節税効果、家賃収入、保険、売却益など、不動産投資のリターンとして期待するものは十人十色で、オーナー様によってさまざまです。どのように運用すれば、ご自身が思い描く「理想」や実現したい「夢」を叶えられるのか。それぞれのオーナー様が、それぞれの考え方で不動産投資に取り組んでいます。
今回ご紹介するのは、アクティブ運用での豊富な実績を持つコンサルタントの水迫の伴走のもと、都内23区の1LDKマンションを購入し、その売却益を元手に大手企業の会社員からITベンチャー企業の役員、そしてBARのオーナーへと異色の転身を遂げた石井様です。
「自分が住みたい」と思えるような物件を購入し、まるで自分の子どものような感覚で愛着を持って資産を育てていた石井様。数年間は家賃収入を得るかたちで運用し、とあるタイミングで売却を決意。「娘をお嫁に出すような気持ちだった」と語る石井様ですが、相場よりも遥かに高い価格で売却できたそうです。
どのようにして高値での売却を実現したのか?当時の担当者だった水迫も交えて、物件の購入から売却までのストーリーについて、メイクス コンサルティングセールス本部役員の山口が伺いました。
目次
不動産投資が叶えてくれた「飲食店オーナー」という新たな夢
自分の夢を、内に秘めずに表に出すことの大切さ
山口:今回は、メイクスを通じて不動産投資を行い、その利益で東京都中野区に紹介制BAR「LONRON.」を開業された石井さんにインタビューを行いたいと思います。当時から石井さんの運用担当コンサルタントを務める水迫も同席しています。よろしくお願いいたします。
石井:よろしくお願いいたします。
山口:こちらのお店はいつオープンされたんですか?
石井:グランドオープンは今年の7月29日なので、まだオープンしたばかりです。
山口:石井さんは、もともと大手IT企業で会社員をされていて、途中で起業されて上場を目指していらっしゃいましたが、ご自分のお店を持ちたいという構想は、いつくらいからお持ちだったんですか?
石井:社会人になってお酒を飲む機会が増えるにつれて、たくさんの人が集まって楽しい時間を共有する飲み会やパーティーというものをどんどん好きになっていったんです。それで、「いつかは自分のお店を持てたらいいな」とぼんやりと思っていました。でも、会社員として働いていたので、それはあくまで老後の夢。実現するのはずっと先だと思っていたんです。
それが、前職で事情があって休職していたときに、ぼんやりと将来のことを考えていたら、「夢を実現するのは今だ」と言わんばかりに、いろいろな出来事が動き出しました。「中野にいい店舗物件があるよ」と声がかかったり、友人たちが飲食系の人を紹介してくれたり。
山口:なんだか導かれているような流れですね。でも、自分の夢を口にするのはとても大事なことだと思います。石井さんのように「飲食店がやりたい」と夢を語っていれば、仲間たちが飲食系の知人を紹介してくれたりする。そうして人脈が広がって、どんどん夢に近づいていくといったことは往々にしてあると思います。
石井:そうですね。内に秘めるのではなく、言葉にして、周りに認識させておくのは大事なことなんだなと思いました。
背中を押したのは、コンサルタントへの「謎の確信」
山口:メイクスで不動産投資を行っていたときの担当者が水迫でしたよね。
石井:そうですね。初めて水迫さんに出会ったときは、SIerで働いていました。
水迫:誰もが一度は聞いたことのある大手SIerで、インフラ系のチームの主任をされていましたね。
石井:当時が26歳だったので、水迫さんと出会ってもう11年も経つんですね。私がこうして水迫さんとお付き合いを続ける理由は、投資云々よりも、直感的に「絶対にこの人とつながっておいたほうがいい」と感じているから。水迫さんには、人を引き付ける強烈な魅力があるんです。
実際に不動産を購入する際、水迫さんからいろいろな説明を受けましたが、専門性の高い内容も含まれ、当時、全部は理解できていなかったと思います。「ここまで信頼できる人が勧めてくれるんだから、間違いない」という、水迫さんに対する「謎の確信」だけで購入を決めたと言っても過言ではありません(笑)。
山口:石井さんに「謎の確信」を抱かせたものは、一体何だったのでしょうか?
