不動産投資には、区分マンション投資、一棟アパート投資や一棟マンション投資、一戸建投資、駐車場投資などさまざまな種類があります。
どの不動産を運用するのかによって投資戦略は大きく異なるため、それぞれの投資方法の特徴を理解しておくことはとても重要です。
そこで今回は、不動産投資の種類や代表的な投資方法について、それぞれのメリットとデメリットを解説します。また、それぞれの投資に向いている人や「どの種類に投資するのか?」を選ぶ際のポイントについて詳しく解説します。
目次
不動産投資の種類を解説
不動産投資にはさまざまな種類があり、どの投資方法を選ぶかによってかかる費用やリスクも異なるため、それぞれの違いをしっかり把握しておくことが大切です。
ここでは、代表的な不動産投資の種類について解説します。
一棟投資(アパート・マンション投資)
一棟投資とは…
アパートやマンションを丸ごと1棟購入して不動産として所有し、部屋を「賃貸し」して家賃収入(賃料)を得る投資方法です。
一棟投資の初期費用は、土地購入の有無や物件が新築か中古かどうか、構造、頭金の多寡などによって異なります。一般的な不動産投資に必要な初期費用(登記費用やローンの事務手数料、仲介手数料、頭金など)の目安は、不動産価格の20%から30%の金額です。
仮に1億円の一棟物件を購入する場合、初期費用は2,000万円から3,000万円程度かかると考えてよいでしょう。
区分投資(区分マンション投資)
区分投資とは…
分譲マンションを1戸単位で所有し、その部屋を「賃貸し」して家賃収入(賃料)を得る投資手法です。
一棟投資と異なり、マンションの全室を購入する必要はありません。投資・運用規模が一棟投資に比べて小さいため、一棟投資よりも少額の投資額で始めることが可能です。不動産投資初心者でも比較的始めやすい投資手法といえます。
区分投資の初期費用は、マンションのあるエリアや築年数、間取り、専有面積などにより大きく異なります。区分投資の初期費用には幅があり、数百万円ということもあれば数千万円ということもあります。
一棟投資と区分投資の特徴比較表
詳しくは後述しますが、一棟投資と区分投資の主な特徴を比較すると、以下の表のようになります。
主な特徴 | 一棟投資 | 区分投資 |
不動産規模 | 1棟単位 | 1戸(1部屋)単位 |
投資額 | 大きい | 小さい |
建物管理 | 所有者(マンション管理会社への委託可能) | マンション管理会社(居室内は所有者管理) |
賃貸管理 | 一般的には賃貸管理会社へ委託(所有者による自主管理も可能) | 一般的には賃貸管理会社へ委託(所有者による自主管理も可能) |
戸建投資
戸建投資とは…
所有する一戸建て住宅(一軒家)を「賃貸し」して家賃収入を得る投資方法です。
一戸建てを丸ごと1人(または1家族)の入居者に貸し出して運用するのが一般的ですが、各部屋を別々の入居者に貸し出してシェアハウス運用を行うケースもあります。
新築と中古、それぞれの戸建投資があり、中古のほうが初期投資の費用は抑えやすいです。ただ、耐久年数が短い可能性があったり、リフォームが必要となることが多かったりするのは、アパート・マンション投資の場合と同じです。
駐車場投資
駐車場投資とは…
駐車場を経営し、駐車場料金を収入として得る不動産投資です。主に「月極駐車場(月単位の賃料)」と「コインパーキング(時間制の賃料)」の2つの経営方法があります。
比較的シンプルな設備で済み、初期費用や維持管理費が大きくかからないのが特徴です。
数台しか止められない狭小地や変形地でも、立地次第では収益を得られます。
老朽化しにくく、低費用で更地化や解体が可能で、相続した土地の活用法としても人気の不動産投資です。
民泊投資
民泊投資とは…
所有する物件に旅行客などを宿泊させて、宿泊料を収入として得る不動産投資です。
民泊はリーズナブルな価格で宿泊できることから、インバウンドを中心に需要があります。
