として適しています。運用面は、信頼できる管理会社に委託すれば良い賃貸経営ができます。

Q:不動産投資を始めるのに適した年齢は?

不動産投資を始める際に年齢は関係ありません。ローンの審査さえ通過すれば、物件自体は購入できます。実際、20代から不動産投資を始める方も多いです。将来的に取り組みたい気持ちがあるのであれば、すぐに検討することをおすすめします

Q:新築物件と中古物件のどちらが良いの?

どちらもメリット・デメリットがあるので一概には言えませんが、投資未経験から始めるのであれば、新築物件がおすすめです。中古物件は、修繕やリフォーム、税金関係などの知識がないとメリットを最大限生かすことができません。

ベテラン投資家であれば知識や経験を生かした中古物件も選択肢の一つですが、初心者であればリスクが低い新築物件で手堅く運用しましょう。

不動産投資のやり方のポイントを知って自分に合った投資方法を!

今回は、不動産投資の仕組みから、代表的な不動産投資の種類、管理・運用方法、確定申告のやり方などについて解説しました。これから不動産投資家を目指す方は、投資のやり方のポイントを理解して自分に合った投資方法を考えてみましょう。

1人で検討するのが不安な方は、信頼できる不動産会社に相談することをおすすめします。不動産投資なら、実績豊富なメイクスまでお気軽にご相談ください。専門知識を持ったコンサルタントが、あなたに最適な資産運用をサポートします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な、不動産投資・ローン・税制等の制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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