石井:水迫さんという人間そのものだと思います。水迫さんであれば、どのようなビジネスでも円滑に進める力があると感じていて、「この人が勧めてくれているプロジェクトなら大丈夫だ」と思わせる力があるんですよね。
不動産は高額ですから、購入を決断するのはそう簡単なことではないはずです。でも、私は水迫さんに勧められてすぐに購入を決めました。人生で何度もない「大きな買い物」なのに、簡単に決断させることができる水迫さんは、やっぱりすごい方だと思います。
もちろん、水迫さんが紹介してくれた物件も魅力的でした。初めて部屋に入った瞬間に衝撃が走ったのを覚えています。一瞬で虜になりましたね。
水迫:詳細は控えますが、23区内にあるマンションで、少し広めの1LDKの物件でしたね。スタイリッシュな外観で内装も洗練されており、目の前が緑豊かな公園で大きなバルコニーも印象的でした。これは将来有望な部屋だと思い、自信満々で石井さんへお勧めさせていただきました。
石井:最初は賃貸として貸し出すけれど、将来的には自分で住みたいと思わせるような物件でした。友人から「よく投資物件なんて購入できたね」と言われることもありましたが、「いずれは自分が住むから買ったんだ。もし損失が出たとしても、自分が住みたい家を買ったんだから無駄にはならないよ」と強気で答えていました(笑)。
相場よりも高値での売却を可能にした戦略的アプローチ
物件の魅力を最大限に引き出す「ステージング」の妙
山口:その物件をしばらく所有した後に売却されたわけですが、その際、水迫はステージングにも関わっていますよね?
石井:本来、仲介会社がステージングできるサイズよりも小さかったのですが、水迫さんが先方を上手に説得してくださり、ステージングに深く入り込んでくれたからこそ、想像以上の価格で売却できた。とても印象深い出来事でしたね。
ステージングとは? 売り出し中の物件の室内に、家具や小物、観葉植物などをレイアウトして、モデルルームのように演出することをステージングといいます。内覧に来た購入希望者が「ここに住みたい」と思えるような演出を施し、良い印象を与えることで売却をスムーズに進める目的で行われます。 欧米では物件売却の際にステージングするのが一般的です。アメリカでは、ホームステージングを行った物件は、行わなかった物件と比較して売却期間が半分になり、かつ希望価格より6%以上も高く売れたというデータもあります。 |
山口:通常、ステージングは専門会社に任せるものですからね。でも、水迫はいつもステージングまで深く入り込むんです。水迫が担当するお客様は軒並みハイパフォーマンスを出されるのですが、その秘訣のひとつが、水迫がハンドリングするステージングだということが最近わかりました(笑)。
石井:確かに、水迫さんはより価値を引き上げる、魅力的に演出するアイデアが無限に湧いてくる方ですからね。
山口:石井さんの事例は、不動産投資における本当に良い成功事例のひとつなので、水迫とともにどんな取り組みを行ったのかを記事にすることで、すでに不動産投資を行っている人にも、これから始めようと思っている人にも参考になると思って、今回インタビューを依頼したわけです。また、水迫の動きはメイクスの他の営業担当にとってもノウハウになりますからね。
水迫:私はアクティブ運用を得意としているので、賃貸物件の家賃を積極的に上げにいきます。ですので、他の営業担当から「賃料をアップするにはどうしたらいいですか?」といった質問をたくさんもらいます。もちろん私のやり方は余すことなく伝えるのですが、それぞれの物件の特徴や立地、オーナー様の理解度や性格、そして予算、また募集時期、経済金融環境、デザインのトレンドなどが異なるため、「これさえやれば賃料をアップできる」といった方法があるわけではないんですよね。
デザイン変更や機能向上に関してどれくらいの予算が使えるか、また重要視している度合い、そして成功確率を高める企画立案をどれだけリスペクトして受け入れることができるかによっても結果は大きく変わってきます。
山口:すべての案件の状況が同じではないですからね。