民泊投資は、賃貸の賃料よりも高い宿泊料を設定できるため、稼働率次第で高い収益が見込めるのがメリットです。ただし、民泊経営をするには関連法令を遵守する必要があり、例えば、特区以外での民泊の年間営業日数は基本的に180日以下という点に注意が必要です。
J-REIT(不動産投資信託)
J-REIT(不動産投資信託)とは…
投資商品の一つで、投資家から集めた資金を、専門家が不動産に特化して運用します。
J-REITは10万円程度からでも購入ができ、少額投資からでも始められるのがメリットです。不動産の運用は専門家が行うため手間もかかりません。また、1つの不動産ではなく複数の不動産に分散投資しやすく、上場不動産投資信託であれば自由に売買できるため、換金性が高いという特徴があります。
トランクルーム投資
トランクルーム投資とは…
荷物収納用のトランクルームを設置して貸し出しを行い、賃料収入を得るのがトランクルーム投資です。
土地活用に適した広さの土地があれば、アパート・マンション投資と比べて低コストで始められるのがメリットといえます。
トランクルームには屋外コンテナ型と屋内ルーム型の2種類があり、運用方法は主に以下のような方法があります。
・個人経営…
トランクルームの設置から運営まで自分で行う
・サブリースタイプ…
設置したトランクルームを業者に借り上げて運用してもらう
・管理業務委託タイプ…
トランクルームを用意して、運営の一部を委託する
・土地の定期貸し出しタイプ…
所有する土地だけを貸し出す
新築一棟投資(アパート・マンション投資)のメリット・デメリット
ここからは、新築一棟投資について、メリットとデメリット、投資するのに向いている人について解説します。
新築一棟投資のメリット
新築一棟投資の主なメリットは、以下の通りです。
- 築年数が浅いため修繕費を抑えやすい
- 家賃収入が大きい
- 空室リスクを分散できる
- 自身の裁量で建物全体をコントロールできる
新築一棟投資の場合、築年数が浅いため修繕費を抑えやすい点がメリットになります。
新築物件であれば、建築後しばらくの間は大規模な修繕やリフォームの必要がほとんどありません。これにより、初期段階での運営コストを低く抑えることができ、安定したキャッシュフローの確保が期待できます。
また、新築であるため、最新の設備や建材が使用されており、入居者にとっても魅力的な物件となります。
さらに、新築一棟投資ならではのメリットは、区分投資に比べて見込まれる家賃収入が大きくなる点です。
複数の部屋を「賃貸し」することから、同時期にすべての部屋が空室になってしまうのは考えにくく、家賃収入がゼロになるリスクが少ないのもメリットです。
加えて、一棟投資であれば部屋の内部だけでなく建物全体に権限が及ぶため、自身の裁量で、建物の設備投資や修繕工事をコントロールすることも可能です。
新築一棟投資のデメリット
新築一棟投資の主なデメリットは、以下の通りです。
- 物件価格が高く、利回りが低くなりやすい
- 始めるには多額の資金が必要
- 建物全体のメンテナンスや修繕、設備交換などの手間と多額の費用がかかる
新築一棟投資は、アパートやマンションを丸ごと購入することになるため、多額の資金が必要です。最新の設備やデザイン、技術が採用されているため、中古物件と比べて購入価格が高額になる傾向にあります。
立地や規模によっては、購入金額が数千万円から1億円を超える物件も珍しくありません。
このように投資額が高額なため、一般的に一棟投資をする際は金融機関で不動産投資ローンを組みます。しかし、自己資金が乏しかったり、収入に対して借入額が高額になったりすれば、融資を受けられないこともあるでしょう。
また、新築一棟投資は物件価格が高いことから、中古物件と比べて利回りが低くなりやすい面もあります。特に、都市部の人気エリアでは新築物件価格が高騰しているため、利回りがさらに低くなる傾向がある点に注意が必要です。
★ポイント★
一棟投資では建物全体の維持や機能向上を図るため、日常的なメンテナンスが不可欠です。さらに、大規模修繕や設備交換などを含めた維持管理に多額の費用が必要になりやすいです。
新築一棟投資に向いている人とは?
