ワンルームマンションの歴史|著名物件から学ぶマンションの価値と寿命

最終更新日:2023.08.18 (公開:2023.07.13)

昭和期に誕生したワンルームマンションは、生活様式の多様化に伴って広く普及しました。長い歴史を持つこれらの建物は、適切なメンテナンスや管理によって時代を超えて愛されました。

今回は…
ワンルームマンションの歴史と著名な建物をご紹介するとともに、一般的なマンションの寿命と法令耐用年数の違いなどについても解説します!

ワンルームマンション誕生の歴史を解説

はじめに、ワンルームマンションが、いつどのような経緯で誕生したのか、その歴史について詳しく見ていきましょう。

ワンルームマンションが誕生したのは1970年代

ワンルームマンションは、1970年代に誕生した住宅形態です。就職や転勤に伴う単身世帯の増加によって、ワンルームマンションは急速に普及し、一人暮らしに最適な住宅形態として認知されました。

ワンルームマンション誕生以前は、マンションと言えばファミリー向けの物件や都心の高級なものが主流であったため、マンション購入者のほとんどは投資家や資産家などの富裕層でした。しかし、ワンルームマンションの登場により、一般層にもマンションへの関心が高まったのです。

例えば…
1972年に竣工された「中銀カプセルタワービル」は、最初期のワンルームマンションとして注目される建築物です。独特のカプセル型デザインやプレハブ工法(あらかじめ工場で部品を製作し、現場で組み立てる建築手法)が特徴で、ワンルームマンションの建築史を研究する際には欠かせない対象となっています。

1980年~1990年代のバブル期からワンルームマンションへの投資が始まる

1980年代に入るとワンルームマンションは全国的に普及し、個人住宅として一般的な存在となりました。その背景には、不動産業者が空室リスクを軽減する仕組みを導入したことや、「区分所有法」(建物の区分所有等に関する法律)が成立し、マンションの1室が独立した資産として認められるようになったことが大きな要因として挙げられます。

東京都・新宿には1億円に達するワンルームマンションも出現し、資産形成の手段としての価値が一気に上昇しました。特に、1980年~1990年代のバブル期には、ワンルームマンションへの投資が注目されました。

しかし、バブル崩壊により多くの高額物件の価格が急落しました。その後、バブル期の異常な価格高騰は収束し、ワンルームマンション市場も現実的な価格帯へと戻ったのです。

家賃収入を得ることを目的とした投資スタイルが広まる

2000年代に入ると、一般のサラリーマンでも手の届きやすいワンルームマンションが数多く登場し、ワンルームマンション専門の施工販売業者も急増しました。

不動産投資では、物件の売却益だけでなく、不労所得として持続的な家賃収入を得ることを目指す投資スタイルが広まりました。この投資スタイルは現在でも人気です。家賃収入の安定性を重視するため、住居スペースの広さや設備の充実度、立地などがバブル期よりも大幅に改善されています。

近年では…
物件間や業者間の競争が激しくなり、ワンルームマンションでもファミリータイプと同じくらい充実した設備を備えた物件が数多く存在しています。

歴史が長い&著名なマンション(アパート)の事例

同潤会アパート

ここからは、歴史が長く、著名なマンション(アパート)の事例を3つご紹介します。

同潤会青山アパート

同潤会青山アパートは、1926年(第1期)から1927年(第2期)に建築されたアパートで、日本で最初期のアパートとされています。

関東大震災の翌年に内務省社会局によって設立された「同潤会」によって建築が進められました。当時の最新鋭の設備を備え、約80年間にわたって生活空間として使用されたことが、同潤会アパートの完成度の高さを示しています。

現在は…?
2003年に役割を終えた建物が取り壊され、跡地には、商業施設と住宅のある「表参道ヒルズ」として生まれ変わりました。

中銀カプセルタワービル

中銀カプセルタワービルは、建築家の黒川紀章氏によって設計された日本最初期のワンルームマンションです。地上13階および11階建てのツインタワービルで構成され、140個の独立したカプセルが取り付けられています。