水迫:さらに言えば、その物件のオーナー様がアグレッシブな運用を望んでいるのか、リフォームなどに多くの予算を出せるのか、そして営業担当の提案を受け入れることができるのかによっても変わってきます。
石井:物件のオーナーと営業担当の方は、いわばパートナーですもんね。信頼関係があるからこそチャレンジできる。逆を言えば、お互いが信頼し合えていなければ、良くも悪くも保守的な運用になりそうですね。
山口:水迫が得意とするステージングは売り出し中の物件の室内を演出するものですから、当然ながらステージングを行うときというのは部屋が空室のとき。物件からの収入がないタイミングなわけです。いつ売れるかわからない、でも月々のローンの支払いはある。その状況で、コストをかけてステージングを行うのはなかなか勇気がいりますよね。
石井:私が所有していた物件のステージングにかかった費用は、実際は20万円程度で済みましたが、当初は水迫さんから「100万円は投じる覚悟で」と伝えられていました。
「三段構え」でチャレンジした、相場を超える価格設定
水迫:石井さんの物件の売却までの流れを簡単にお話ししますね。賃貸物件として貸し出していたときの家賃は、最初は16万5,000円、途中2,000円ほど下げましたが、最終的には17万5,000円になっていました。ただ、ちょうどそのころ、都心のファミリーマンションの価格が急騰していたので、賃貸ではなく販売する戦略に舵を切りました。そのほうが石井さんにとってメリットが大きいと判断したんです。
そこで、ステージングができる大手仲介会社の1社に査定を依頼したところ、6年前の物件購入時の価格である4,200万円とほぼ同額でした。購入価格と同程度の価格で売れるのは、決して悪い話ではありません。でも、石井さんも私もこの物件にはとても愛着がありましたし、運用に対して深い理解がある石井さんと私の能力を考慮すると家賃はまだまだ上げられる余地があり、当時でも18万円、うまくハンドリングできれば19万円弱くらいまで狙えると感じていました。一方で、保有するメリットも十分にあったため、内心では売り急ぐ必要もないと考えていました。
そのあたりを総合的に考えた結果、この物件の本当の良さを理解していただける素敵な買い手が現れた場合にのみお譲りしようという結論に至りました。そして、我々が目指していた価格は5,000万円です。
山口:それは相場からしてもかなり高いですね。
石井:強気すぎました(笑)。同じグレードの物件の相場価格より20%以上も高い設定でしたね。
水迫:仲介の担当者も困り顔で「5,000万円は絶対に無理です」と繰り返すばかり。完全にドン引きしていましたね(笑)。
山口:でも、石井さんも水迫も、その金額は譲れなかった。
水迫:そうなんです。そこで私は、その担当者に「仕事の醍醐味とは何でしょうか?私にとっては、誰にでもできる仕事ではなく、私たちだからこそ達成できる高いレベルの仕事にこそ価値があります。今回のプロジェクトが業界でまだ誰も達成していない価格帯に挑戦するものであれば、これほど面白いものはありませんよね」と、前向きな姿勢を示したんです。
もちろん、私にはその物件が5,000万円で売却できる絵が描けていたので、「私が言ったとおりに設計していけば、必ず売れます」と話しました。石井さんも「水迫さんの言うとおりにすることが、専任媒介契約を結ぶ条件です」と言っていましたよね。先方も「まずい人たちにからまれてしまったな…」といった複雑な表情でした(笑)。
山口:でも、今となっては2人で力を合わせてチャレンジした、思い出に残る出来事ですね。ちなみに、石井さんは以前から「売ってみたらどうなるかな?」といったことは考えていたんですか?
石井:その考えはありませんでした。家賃もアップしてもらってしっかり収益は出ているので、副収入としてはこれで十分かなと考えていましたし、売却するとしてもずっと先だと思っていました。でも、水迫さんが「今が売却のチャンスかもしれない」とおっしゃるので、それならと思って売却に踏み切ったんです。
山口:そうは言っても、なかなか買い手が見つからないなどのリスクもある。どういった計画で考えていたんですか?