新築一棟投資は、不動産投資の中でも多額の資金を必要とする投資です。したがって、高額な初期投資を行っても問題のない程度に資金に余裕のある人や、アパートやマンションを建てられる遊休土地(取得から2年以上利用されていない土地)を所有している人にも適しています。
新築物件は最新の資材や設備が採用されており、入居者にとって魅力的な物件となるため、空室率が低く保たれやすく、安定した家賃収入が見込めます。
さらに、新築一棟投資は、物件全体を自身の裁量で管理できるため、運用の自由度が高いのも特徴です。設備投資や修繕計画を自分で決定できるため、効率的な運営が可能です。
特に、初期段階では修繕費を抑えられるため、長期的に安定したキャッシュフローを確保しやすくなります。資金的に余裕があり、長期的な視点で安定した収益を目指すオーナーには、おすすめの投資方法です。
★ポイント★
建物を一棟丸ごと管理する手間がかかるため、不動産投資や賃貸経営に必要な時間を割くことができる人も向いているでしょう。
中古一棟投資(アパート・マンション投資)のメリット・デメリット
中古一棟投資は、新築に比べて初期投資を抑えやすい点が魅力ですが、その分、固有のリスクも伴います。ここからは、中古一棟投資のメリットとデメリットについて解説します。
中古一棟投資のメリット
中古一棟投資のメリットは、以下の通りです。
- 初期費用を低く抑えられる
- 設備や内装が良好な物件であれば家賃を高めに設定できる
中古一棟投資は、新築一棟投資と比較して物件価格が安く、初期費用を低く抑えられることが大きなメリットです。
また、築年数の浅い中古物件であれば、新築に近い資産価値を維持している可能性もあり、設備や内装の状態も良好な場合があります。こういった物件であれば、家賃を高めに設定することができ、高い収益を見込むことが可能です。
さらに、これまでの賃貸履歴や運営実績があるため、空室リスクの評価がしやすく、安定した収入計画を立てやすい点も中古一棟投資の魅力です。
中古一棟投資のデメリット
中古一棟投資のデメリットは、以下の通りです。
- 修繕費用が高くなりやすい
- 空室リスクが高い
中古物件は想像以上に経年劣化が進んでいるものもあるため、建物や設備のメンテナンスにかかる費用が増加する傾向にあります。大規模修繕が必要になり、予期せぬ出費が発生する可能性があるため、購入前に修繕計画の確認が欠かせません。
さらに、中古物件は新築に比べて人気が落ちることが多く、空室リスクが高まる可能性も考慮しなければなりません。築年数が経過していることで賃貸市場では不利なため、入居希望者から注目されるようなリフォームや設備の入れ替えなどの工夫が必要です。
中古一棟投資に向いている人とは?
中古一棟投資は、新築一棟投資の購入資金を準備するのが難しい人に向いています。新築物件に比べて購入費用が抑えられるため、手元資金が限られているものの不動産投資を始めたいという場合には理想的な選択肢です。
さらに、オーナーチェンジ物件に興味がある人にも中古一棟投資は適しています。
オーナーチェンジとは、賃貸物件の所有者が、すでに入居者が入っている状態で物件を売却することです。オーナーチェンジ物件購入後は、すぐに家賃収入を得られ、空室リスクがないというメリットがあります。
新築区分マンション投資(区分投資)のメリット・デメリット
次に、新築区分マンション投資のメリットとデメリット、新築区分マンション投資に向いている人について見ていきましょう。
新築区分マンション投資のメリット
新築区分投資のメリットは、以下の通りです。
- 流動性が高く、将来売却しやすい
- 自己資金が比較的少額からでも始められる
- 物件管理の手間が少ない
- 好条件の物件を見つけやすい
新築区分マンション投資は、将来的な売却(キャピタルゲイン)を見据えた投資戦略を立てる上で大変有利です。区分マンションは不動産の中では流動性が高いとされ、立地によっては市場価値の維持も期待できるため、リスクを抑えつつ資産を増やしたいオーナーにとって、魅力的な選択肢となります。
また、区分投資は1部屋単位で投資が可能なため、一棟投資や戸建投資に比べて初期費用を低く抑えられます。そのため、手元資金が少なくても投資しやすく、初心者でも始めやすい投資手法です。
建物や共用部の管理はアパートやマンションの管理会社が行うため、管理の手間がかかりません。所有者側で維持管理が必要なのは専有部分である居室内だけなので、一棟投資などに比べて修繕にかかる費用や手間も少なく済みやすいです。
さらに、投資の対象が1部屋単位であることから、限られた資金で、異なるエリアの好条件の物件を複数所有し、効率的な運用を行うこともできるでしょう。
■関連記事:なぜ投資用物件を複数所有するのか?その理由やメリットについて知ろう
新築区分マンション投資のデメリット
新築区分マンション投資のデメリットは、以下の通りです。
- 中古物件と比べて購入価格が高い傾向のため、表面利回りが低くなりやすい
- 部屋の外は自身の裁量でコントロールできない
利回りが低く短期的な収益性に劣る点が、デメリットとして挙げられます。新築物件は中古物件と比べると購入価格が高くなります。そのため、収益性が相対的に少なくなり、表面利回りが低くなる傾向です。表面利回りとは、年間の家賃収入を物件の購入価格で割った数値です。
また、区分マンション投資の場合、自身の権限が及ぶのは専有部分の居室内だけです。建物全体や共用部などについて、勝手に修繕や設備投資を行えない点にも注意しなければなりません。
新築区分マンション投資に向いている人とは?