直方体のカプセルはそれぞれ独立した居住空間になっていて、インパクトのある独特な外観が特徴です。この独特なデザインは「都市型ライフスタイルの提言」と「建物の新陳代謝」をコンセプトにしています。特に建造物の寿命や住人のニーズに応じて、各カプセルを交換できる点が注目されました

現在は…?
カプセルの交換が予定通り行われず、建物の老朽化が進んだため、2022年に解体されました。同時に、解体を惜しむ声も多く、取り外されたカプセルを美術館や商業施設で展示したり、宿泊施設にしたりするなどの保存・再利用プロジェクトも進行しています。

四谷コーポラス

1956年に竣工された四谷コーポラスは、日本で初めての民間分譲マンションです。オートロック式のドアやダストシュート、屋外アンテナ端子など斬新な設備を備えていました。

販売方法も革新的で、当時は一般的ではなかった「割賦販売」が導入されました。この割賦販売の導入により、より多くの人々がマンション購入を検討できるようになり、分譲マンション市場の発展に寄与しました

現在は…?
画期的な四谷コーポラスでしたが、老朽化が進み、2006年に再生計画が開始されました。そして2019年には建て替えが完了し、現在でも多くの人々が居住するマンションとなっています。

マンションの一般的な寿命とは?

日本には歴史の長いマンションも複数存在していますが、マンションの一般的な寿命はどの程度なのでしょうか。ここでは、マンションの寿命について詳しく解説します。

メンテナンスしていれば100年以上?

国土交通省発表の「期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について」によると、住居用の鉄筋コンクリート造(RC造)の平均寿命は68年です。ただし、物理的な構造物としての寿命は条件次第で最長120年、外装仕様によっては150年と推定されています。

参考期待耐用年数の導出及び内外装・設備の更新による価値向上について(国土交通省)

★ポイント★
マンションの寿命は適切なメンテナンス次第である
といえます。外装塗装や外壁タイル、共用部分の補修、屋上の防水処置などを定期的に管理・修繕することで、寿命を延ばし、より長く快適に住めるようになるのです。

マンションの寿命と法定耐用年数は違う

法定耐用年数とは、国が定める「固定資産を使用できる期間」のことで、減価償却費の計算に利用されます。会計上、建物の資産価値がゼロになるまでの年数を表しているにすぎないため、法定耐用年数がマンションの寿命と一致するわけではありません

建物の種類によって法定耐用年数は異なりますが、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の居住用マンションの場合は47年です。これは、あくまでも会計上の資産価値がゼロになるまでの年数で、47年で建物の寿命を迎えて住めなくなってしまうわけではありません。

不動産投資の場合は耐用年数に注意が必要

居住目的であれば法定耐用年数はそれほど気にする必要はありませんが、不動産投資を目的としている場合は注意が必要です。

例えば、不動産投資ローンを利用して中古マンションを購入する場合、築年数が法定耐用年数を超えている古い物件では資産価値がすでにゼロになっています。そのため、金融機関からの融資を受けることが難しい場合があります。

築年数と耐用年数は、所有している間の税金対策や売却時にも影響します。例えば、新築や築浅のマンションで法定耐用年数に達していない場合は、残っている資産価値に応じて減価償却費を計上でき、節税効果が期待できます。また、売却を検討するときは、法定耐用年数を十分に残した状態であれば、買い手が見つかりやすく理想的です。

■関連記事不動産投資の「税金対策」には注意が必要?仕組みが分かる基礎知識

ワンルームマンションの物件管理が重要な理由

ワンルームマンション投資では、物件管理が重要なポイントとなります。その理由について確認していきましょう。

適切な建物管理が入居率の維持につながる

マンションの管理費用を抑えることだけに目を奪われると、適切な建物管理ができなくなってしまい、その結果、入居率の低下を招くリスクがあります

適切な建物管理は、入居率の維持につながります。管理費用を確保し、メンテナンスが適切に行われていれば、設備の故障や水漏れなどのトラブル発生を最小限に抑えられます。建物管理には、廊下やエレベーターホールといった共用部分の清掃が行き届いていることも含まれます。