水迫:例えば、空室の期間が3カ月続いた場合、家賃収入で考えたら50万円近くをロスするわけです。そしてローンの支払いもある。だから、ある程度の時間軸を決めて、「この期間で買い手がつかなければ、次はこうする。それでもだめなら、次はこうする」といったかたちで、三段構えで設計して、そこまでしても買い手が見つからなければまた賃貸に戻そうと考えていました。ただし、三段構えの三段目でも、売却金額の目標は5,000万円でした。
運用担当が最適な打ち手を考え抜き、しっかりと実践いただければ、より大きなメリットを享受できると思います。
大手仲介会社をも動かしたステージングへの熱量
山口:そして、売却を進めるにあたってステージングを行うわけですが、家具などは仲介会社が用意してくれたんですか?
水迫:仲介会社と提携しているステージング会社があるということだったので、その会社を教えてもらい、まずはホームページをくまなくチェック。これまで手掛けたステージングにすべて目を通して、その中から石井さんの物件のステージングの参考になる画像をピックアップしました。そしてその仲介会社に、「こんなイメージでステージングしてほしい」とその画像を送りました。その数、なんと100枚です(笑)。
一般的に、ステージングに使用する家具のグレードは中間レベルを用意することが多いのですが、それだとどうしても家庭的な雰囲気になってしまうんです。石井さんの物件は市場価格よりも1,000万円ほど高く売ろうとしているわけですから、そんな家庭的な雰囲気の家具ではお客様の心に響かない。
そこで私は仲介会社の担当者に何度も粘り強く説明し、ステージング戦略の重要性や狙いをしっかりと理解していただきました。その結果、担当者が部門長に交渉して、通常では難しい最上級レベルの家具を特別手配してくれることになったんです。
山口:誰もが知っているあの大手仲介会社を動かしたんですね(笑)。
水迫: 石井さんの物件は、私たちにとって非常に思い入れのある特別なものでしたが、仲介会社にとっては、普段の取引物件と比べてかなり高額で、扱いが難しいと感じていたかもしれません。それでも一生懸命に対応してくれたのは、私たちが抱く物件に対する並々ならぬ強い思いと、「相場よりも1,000万円近く高く売る」という挑戦的な発想、そして緻密な戦略構築が新鮮で面白かったからではないでしょうか。
最初は「そんな値段、無理だ」と言われていましたが、「無理と言わせないくらい物件の魅力を圧倒的に高めてやる」という思いが強かったですね。当時、仕事終わりや休日には石井さんと一緒に深夜まで作業する日々。お互いに仕事の合間をぬっては物件を訪ね、改善ポイントのフォローをしながらステージングをブラッシュアップしていました。
石井:そうでしたね。ステージング会社は部屋の中しか対応できないということだったのですが、あの物件の魅力はすごく広いバルコニー。だから、そこをより良く見せようということで、2人で隅々までバルコニーをピカピカに磨き上げて、そしてリゾートホテルにありそうな家具やハンモック、ランタンを置いたりして、バルコニーにもハイクオリティのステージングを施したんですよね。
理想の買い手を射止めてスピーディーな売却を実現
山口:物件の価格が相場よりも高いかどうかは、物件を見に来た人たちもわかるはず。それでも「この物件がいい」と思うから高くても買うわけですからね。きちんとターゲットを定めて、見事に射止めたわけですね。
石井:水迫さんの頭の中には、ターゲットもさることながら、「こういう部屋なら売れる」といったイメージもあったわけですよね?
水迫:もちろん、そうですね。立地、駅からの動線、エントランスに入った印象などを総合的に考慮したうえでステージングのイメージを描いています。
先ほども話に出ましたが、ステージングは空室の状態で行うため、収入がなくローンの支払いだけがあるという状況で、さらにコストをかけて実施します。だから、普通であれば1日でも早くオープンルームしたいわけです。でも、石井さんの物件はオープンルームまで時間がかかりました。
山口:それはなぜですか?
