不動産投資のキャッシュフローとは?計算方法やマイナスでも問題ないケースを解説

最終更新日:2024.09.12 (公開:2024.09.12)

不動産投資のキャッシュフローとは?計算方法やマイナスでも問題ないケースを解説

不動産投資において重要視されているのがキャッシュフローです。「キャッシュフローがマイナスなのは悪」というイメージもありますが、本当にそうなのでしょうか?

そこで今回は、不動産投資におけるキャッシュフローの考え方や重要だと言われる理由、シミュレーション方法、キャッシュフローがマイナスでも問題ないケースなどについて解説します。

不動産投資におけるキャッシュフローとは?

不動産投資におけるキャッシュフローとは?

はじめに、不動産投資におけるキャッシュフローとはどのようなものなのか、基本的な考え方と、帳簿上の利益との違いについて解説します。

キャッシュフローの考え方

キャッシュフローとは「受け取る現金と支払うお金の流れ」のことを言います。「一定期間内にお金がどれだけ入ってきて、どれだけ出ていくのか」を把握するための指標です。

また、ここで言うキャッシュとは、現金や普通預金、当座預金などの「すぐに支払いに使えるお金」のことです。

キャッシュフローは、以下の計算式で求められます。

キャッシュフロー=収入(キャッシュイン)-支出(キャッシュアウト)

不動産投資におけるキャッシュフローは、「家賃収入(収入)」から「ローンの返済や経費、税金(支出)」を差し引いて手元に残るお金を指します。手元に残るお金が多いほど「キャッシュフローが良い」と言えることになります。

【関連記事】良い借金と悪い借金とは? ローンを組んで不動産投資をする理由

不動産投資のキャッシュフローのシミュレーション方法

不動産投資のキャッシュフローのシミュレーション方法

基本的にキャッシュフローは「収入-支出」で算出できます。不動産投資では、以下の計算式でキャッシュフローを算出します。

不動産投資のキャッシュフロー=家賃収入-{ローン返済額(元本の返済+利息)+ 経費 + 税金}

【ケーススタディ】

  • 年間の家賃収入:400万円
  • 年間のローン返済額:200万円
  • 年間の経費:80万円
  • 年間の税金:40万円

<キャッシュフローの計算>
400万円-(200万円+80万円+40万円)=80万円

※メイクスで物件を所有しているオーナー様は、メイクスにお問い合わせをいただければ詳細なシミュレーションをすぐにご提案できます。お気軽にご相談ください。

不動産投資でキャッシュフローが重要と言われている理由

不動産投資でキャッシュフローが重要と言われている理由

どのような会社でも事業を存続する上でキャッシュフローは重要な指標です。そして、不動産投資でもキャッシュフローは重要とされますが、それはなぜなのでしょうか?

ここではその理由を3つご紹介します。

  • 余剰のキャッシュを活かすことができる
  • 物件が高評価を受けられる可能性がある
  • 本業や他の資産運用の収益から補填せずに済む

余剰のキャッシュを活かすことができる          

キャッシュフローが良く、手元に現金を残せれば、不動産投資のさまざまな場面でその資金を活用できます。例えば、余剰資金を活用して、物件の内装リフォームや設備の更新、別の物件への投資が可能です。

また、所有物件が空室でも発生する経費やローン支払い、設備の交換・修理、自然災害による被害などの突発的なリスクに備えるために、現金をプールしておくことも重要です。緊急時にすぐに使える現金が手元にあることで選択肢の幅が広がるため、他の投資よりも手元のキャッシュが重要視される傾向にあります。

物件が高評価を受けられる可能性がある          

投資用物件の価値は、実質利回りだけでなくキャッシュフローの良しあしによっても決まります。キャッシュフローの良い物件は、物件の購入者にとって、安心して運用がしやすいことから需要が高くなりやすいです。

したがって、キャッシュフローの良い物件は、物件売却時の査定で価値が高いと評価され、高値で売却できる可能性があります。

一般的に、設定家賃が高いほど収入が多くなりキャッシュフローが良くなるため、物件を定期的に修繕し、家賃を下げない対策を行うようにするとキャッシュフローを良い状態で維持しやすくなります。

本業や他の資産運用の収益から補填せずに済む

キャッシュフローが悪く、キャッシュが枯渇して赤字になると、赤字分を手持ち資金や他の投資の利益から補填することになります。このような補填が多くなれば、生活のための家計まで圧迫してしまうリスクが生じます。

キャッシュフローが悪くなる原因には、ローンの返済比率(家賃収入に対する返済額の割合)が高すぎる場合があります。ローンの返済比率が高ければ、家賃収入のほとんどを融資の返済に充てることになり、空室が発生したり修繕が発生したりしただけで赤字になりかねません。

