区分マンションと分譲マンションとの違いとは?不動産投資の基礎知識

最終更新日:2023.10.05 (公開:2023.08.31)

不動産投資を始めるときや物件探しをする際、よく耳にする不動産用語には…
「分譲マンション」
「区分マンション」
という言葉があります。しかし、「2つの言葉の違いがよく分からない」という方も少なからずいることでしょう。

そこで今回は…
分譲マンションと区分マンションの言葉の意味や、不動産投資に関する基礎知識について詳しく解説します。

また、区分マンション投資のメリットとデメリット、不動産投資のやり方などについてもご紹介します。

区分マンションとは?分譲マンションの違いを解説

はじめに、区分マンションと分譲マンションの違い、それぞれどのような違いがあるのか、詳しく解説します。

区分マンションとは?

区分マンションとは、投資家目線から見た分譲マンションを指す言葉で、不動産投資における業界用語として使われるケースが多い言葉です。

「マンション1棟を買い上げる1棟投資」と「1戸単位で買い上げる投資方法」を区別するためによく用いられます。法律上では「区分所有建物」に該当するマンションを指します。

分譲マンションとの違い

分譲マンションとは、1棟のマンション内の1戸ずつを分割して販売するマンションのことです。「分譲」は「分割譲渡」の略称で、分譲マンションという用語は一般的に居住用で使われます

つまり、「区分マンション」と「分譲マンション」はどちらもマンション内の1戸を指す言葉としては同じですが、一般的に目線の違いによって以下のように整理できるでしょう。

・分譲マンション…自分の住まい/居住用としてのマンション
・区分マンション…投資家目線/投資目的としてのマンション

ただし、言葉の使われ方にはこのような違いがありますが、法律などで決められたものではありません。

そのため…
「投資用分譲マンションを購入する」
「分譲マンションを区分所有して賃貸経営する」

といった使われ方をする場合もあります。

区分マンション(分譲マンション)へ投資するメリット

ここからは、区分マンション(分譲マンション)へ投資するメリットについて解説します。不動産投資で得られるメリットとして以下の点が挙げられます。

・投資リスクが1棟マンションに比べて少ない
・空室の出にくい条件の物件を運用可能
・投資リスクの分散が可能
・マンションの流動性が高いので売却しやすい

投資リスクが1棟マンションに比べて少ない

区分マンションは、1棟マンション投資に比べると比較的少額の投資金額から始められるため、投資リスクが少ない点がメリットです。

必要な投資額が少ないことで、自己資金割合を増やして借入金割合を減らすことができる点もメリットでしょう。初期の借入額を下げることで、金融機関などの融資も通りやすくなるのは個人投資家にとってありがたいポイントです。

空室の出にくい条件の物件を運用可能

投資用の区分マンションは、立地の良いワンルームの物件が多いため、比較的長期の空室が出づらい点が特徴です。
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運用している賃貸物件が空室になってしまうと賃料収入はゼロになってしまうため、空室期間をできるだけ短く抑えることが長期的な収益安定に欠かせません。物件選びに失敗すると赤字になる可能性も十分考えられます。

★ポイント★
初めて不動産投資をする人でも物件選びに失敗しにくい点は、区分マンション投資の大きなメリットといえるでしょう。

投資リスクの分散が可能

区分マンションへの投資は、投資先を工夫することでリスクの分散が可能です。

どの投資方法にも共通していますが、1点に集中した投資を行うとリスクが高くなってしまうため、基本的には投資先の分散がおすすめです。

例えば…
特定の国の株や債券だけに投資していては、その国の政情リスクや経済リスクに弱くなるため、複数の国の投資商品を購入するとリスク分散になります。

区分マンションの場合…
複数のマンションから1部屋ずつ購入することで、分散投資によるリスクヘッジができます。

また、複数エリアに分けて区分マンションを所有すれば、洪水や地震といった災害が起きた場合でも、被害を軽減できるでしょう。このような分散投資は、1棟マンション投資では行いにくいため、区分マンション投資ならではのメリットです。

■関連記事:資産形成に最適なポートフォリオの組み方のポイントとは?