水迫:まだ「作品」として部屋が完成していなかったからです。
石井:中途半端なものを見せても意味がない。完璧なものを用意しなければ、結局は機会損失になってしまう。そう水迫さんと話して、一切妥協することなくステージングに取り組みました。
山口:ステージングが完成してからすぐに売れたんですか?
水迫:オープンルーム後、3週間ほどで3件の申し込みがありました。その中で、「物件をとても気に入ったので、キャッシュで購入するから一番手の申し込みに繰り上げてほしい」とリクエストをいただきました。結果的に、オープンルーム後、1カ月以内の申し込み、翌月にはご契約、その月末には決済まで完了という流れで、非常にスピーディーに進みました。
石井:このプロジェクトのスタートが7月くらいで、10月にはもう入金されたので、空室期間としては3カ月くらいでしたね。
山口:かなりスピーディーに決まりましたね。でも、物件を手放すのは少し寂しかったんじゃないですか?
石井:そうですね。あれだけステージングをがんばって、いざ完成したらあっという間に撤収ですからね。
水迫:物件を購入されたのは女性の方だったのですが、石井さんと同じく「自分でも住んでみたいくらい素敵な部屋だから買うわ」という感じでしたね。
山口:購入した女性は、想定していたターゲットどおりでしたか?
水迫:外国の方も含めて、キャッシュで買える裕福な方をターゲットにしていたので、想定どおりでしたね。なぜキャッシュにこだわったかというと、もし購入時にローンを利用するとなると、周辺相場と比較して高額なため、希望融資金額に満たずローンが成立しない可能性もあると考え、今回は現金での購入層をターゲットにしました。一般的に、現金購入者は競争が激しいレッドオーシャンであり、最も難度の高い層と言われています。そのため、しっかりとした下準備を行いました。
また、お金や気持ちに余裕がある方でなければ、あの「作品(物件)」の価値を理解してもらえないとも考えていました。我々が提供しているのは、単なる物件ではなく「理想の生活を叶えたい」という心をくすぐる世界観やセンスであり、それに共鳴し、理解してくれる方にお譲りしたいという思いでした。
人生の可能性を広げてくれる「不動産投資」という手段
不動産投資が叶えてくれた「2周目の人生」
山口:石井さんは、物件の売却益はどうされたんですか?
石井:お店の開業資金にしました。物件を売却した当時、私は上場を目指すITベンチャーで副社長をしていたのですが、取引先との会食や従業員との付き合いなどで何かと出費がかさむ立場だったため、売却益は「この会社で働くことを維持するために使おう」と思っていました。でも、気がついたら会社を辞めてお店を出していました(笑)。
この売却益があったからこそ、「人生の2周目」を走ることができていると思っていますし、このお店はあの物件の生まれ変わりだと思っています。
山口:今回お話しいただいた石井さんの事例は、我々メイクスが考える不動産投資の本質と可能性をよく表しているエピソードだと思うんです。不動産投資は、資産を形成して、投資した人の人生を幸せにするための「手段」でしかありません。
不動産を買うために生まれてきた人なんてこの世にいませんからね。自分の理想を追求したり、目的を達成したりするために、みなさん不動産投資という手段を使っているわけです。まさに石井さんも、投資に成功してお金を手にしたからこそ、自己実現できたわけですよね。それこそが、メイクスがお客様に提供したい価値なんです。
水迫:そうですね!石井さんのように運用環境を活かし、自助努力をして豊かな選択肢を自分にプレゼントしてあげられることが、不動産投資の最高の醍醐味ですよね。
不動産を売るのではなく、カルチャーやバリューを売る
山口:先日、私が担当させていただいているオーナー様から「メイクスがやるべきことは、カルチャーセリングかバリューセリングだ」と言われたんです。カルチャーセリングもバリューセリングも、単純に不動産を売るのとはまったく異なるじゃないですか。
