新型コロナウイルス感染症の位置づけが令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。それに伴い海外赴任に選ばれたり、海外移住を検討される方も多いのではないでしょうか。
・海外赴任が決定し、国内不動産投資の税処理が不安
・将来海外移住を考えているので、国内不動産を運用できるか分からない
・海外転勤で自宅を賃貸にしたときどうしたらいいか分からない
そこで、既に国内の不動産を所有されている方、これから購入を考えている方に向けて、海外赴任・海外移住した際の国内不動産投資の運用方法について解説していきます。
目次
海外からでも日本の不動産投資を運用できるのか
海外に移住した場合、国内で購入した不動産を運用することが可能なのか、注意するべき点を含め解説いたします。
海外からでも日本の不動産投資を運用できる
海外に移住をしたとしても既に所有済みの不動産であれば、海外からでも不動産投資の運用をすることができます。しかし、海外に住所がある状態で新しく日本の物件を購入する場合にはいくつか条件が必要です。
海外から日本の不動産を運用する際の注意点
海外から日本の不動産を運用する場合は…
・不動産の管理や運用は管理会社
・確定申告等の税務処理は税理士
・郵送物の管理は日本在住の家族や友人
など協力をしてもらう事項があります。そのため、海外に行く前に何を誰に任せるのか確認し事前に依頼をしておく準備が必要です。
管理会社からの郵送物
海外に移住する場合、賃貸・建物の管理を管理会社に委託することになるでしょう。
管理会社を選ぶ際は、管理をする際に必要な総会資料などの郵送物をご実家などの指定先へ送付することはもちろんですが、データで送付ができるなどの対応が整っている管理会社を選ぶと、スムーズにやり取りができ安心です。事前に確認しておきましょう。
海外から税務処理を行う方法
海外にいるからと言って税金を納めなくていい訳ではありません。移住する前に何を決めておくべきなのかお教えします。
納税管理人の選任及び届出をしましょう
日本国内の会社に勤めている給与所得者が1年以上の予定で海外の支店などに転勤すると、一般的には、日本国内に住所を有しない者と推定され、所得税法上の非居住者となります。
このように、非居住者となる人は、国内にある不動産の貸付けによる所得や国内にある資産の譲渡による所得などの、日本国内で生じた所得(源泉分離課税となるものを除きます。以下、「国内源泉所得」といいます。)があるときは、日本で確定申告が必要になる場合があります。
確定申告が必要となる場合には、納税管理人を定め、「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を、その人の納税地を所轄する税務署長に提出しなければなりません。
参考:国税庁海外勤務中に不動産所得などがある場合
納税管理人の主な業務は…
・確定申告を提出
・国税の還付金を受け取る
・税務署から送られてくる書類を受け取る
事務的な作業が多いため特別な資格は必要なく、日本に居住していれば誰でもなることができます。
依頼できる対象者がいない場合や確定申告を自身で作成することが難しい場合は税理士にお任せするのがおすすめです。必ず出国前に手続きを行いましょう。
海外に移った年の確定申告のやり方
先述したように、海外に移住をしても不動産を所有している場合は確定申告を行わなければなりません。自分自身で確定申告を行う場合少なくとも以下の書類が必要です。
・売買契約書
・決済明細書 、取引完了書
・火災保険料の領収書等( 保険 期間の メモ書きでも結構です。
・1年間分の借入金返済予定表
・ 年間 送金明細書
・ 管理費、修繕積立金のわかるもの(メモ書きでも結構です。)
・不動産取得税の領収書(物件所有初年度)
・経費に計上する領収書
どのようなルートで確認するのか、自分に必要な書類を確認し早めに準備しておくことが大切です。確定申告が出来上がったら、納税管理人に提出を依頼しましょう。
最近主流のe-Taxですが、非居住者はe-Taxであっても確定申告はできません。
もしも納税管理人の届出をせず確定申告書の提出や納税をしなかった場合には、納付すべき額に加算税と延滞税がかかることがあります。 国外の税務当局から納税催告などがなされる場合もありますので十分注意しましょう。
固定資産税など各税金の支払い方法
固定資産税、都市計画税は、非居住者であっても課税されます。
納税管理人が指定されている場合、納税通知書は、納税管理人宛に郵送されます。
最近では固定資産税をスマートフォン決済アプリで支払うことができる自治体が増えています。
納税管理人に届いた請求書を写真で送ってもらいバーコードを読み取ることで、海外から税金を支払うことが可能です。活用すると非常に便利でしょう。
不動産を追加で購入することは可能なのか
海外から日本の不動産を購入することには法的規制はありません。しかし、ケースによって購入できるかどうかが変わってきます。ケース別に解説していきます。
現金で一括購入する場合
不動産を現金で一括購入する場合は海外という弊害を受けることはほとんどないでしょう。
ただし、手持ちの現金がいくらあるのか、投資資金の回収はいつできるのかなど慎重に判断をする必要があります。
不動産投資ローンを組んで購入する場合
既に海外に移住している場合、日本在住中に比べ融資はかなり難しくなります。
ただ、現在は日本にいて転勤かつ期間が決まっている場合や、戻る時期が分かっているなどの条件を満たせば融資を受けることができるケースもあります。
また、金融機関からの書類の送付先は日本の住所で定めてもらう必要があるため、ご家族が日本に残っていたり、実家を送付先に指定できるかを確認する必要があります。
融資を受けて購入した場合は海外に移住する前に一度相談することがおすすめです。
海外からの国内不動産の運用はサポートが大切
海外から国内不動産を運用する場合は、国内でサポートを受けられる体制を整える必要があります。
税務処理は税理士に、マンション管理は管理会社に依頼するなど専門家のサポートを受けることでスムーズに運用することができるでしょう。
海外移住をお考えで不動産運営にお困りの方は、実績豊富なメイクスにご相談ください。専門知識を持つコンサルタントが最適な資産運用をサポートします。
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