新築区分マンション投資は、将来的なキャピタルゲイン(物件の売却益)を狙うオーナーに向いています。
新築区分マンションは築年数が浅く、建物や設備の劣化が少ないため、購入後も価値が減少しにくいという特徴があります。また、人気のあるエリアに位置する新築物件は、需要が高く、売却時に買い手を見つけやすいため、キャピタルゲインを狙いやすくなります。
さらに、新築物件は賃貸市場でも高い評価を受けやすく、安定した家賃収入が期待できるため、長期的に資産を増やしながら、将来的な売却益も見込めます。
ただし、空室のリスクの影響を受けやすい投資のため、賃貸需要が継続的に見込まれる都心部にある物件、老朽化の心配のない新築物件を選ぶなど、物件選びは慎重に行いましょう。
■関連記事:不動産投資の物件探しで見るべき11のポイント!避けたい物件の特徴も紹介
中古区分マンション投資(区分投資)のメリット・デメリット
次に、中古区分マンション投資のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
中古区分マンション投資のメリット
中古区分マンション投資のメリットは、以下の通りです。
- 過去の運用データを参考にできる
- 新築よりも初期費用を抑えられる
中古物件はすでに市場での運用実績があることから、過去の賃貸履歴や運用データを参考にすることで、空室リスクの評価や運用計画を検討しやすいでしょう。これにより、購入前に物件の収益性を見極められます。
また、新築物件と比べて購入価格が低いため、家賃収入から得られる表面利回りが高くなりやすく、投資額に対する収益性が向上します。短期間での収益を重視するオーナーや、初めて不動産投資を行う人にとって魅力的な投資方法といえるでしょう。
中古区分マンション投資のデメリット
中古区分マンション投資のデメリットは、以下の通りです。
- 新築区分マンション投資と比べて修繕費用が高くなりやすい
- 競争力のある家賃設定が求められる
- 家賃収入を老後の年金代わりとするには向かない
中古物件は経年劣化が進んでいることも考えられるため、定期的なメンテナンスや修繕が必要となり、そのコストがかさむ可能性がある点はデメリットです。修繕費用が予想以上にかかることで、収益が圧迫されてしまう恐れがあります。
また、中古物件では競争力のある家賃設定が求められます。その結果、家賃収入が新築物件よりも低くなるケースも考えられるでしょう。
さらに、不動産投資で得られる家賃収入を老後の年金代わりとして考えている場合には、中古物件は向いていません。例えば、30歳で築20年の中古物件を購入して運用すると、定年を迎える65歳には築55年になることになります。安定した家賃収入を得るには、その時点での築年数が経ちすぎているといえるでしょう。
中古区分マンション投資に向いている人とは?