不動産の販売を通じて、その人が生きたい人生を歩むサポートをさせていただく。そうして、人生をより豊かにしてさしあげる。メイクスがやるべきことは、それなんです。これこそが、今のメイクスで大切にしなければならない考え方だと思いました。
そこで現在、社内では「メイクスは不動産を売っているのではなく、バリューを売っている」という考え方を軸にした新しいセールスの方法を模索しているところです。お客様は不動産を買うことが目的ではない。では、お客様は本当は何がしたいのか。そのために我々は、不動産という手段を使って何ができるのか。そこを突き詰めている最中です。
石井:確かに、私もあの物件を購入していなかったら、このお店は存在しないですからね。不動産投資は、それくらい人生にインパクトを与えてくれるものなんだとあらためて気づかされました。
ハイパフォーマンスを実現するのは「攻撃は最大の防御」という考え方
水迫:不動産投資は、基本的には長く持てば持つほど成功する確率は上がりますし、我々営業担当がお示しする打ち手をしっかり実践いただければ、より大きなメリットを享受できると思います。そして何よりも、オーナー様が不動産投資の本質を理解して、ご自身が所有する物件に対して愛情を持つことができれば、投資の成功確率は上がるでしょう。
結局は、オーナー様ご本人の「この物件はこういうふうにしたいんだ」という意思が一番大切だと思います。石井さんのように、ご自身の物件に愛着を持ち、物件の特徴を正しく理解して、その可能性を最大限に引き出してあげれば大きな利益を出せるはずなんです。
石井:物件を売却するときは、まるで手塩にかけて育てた娘をお嫁に出すような気持ちでした(笑)。それくらい本気でステージングに取り組みましたからね。
物件をステージングする際、おそらく物件の所有者も営業担当の方も、多くの人が無意識に「安牌(あんぱい)」を選んでしまいますよね。でも、本来であればそうではなく、物件の特徴や買い手となるターゲットなどの前提をきちんと咀嚼して、そのうえで挑戦するべきだと思います。
つまり、ステージングのロジックやストーリーを作れるかどうかが重要で、ステージングするその瞬間を「点」で見るのではなく、きちんと「線」で見る。それができるのが水迫さんだと思うんです。その手法がメイクス内に浸透すれば、組織として一段と強くなりそうですよね。
山口:実際、水迫が担当するお客様はみんなハイパフォーマンスですからね。そういう文化を作れたらいいなと思っています。
水迫:そうですね。私のお客様は不動産運用の本質や勝ち筋をよく理解しており、攻め時には前例のない投機的な水準のプロジェクトでも臆せず積極的に取り組む大胆さと、運用への真面目さを持ちあわせていらっしゃいます。
石井:でも、金額が大きい分、攻めるのがすごく難しいジャンルだとも思います。
山口:ステージングしかり、家賃アップしかり、攻めるタイミングは往々にして物件が空室のとき。お客様側がどれだけリスクを許容できるかも大きく関わってきますね。
水迫:物件を購入した当初から、攻める準備ができている方は成功しやすいと思います。空室になったら、それをチャンスと捉えて攻める。
ただ物件を所有するのではなく、物件をより良く演出するステージングの予算だったり、どうすればパフォーマンスを上げられるかを考える時間だったり、リスクをとって攻めるメンタリティーだったり、投資家としての自分自身、運用担当、そして物件を信じてプラスアルファを投資(課金)できるかも重要だと捉えています。
ご自身で描く運用目標をより速く達成するために、石井さんのように自らも動き、真剣にゲームルールを理解し、運用担当者が企画立案した打ち手をスマートに選択できる信頼関係が必要です。今回のインタビューを通じて、理想を実現するためのオーナー様のマインドとスキルをご理解いただけるとうれしいですね。
山口:「不動産投資をして良かった」と思える人たちを増やしたいですね。
不動産投資を成功に導くマクロの視点とミクロの視点
石井:不動産投資も積立型保険も同じように見えている人も多いかもしれませんが、そこの違いを教えてもらえますか?