ローンの返済比率が大きくならないように、適切な投資金額を専門家と相談しながら設定するのがおすすめです。

不動産投資でキャッシュフローがマイナスでも悪ではない

不動産投資でキャッシュフローがマイナスでも悪ではない

不動産投資において重要なキャッシュフローですが、毎月の支払いがマイナスになったとしても悪いわけではないケースもあります。

ここでは、「どのようなケースであれば悪ではないのか?」について解説します。

含み益が積み重なる可能性がある

不動産投資で得られる利益は大きくわけて、毎月の家賃収入(インカムゲイン)と、物件売却時の差益(キャピタルゲイン)の2つです。

毎月のキャッシュフローが赤字であっても、物件売却時の差益で相殺できる可能性もあります。

例えば、毎月1万円の赤字が30年間続いたとすると、赤字の合計額は360万円です。物件購入額や売却時の状態によって売却額は左右されますが、物件価値が上昇しているタイミングで購入額よりも360万円を上回る価格で売却できれば、赤字分をカバーできます。

このように売却時の含み益が積み重なり、将来的にプラスになるケースであれば、キャッシュフローがマイナスの不動産にも投資を続けるメリットがあります。ただし、赤字が大きすぎると、含み益を合わせてもマイナスの場合があるため、注意が必要です。

ローン完済後にキャッシュフローがプラスになる

不動産投資ローンで物件を購入した場合、ローン返済が毎月の支出の中で大きな比重を占めます。そのため、ローン完済まではキャッシュフローが悪くなり、完済後は良くなるケースがあります。この場合、ローン完済後の黒字が大きいことを見据えて、最初のうちのキャッシュフローが赤字であっても投資対象になると考えられます。

また、物件価格が上昇しているタイミングであれば、物件売却額がローン残債を上回り、差益をキャッシュとして手元に残せるでしょう。

ただし、いずれにしても無理のない運用計画を立てた上で、突発的なリスクにも備えてある程度のキャッシュを用意しておくことは大切です。

事務処理や運用管理の安定感を手に入れられる

キャッシュフローがマイナスになる要因のひとつに、不動産を運用会社に一括借上してもらっているケースが挙げられます。

一括借上とは、不動産運用に関する契約のひとつで、運用会社が不動産オーナーから不動産を低額で借り上げ、毎月の賃料や敷金などは不動産会社に入ります。この場合、不動産が空室になったとしても、毎月定額が不動産会社から支払われるため、自身で運用するよりも安定した収入につながります。

また、運用会社に物件管理を一任できるため、オーナー自身で運用や管理を行わずに済む点もメリットです。

ただし、一括借上はオーナー自身で運用するよりも収入金額が少なくなり、キャッシュフローがマイナスになりやすいというデメリットもあります。しかし、事務処理や物件管理の手間を省きたい場合は、キャッシュフローがマイナスでも将来の売却益を狙うと割り切って、運用会社に任せるケースもあります。

キャッシュフローのために高い家賃を設定するのはNG

キャッシュフローのために高い家賃を設定するのはNG

家賃の金額設定には、物件があるエリアの賃貸需要や街の開発状況、物件の築年数や間取り、設備などに基づいた周辺相場があります。そのため、不動産投資の運用計画を立てる際は、キャッシュフローをよく見せるために根拠なく相場とかけ離れた家賃を設定するのはNGです。

適正家賃よりも高く設定してしまうと入居者がなかなか集まりません。そうなると、見込んでいた家賃収入が得られない空室状態が長期間続く中で、ローン返済や経費、税金の支払いをすることになり、赤字経営に陥る可能性があります。

もしも周辺相場よりも高い家賃を設定したい場合は、周辺にある物件との明確な差別化が求められます。最新設備を取り入れたり内装を凝ったデザインにリフォームしたりして、入居者ニーズにマッチした物件にすることで物件価値を高めることが必要です。

【関連記事】家賃設定の適正な考え方は?不動産投資で賃貸経営を成功させる方法

キャッシュフローについて気になる場合は不動産会社に相談しよう

キャッシュフローについて気になる場合は不動産会社に相談しよう

不動産投資の経験が豊富で運用に自信があるベテランオーナーは自分で運用計画を策定できますが、通常は、専門の不動産会社に相談してキャッシュフローのシミュレーションをしてもらうのがおすすめです。

正確なシミュレーションをするには、例えば次のような情報が必要です。

  • 物件の種類
  • 物件購入金額
  • 物件の広さ・間取り・建物の構造
  • ローン借入額
  • ローン返済期間
  • ローン金利
  • 家賃相場
  • 入居率
  • 諸経費(管理費用や固定資産税など)

こうした物件に関係するさまざまな情報を集め、多角的なシミュレーションを行うには、ある程度の知識と経験が求められます。

キャッシュフローを考慮しながら無理のない投資先を選ぼう

キャッシュフローを考慮しながら無理のない投資先を選ぼう

不動産投資のキャッシュフローが悪くキャッシュが不足すれば、ローンや経費の支払いができなくなり、賃貸経営を継続できなくなる可能性があります。そうならないためには、物件購入前に、専門家と相談しながら適正なシミュレーションを行い、無理のない運用計画を立てることが大切です。

不動産投資による資産形成を検討の際は、ぜひメイクスにご相談ください。新築ワンルームマンション投資の豊富な実績と専門知識を持ったコンサルタントが、最適な不動産投資をサポートします。

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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