マンションの流動性が高いので売却しやすい

区分マンションは、戸建てやマンション1棟よりも価格が落ち着きやすいため、購入希望者が多く、流動性も高くなりやすいことが特徴です。出口戦略(物件の売却)を考慮すると、不動産売買がしやすい点はメリットといえるでしょう。

また、分譲マンションを売買する市場は歴史が長いため、区分マンションを取り扱っている不動産会社や専門サイトも多くあります。そのため、希望者が望む物件を気軽に調べられる環境が整っており、売却・購入ともにスピーディに行いやすいです。

資産を手放したいときにすぐに買い手が現れやすいことで、状況に応じた柔軟な投資アクションが可能になります。

区分マンション(分譲マンション)へ投資するデメリットとは

ここからは、区分マンション(分譲マンション)へ投資するデメリットについても見ていきましょう。デメリットとして、例えば以下のような点が挙げられます。

・収益性が低い物件も存在する
・マンション全体の管理や運営を自由にできるわけではない
・空室になった場合の影響が大きい

収益性が低い物件も存在する

区分マンションの中には、立地とエリアの賃貸ニーズが合わないことが影響し、家賃を上げにくく、客付けに時間がかかることもあり得ます。そうした物件は収益性が低くなる傾向です。

また、区分マンションはオーナーが大規模修繕をする必要はありませんが、管理費や修繕積立金の支払いが必要であるため、1部屋あたりで見るとコストが割高になるケースもあります。

★注意★
金融機関などで高額な融資を受けている場合は利回りが低くなりやすいため、入居率や家賃の設定によっては収支がマイナスとなってしまうかもしれません。

マンション全体の管理や運営を自由にできるわけではない

一般的に、マンション全体の管理・運営に関わることは、区分所有者全員で構成される「マンション管理組合」が担います。そのため、区分マンションのオーナーが、共用部の管理や運営などについて自由にできるわけではありません。

マンション管理組合では、快適な住環境の維持や大規模修繕への対応をはじめ、住民同士の良好な関係を築くためのイベント開催など、さまざまな取り組みを行っています。

重要な事項についてはマンション管理組合の総会や理事会で話し合って決定されるのが通常です。

マンション全体の管理や運営にある程度、自身の意向を反映させたい場合には、積極的に管理組合に参画して、マンションの資産価値を高める取り組みを提案したり、自身が理事に立候補して運営に直接関わったりする方法もあるでしょう。

空室になった場合の影響が大きい

区分マンションは賃貸する部屋が1戸のため、1棟丸ごと経営する1棟アパート・1棟マンション投資と比べると、空室になった場合のリスクが大きくなります

仮に1部屋のみの賃貸物件を運用している場合、その部屋が空室になると家賃収入は0円となってしまいます。そうなると、物件の維持費やローン返済額を家賃収入以外から捻出しなければなりません。

このような空室リスクへの対策としては、複数の区分マンションを所有する方法があります。ただし、ただ複数所有すれば良いというわけではなく、資産全体の収支バランスやリスクヘッジを考慮して拡大する必要があります。

関連記事なぜ投資用物件を複数所有するのか?その理由やメリットについて知ろう

区分マンション(分譲マンション)を購入するまでの流れ

区分マンション(分譲マンション)を購入するまでには、資金計画を立てたり、物件の購入手続きをしたり、所定の手順があります。

ここでは、以下の5つのステップに分けて区分マンションの購入の流れを紹介します。

1.投資目的を決めて資金計画を立てる
2.物件の情報収集をして物件を決める
3.ローンの申し込みと審査を受ける
4.物件の購入手続き
5.管理会社を決めて運用開始

1.投資目的を決めて資金計画を立てる

まずはじめに投資目的を決めましょう。
なぜ不動産投資をするのかを明確にすることで、自分に合ったスタイルが見えてきます。

例えば…
短期的に大部分の投資回収を狙うのか、長期的な資産形成を目指すのかによって、投資計画は大きく変わります。

不動産投資はよほど大きな自己資金を用意できる人を除いて、基本的には、老後を迎えたときなど、将来的な収益化を目的にすることが安定した資産運用につながります。

短期的・投機的な投資を希望する場合には、他の投資方法が向いているかもしれないので、はじめに自分の投資目的を改めて確認しておきましょう。

投資目的が決まった後は、資金計画を立てます。投資額を踏まえた上で、予想される家賃収入や支出を計算し、長期的な利益を予測します。

★ポイント★
賃料相場の変動などで計画通りにいかない場合もあるため、資金計画は定期的に見直すのがポイントです。

2.物件の情報収集をして物件を決める

次に、物件の情報収集をしましょう。賃貸に出す物件に円滑な客付けができるかどうかは、物件の条件次第のため、物件の立地は特に重要な要素となります。物件情報を掲載しているWebサイトや、不動産会社に相談するなどして情報収集するのがおすすめです。

3.ローンの申し込みと審査を受ける

物件を決めた後は、ローンの申し込みをします。不動産投資は基本的に金融機関などから融資を受けて物件を購入するため、ローンの審査が必要です。

不動産投資で融資を受ける場合、事業用ローンとなるため、居住用の住宅ローンと比較して融資のハードルが高くなります。準備する書類なども異なるので不動産会社など専門家へ相談するのがおすすめです。