不動産投資の中でも、中古区分マンション投資は比較的少ない資金で始められるため、手元の資金が限られている人に向いています。
また、購入価格が低い分、家賃収入から得られる表面利回りを高くできるため、高い収益性を求めるオーナーにもおすすめです。短期間での投資回収を目指す場合には、魅力的な選択肢となるでしょう。
戸建投資のメリット・デメリット
最後に、戸建投資のメリットとデメリット、戸建投資に向いている人について解説します。
戸建投資のメリット
戸建投資のメリットは以下の通りです。
- 入居期間が長い傾向にあるので安定した家賃収入を得られる
- 初期費用が比較的少なくて済む
戸建投資で物件を「賃貸し」するターゲットは主にファミリー層です。ファミリー層の場合、育児や介護の都合から、入居者の入居期間は長くなる傾向にあり、安定的な家賃収入につながりやすいです。
また、ファミリー層は…
最寄り駅や繁華街への近さといった立地条件よりも、家族構成に適した間取りや子育てのしやすさ、周辺の治安や自然環境などを重視するケースがあります。
そのため、好立地条件ではない物件の場合でも、運用収益が見込める可能性がある点も魅力でしょう。
さらに、戸建投資は一棟投資と比べて広い土地を必要としないため、不動産投資の中でも初期費用が比較的少なく済むのが特徴です。
戸建投資のデメリット
戸建投資のデメリットは以下の通りです。
- 不動産投資ローンに通りにくいことがある
- メンテナンス、リフォームに多額の費用が必要
- 空室リスクが高い
戸建投資は、中古の戸建て物件を購入し、リフォームやリノベーションをしてから「賃貸」するケースが多いです。中古物件の場合、築古で建物の残存耐用年数が少ないと資産価値が低く評価され、不動産投資ローンに通らないことがあります。
また、戸建投資では、家屋や敷地のメンテナンスが必要なため、区分投資に比べて修繕費用は高くなります。さらに、一戸あたりの投資額が高くなり少ない戸数の運用となりやすいため、空室リスクが高いことに留意が必要です。
戸建投資に向いている人とは?
戸建投資に向いている人は以下の通りです。
- 一戸建ての住宅を建てられる遊休土地を所有している人
- 時間の自由が利く人
- 郊外の中でも人気エリアを見極めることができる人
戸建投資の物件は郊外にあることが多く、物件管理には手間と時間がかかります。また、収益性を上げるためにリフォームやリノベーションの費用を抑えるには、良いリフォーム業者とのつながりを築いたり、自分で現地へ行ってDIYを行うことも考慮する必要があるでしょう。
駐車場投資のメリット・デメリット
不動産投資といえば、マンション投資や戸建投資を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、じつは駐車場投資も注目されている選択肢の一つです。車での移動が欠かせない地域の駅前やオフィス周辺など、活用できる土地の立地条件によっては駐車場の需要が見込まれます。
ここでは、駐車場投資のメリットとデメリットについて解説します。
駐車場投資のメリット
駐車場投資のメリットは、以下の通りです。
- 初期費用を大幅に抑えられる
- 土地の形状や広さに関係なく有効活用できる
駐車場投資の最大の魅力は、建物を建築する必要がないため、初期費用を大幅に抑えられる点です。建築費用が不要な分、ほかの不動産投資よりも低コストで不動産投資を始められます。
また、形がいびつだったり狭かったりする土地でも、駐車場としてなら運用可能なケースも多いため、土地の形状や広さに関係なく土地を有効活用できます。
駐車場投資のデメリット
駐車場投資のデメリットは、以下の通りです。
- インカムゲインが少なくなりやすい
- 税制の優遇措置がない
駐車場投資は、住宅系の不動産投資と比較すると、インカムゲイン(運用中に得られる収益)が少なくなりやすい点がデメリットとして挙げられます。駐車場の利用料金は家賃収入と比べて安いのが一般的なため、同じ面積の土地を利用した場合でも収益が低くなる可能性があります。
さらに、駐車場投資には税制の優遇措置が適用されないため、節税効果を期待しにくいというデメリットもあります。
駐車場投資に向いている人とは?