■関連記事オーナー最大の関門?原状回復費用が貸主負担になるケースと対策【事例付】

建物の資産価値を維持することにつながる

物件管理は、建物の資産価値を維持する上でも重要な役割を果たします。不動産は経年劣化により、築年数が経つとともに資産価値も徐々に低下していきます。適切なメンテナンスと管理を行うことで、経年劣化によるトラブルを最小限にし、不動産の資産価値を保つことができます

また、修繕が行われると修繕履歴が残るため、築年数が経過していても資産評価でプラスの要素となる可能性があります。逆に、修繕計画が適切に実行されていない場合、建物の大きな損傷につながる可能性があり、結果として、資産価値を著しく低下させる要因となる可能性があるでしょう。

ワンルームマンションの物件管理は管理会社に任せるのがおすすめ

投資用ワンルームマンションの物件管理は、専門の管理会社に任せるのがおすすめです。その理由について解説します。

オーナーの手間が省ける

物件管理を管理会社に任せる大きなメリットとして、オーナーが管理する手間が省ける点が挙げられます。物件管理を管理会社に任せることで、管理にかかる負担を大幅に軽減できます。

マンション管理に必要な業務量は多く、オーナーが自主管理する場合は大きな負担を伴います。入居者からの問い合わせ対応や清掃・修繕の手配など、日常的に多くの時間と労力がかかります。賃貸経営とは別の本業があり、物件管理にかけられる時間がない場合には委託管理がおすすめです。

物件管理のノウハウがある

不動産運用初心者の場合、物件管理をどのようにすればいいのか分からないことがほとんどです。その点、物件管理のノウハウを持っている管理会社に任せれば、初心者でも安心して任せられます。

物件管理には大きく分けて「賃貸管理」と「建物管理」がありますが、代表的な管理業務には以下のようなものがあります。

・入居者募集
・入居審査
・賃貸借契約、契約更新
・家賃回収、未収家賃の催促
・入居者からの問い合わせ対応、クレーム対応
・室内設備や共用部の定期点検、メンテナンス
・退去立ち会いと精算手続き
・退去後の原状回復工事の手配
・修繕積立金の準備
・故障や老朽化した設備の交換やリフォーム

不動産賃貸経営を円滑に進めるためにも、管理会社を積極的に活用するのがおすすめです。

トラブル対応もしてもらえる

管理会社に物件管理を任せることで、入居者からの問い合わせやクレーム対応をしてもらえます。物件管理で起こり得る、家賃滞納や設備故障などに対して、迅速な一次対応でサポートしてくれるので、入居者にとっても安心です。

オーナーが単独で解決するのは困難なトラブルもあるため、特に不動産管理が初めてのオーナーにとっては大きなメリットといえます。

適切な物件管理で資産価値と寿命を最大化しよう!

マンションは、適切な管理をすることで快適な生活環境を整えられます。入居率の維持につながるのはもちろん、資産価値の維持も期待できます。そのため、ワンルームマンション投資をするなら、物件管理を管理会社に委託するなど、適切な物件管理が重要です。

新築ワンルームマンション投資の実績が豊富なメイクスなら、大切な資産を守りながら資産価値の最大化が可能です。賃貸管理・建物管理を専門に行うグループ会社メイクスプラスと連携して、適切な物件管理をサポートします。

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メイクスプラスがオーナー様に代わって貸主となり、管理・運営のすべてを代行する「通常マスターリースプラン」や、24時間対応の緊急コールセンターを設置する「24時間対応受付サービス」など、充実したサービスを提供しています。

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不動産投資を検討している方はもちろん、物件管理について不安がある方は、ぜひお気軽にメイクスへご相談ください。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクス・㈱メイクスプラスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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著者/監修者紹介

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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