関連記事不動産投資ローンのおすすめポイントとは?借入先の種類や住宅ローンとの違いも解説

4.物件の購入手続き

融資を受けたら、物件の購入手続きを行います。購入手続きには多くの必要書類や所定の手続きが必要となるため、スムーズに手続きが進むようあらかじめ必要な書類や手順を把握しておくといいでしょう。

★ポイント★
慣れない手続きが多くなるため、不安な場合には不動産会社などへ一つ一つの手順を確認して、確実に進めていくといいでしょう。

5.管理会社を決めて運用開始

賃貸物件の管理会社を決めます。物件の管理・運用の内容やコストは不動産管理会社によって異なるため、管理会社選びは非常に重要です。

例えば…
単に「管理手数料を比較して安いほうが良い管理会社」という理由だけで選んでしまうと、管理の質が悪く、長期的に見て入居率が悪化して収益性に悪影響を与えてしまう可能性もあります。

実績が豊富で信頼できることを前提に、手数料や管理の質などを総合的に判断して選ぶ必要があるでしょう。

区分マンション投資の手順については、以下の記事でさらに詳しく紹介していますので、ご覧ください。

関連記事【初心者向け】不動産投資の始め方をステップ別に解説!メリットや注意点も

区分マンション(分譲マンション)投資を成功させるためのポイント

区分マンション(分譲マンション)投資を成功させるためには、押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、代表的な以下のような4つのポイントに絞り解説します。

・立地の良いマンションを購入する
・建物の状態や物件選定をアドバイスしてくれる不動産会社を探す
・修繕計画を確認しておく
・建て替えが行われる可能性を考える

立地の良いマンションを購入する

区分マンション投資の物件を選ぶなら、空室リスクの少ない好立地の物件を選ぶことが大切です。一般的には、都心に近かったり、最寄り駅が徒歩圏内であったり、設備が充実していたりする新築ワンルームマンションは空室リスクが少ないとされています。

★ポイント★
立地の選定はもちろん、設備の充実度や家賃設定、ニーズを満たす近隣施設の状況など、「自分が入居者なら快適に暮らせるかどうか」という入居者視点に立って投資物件を選ぶのがポイント!

建物の状態や物件選定をアドバイスしてくれる不動産会社を探す

十分な経験のある人を除いて、区分マンションを購入して賃貸経営をする場合は、不動産投資専門の不動産会社のサポートを受けるのがおすすめです。

不動産会社には「売りたい」「買いたい」物件の情報が集まっているので、良い物件に出会える可能性が高くなっています。良い物件に出会える確率を上げることが、投資が成功するかの大きな要因となり得るため、不動産会社は信頼性の高い会社を選ぶようにしましょう。

また、マンション投資には大きく分けて「新築物件へ投資するか」
「中古物件へ投資するか」
という2つがありますが、新築物件であれば、建物や設備の経年劣化を心配する必要がありません。新築物件は入居者からの人気も高いため、運用直後の空室リスクを減らしやすく、スムーズな不動産投資をスタートできる傾向です。

修繕計画を確認しておく

マンションの修繕計画とは…
建物や室内の設備・機器などを一定の周期で計画的に修繕していくことです。

修繕計画が甘いとマンションや設備・機器が傷んでいき、資産価値がどんどん下がり、賃貸物件としての魅力が低下するリスクがあります。

区分マンションを購入する際は、必ずマンションの修繕計画を確認するのがポイントです。信頼できる修繕計画を立てている場合、物件の価値を長期間維持しやすく、出口戦略(マンションの売却タイミング)で納得できる価格での売却につながります。

建て替えが行われる可能性を考える

区分マンションを所有する前に、将来的に建て替えが行われる可能性や、いつ頃行われるかを想定しておくのもポイントです。建て替えが行われる場合、その期間は入居者がいなくなるため、家賃収入がなくなり、一部費用の支払いも発生します。

★ポイント★
マンションの経済耐用年数は、40~50年に設定されています。建て替えは基本的に計画をしてから10年以上の期間が必要となるため、新築物件を購入する場合には、それほど神経質になる必要はありません。

初めての不動産投資なら新築ワンルームマンション投資がおすすめ!

今回解説したように…
「区分マンション」と「分譲マンション」はどちらもマンション内の1戸を指す言葉としては同じですが、不動産投資では投資家目線で「区分マンション」という言葉が使われています。

区分マンションを賃貸経営して不動産投資を行うことは、長期的な資産形成に向いている投資手法で、比較的安定した収益を実現できます。もちろん、物件選びや物件の管理・運用には、気をつけるべきポイントがあるため、経験を積んだ人でなければ自力で進めるのは難しいでしょう。

そこで、区分マンション投資の中でも、特に、空室リスクを軽減できる新築ワンルームマンション投資に興味がある方は、不動産投資の実績が豊富なメイクスにご相談ください。実績豊富なコンサルタントが最適な物件選びをサポートします。


※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクス・㈱メイクスプラスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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