駐車場投資は、建物を建築する必要がなく、ほかの不動産投資と比較して初期費用を大幅に抑えられます。そのため、手元の資金が限られている人でも参入しやすい投資方法といえるでしょう。
また、駐車場投資は商業施設や大型マンションが近くにあり、駐車スペースが不足している地域で成功しやすい投資です。そうしたエリアに知見があり、有効活用できる土地を探すことを手間と感じない人に向いています。
民泊投資のメリット・デメリット
近年、国内外の旅行者を中心に、魅力的な宿泊方法として民泊が急速に人気を集めています。それに伴って民泊投資も新しい投資手法として注目されています。
民泊投資のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
民泊投資のメリット
民泊投資のメリットは、以下の通りです。
- 住宅用物件の運用よりも収益性が高くなりやすい
- 修繕やリノベーションのタイミングを自由に設定できる
民泊投資のメリットは、収入となる宿泊料金の設定を、短期的な需要の浮き沈みに合わせて自由に決められることです。通常の賃貸の場合は月の家賃は固定額となり、一度、家賃を下げると再び上げにくいため、大きく異なるメリットといえます。
例えば、観光シーズンやイベント開催などの特定期間だけ、高い宿泊料金を設定して収益性をアップできます。一方、閑散期には宿泊料金を一時的に下げて宿泊客を呼び込むなど、価格設定を柔軟に調整可能です。この点から、民泊の宿泊率が高く維持できれば、住宅用物件の運用よりも高い収益性が期待できます。
また、民泊では利用者と賃貸契約を結ばないため、宿泊客がいない時期を狙って、修繕やリノベーションのタイミングをオーナーの自由に設定できるのも大きなメリットです。
民泊投資のデメリット
民泊投資のデメリットは、以下の通りです。
- 開業までに手間と時間がかかる
- 集客がうまくいかなければ収益が発生しない
民泊投資は、都道府県知事などへの民泊事業者としての届出をはじめ、開業までに多くの時間と手間がかかる点がデメリットです。必要な法的手続きだけでなく、施設を宿泊可能な状態に整えるためには相応の準備期間が必要で、この過程で予想外のコストが発生することもあります。
また、民泊は集客がうまくいかない場合に大きな損失を被る可能性があります。特に、自然災害などの予期せぬ需要変動によって宿泊者が減少すると、収入も大幅に減少するリスクがあります。
民泊投資に向いている人とは?
民泊投資は、観光地やビジネス街の近くなど、宿泊需要のあるエリアに土地や物件を所有している人に向いています。これらのエリアでは常に宿泊ニーズが高いため、安定した収益を見込むことが可能です。
さらに、民泊投資は物件の築年数にあまり左右されないため、築古の物件を所有している人にも適しています。リノベーションやインテリアの工夫を施して魅力的な宿泊施設に生まれ変わらせることで、古い物件でも高い稼働率を維持し、収益を上げられます。
J-REIT(不動産投資信託)のメリット・デメリット
J-REIT(不動産投資信託)は、不動産投資の手軽な方法として人気を集めています。ここでは、J-REITのメリットとデメリットを詳しく解説します。
J-REIT(不動産投資信託)のメリット
J-REIT(不動産投資信託)のメリットは、以下の通りです。
- 少額からでも始められる
- 不動産管理の手間やコストを省ける
J-REIT(不動産投資信託)は、物件購入のために多額の資金を用意する必要がなく、少額からでも不動産投資を始められます。
さらに、J-REITは物件管理コストを省ける点も大きな利点です。時間と労力を節約しながら、不動産投資の利益を享受できます。
J-REIT(不動産投資信託)のデメリット
J-REIT(不動産投資信託)のデメリットは、以下の通りです。
- 価格変動リスクを受けやすい
- まとまった資金を借りることが難しい
J-REITは実物資産ではないため、価格変動リスクを受けやすい点がデメリットです。
株式市場で取引されているため、株式市場全体の動向や経済情勢の影響を受けやすく、価格が大きく変動することがあります。このため、短期的な価格変動に対するリスクを考慮する必要があります。
さらに、J-REITでは、不動産投資ローンのようにまとまった資金を借り入れることが難しいため、基本的には自己資金を用意する必要があります。
J-REIT(不動産投資信託)に向いている人とは?
J-REITは、準備できる資金が不足していたり、現物の不動産を所有・管理したりすることが難しい人に向いています。少額からでも不動産市場に投資でき、プロの運用会社が管理を行うため、手間をかけずに済むからです。
また、複数の不動産物件に分散投資することでリスクヘッジができるので、少ないながらも安定した収益を狙う場合にもおすすめです。
トランクルーム投資のメリット・デメリット
不動産投資の新しい形として注目されているのが、トランクルーム投資です。比較的少ない初期費用で始められる点が魅力のトランクルーム投資ですが、デメリットもあります。
トランクルーム投資の魅力と注意点を見ていきましょう。
トランクルーム投資のメリット
トランクルーム投資のメリットは、以下の通りです。
- 初期費用やランニングコストを抑えられる
- 設備投資や修繕費が少なく済む
- 人的トラブルが少ない
トランクルーム投資のメリットは、初期費用やランニングコストを抑えられる点です。建物の構造がシンプルなため、ほかの不動産投資と比べて建築費用や維持管理費用を低く抑えられます。
さらに、人的トラブルがほかの不動産投資よりも少ない点も大きなメリットです。そのため、管理の手間が大幅に軽減され、運営が容易になります。
トランクルーム投資のデメリット
トランクルーム投資のデメリットは、以下の通りです。
- 住宅用物件よりも需要が低い
- 新規参入が難しい場合がある
トランクルーム投資は、住宅用物件に比べて需要が低い傾向にあるため、ほかの不動産投資よりも空室が埋まりにくい点がデメリットとして挙げられます。
さらに、人気のあるエリアや需要が見込まれるエリアでは、既存のトランクルーム業者が多数存在し、新規参入者が市場に入り込むのが難しい場合があります。
トランクルーム投資に向いている人とは?
トランクルーム投資に向いているのは、付近にマンションやオフィス街があり、トランクルームの需要が高い土地を所有している人です。
特に都市部では、自宅の収納スペース不足を感じている人も多く、トランクルームの需要が高まる傾向にあります。前面の道路幅が広く、アクセスが良好な立地にある土地であれば、トランクルームとして運用しやすいでしょう。
不動産投資の種類を選ぶ際のポイント
さまざまな種類がある不動産投資ですが、自分に適した種類を選ぶ際に押さえておきたいポイントがいくつかあります。ここでは、代表的な以下のポイントをご紹介します。
- 投資する目的によって不動産投資の種類を選ぶ
- リターンの大きさや利回りで選ぶ
- 所有資金や資産ポートフォリオから判断する
- 投資リスクを考慮して選ぶ
投資する目的によって不動産投資の種類を選ぶ
不動産投資を始める目的は
- 収益獲得
- 資産形成
- 相続対策
- 年金対策
など人によってさまざまです。そのため、投資目的を明確にして、達成しやすい投資を選択するのがポイントです。
例)
1.安定志向で分散投資を行う場合
複数エリアの好立地マンションへの区分投資が適していると考えることができます。
2.土地を活用しなるべく資金や手間をかけずに資産運用したい場合
駐車場経営が向いているかもしれません。
このように、投資目的を明確にすることで、目的に適した投資の種類を選びやすくなるでしょう。
所有資金や資産ポートフォリオから判断する
不動産投資は、投資の種類によって必要な投資額が大きく変わります。区分投資や戸建投資は、手持ち資金が少なくても始められますが、一棟投資は多額の自己資金が必要です。また、投資物件用の土地を所有しているかどうかで、必要となる投資額は変わってきます。
資産形成のための不動産投資は、投機的・短期的な観点ではなく、長期的にコツコツと安定収入を目指すべきものです。したがって、準備できる自己資金や、不動産投資以外の資産も含めた資産ポートフォリオ全体を見て、バランスの良い不動産投資の種類を選ぶことが大切です。
■関連記事:資産形成に最適なポートフォリオの組み方のポイントとは?
投資リスクを考慮して選ぶ
どのような投資手法にもリスクはあります。不動産投資の場合、空室リスクや家賃滞納リスク、金利上昇リスク、地震・火災リスクなどがあります。利回りだけで投資の種類や物件を選ばずに、起こり得るリスクを想定して回避、または分散できるような物件を選ぶのもポイントです。
例えば、空室リスクに対しては、賃貸需要が安定しているエリアを選んだり、客付けを得意とする賃貸管理会社を選んだりすることでリスクを低減できます。家賃滞納リスクについては、家賃の滞納保証制度を利用するなどといった対策が考えられるでしょう。
■関連記事:不動産投資の8つのリスクと回避のための対策について【徹底解説】
自分の投資目的に適した不動産投資の種類を選ぼう
不動産投資の代表的な投資方法には一棟投資、区分投資、戸建投資などがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。どの不動産投資を選ぶにしても、自身の投資目的を明確にすることをはじめ、長期的な視点での資産形成を目指すことや、資産全体のポートフォリオのバランスをとることが大切です。
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