山口:不動産投資は、基本的にはキャッシュフローがネガティブな要素になるので、積立型の投資も一緒にやる方が多いです。積立保険は積み立てた元本に対して返戻金がいくら戻るのか、不動産投資は資産価値がいくら残るのかがポイントですよね。だから、構図としてはまったく一緒。ただ、両者の大きな違いは「インフレ」です。
石井:経済が成長していれば資産価値も向上するということですね。
水迫:経済成長だけでなく、都市部だったり再開発の予定がある場所だったりと、そのエリア自体が成長する場所にある物件は、マクロ視点では資産価値が下がりづらく、右肩上がりで上昇する事例も多いです。リリース価格も購入時とあまり変わらない金額で売れる状況になれば、ローンの残債を第三者が減らしてくれて、その差分を利益として得られるわけです。
山口:家賃を上げたり、ステージングによって販売価格を上げたりできるのは、結局は市況のアップサイドをとりにいっているわけで、やはりインフレの影響が大きいんですよね。
水迫:まさに、中長期的な都市開発とインフレは追い風となりますね。「マクロで勝つ」というのが基本的な考え方であり、勝ち筋です。そこに私は、定性的な付加価値を加えて物件のバリューを上げ、「ミクロでも勝つ」という新たな視点を付け加えて「二段構え」でさらなるパフォーマンスを狙っているんです。
石井:ステージングも「ミクロの視点」のひとつで、今回はそれが利益に大きく貢献したわけですね。
水迫:おっしゃる通りです。ミクロ視点だけでも500万円以上利益貢献してくれているかと。そして今回、ミクロ、マクロの両方が機能した、すばらしい事例だったと思います。
「コミュニティ」の存在が不動産投資の成功確率を上げてくれる
山口:このお店のビジョンをお聞きしたいのですが、将来はどんなお店にしたいと考えていますか?
石井:まずはお店を持つことが目標で、しかも老後の夢だと思っていたのが急に実現したので、まだ考え中なんです。ただ、お店はあくまで「ツール」であって、私が一番やりたいことは、孤独な人をなくすことなんですよね。
いわゆる「スクールカースト」というものがありますよね。私は子どものころはオタク気質だったので、どちらかというと目立たないタイプでした。だからこそ、そういった人たちの気持ちがわかるので、孤独な思いをしている人を減らしたいという思いがあるんです。
このお店も、空気を乱すようなお客様が来たら雰囲気が台無しになってしまいます。心理的安全性が担保されている環境で、あまり友だちがいない人たち同士で仲良くなってもらう。そんな温かいコミュニティを作りたくてお店を持ったんです。
山口:同じ境遇だったり、同じ目的を持ったりしている人が集まるコミュニティの存在は大きいですよね。メイクスでも、不動産投資を行っているオーナー様が集う「オーナーズクラブ」というコミュニティを運営していますが、オーナー様にとっては貴重な場所だと思っています。
石井:不動産投資ができるくらいの方は、おそらく人脈も広い。そろそろ物件を売ろうと考えているオーナーが、すでにバイアウトしたオーナーからアドバイスをもらったり、売却の手続きに際して弁護士や税理士を紹介してもらったり、何かしらのマッチングが生まれそうです。
山口:これまでたくさんのオーナー様と関わらせてもらいましたが、社会的地位が高い方たちに共通しているのが、「人に対する貢献意欲が高い」ということです。
私が担当させていただいているお客様で、外資系企業のカントリーマネージャーをされている方がいるのですが、その方に「メイクスのお客様で、国内のメーカーやIT企業に勤務されている方がたくさんいるのですが、外資系企業でのキャリアに興味があるからぜひ勉強会をやってほしいという声があがっているんです」と伝えると、ふたつ返事で「ぜひやりましょう」と言ってくださいました。このように、オーナーズクラブを通じて不動産以上の価値提供もできたら面白いなと思っています。
水迫:不動産投資は労働ではないですし、株式などのように日々の値動きを気にするものでもないですから、不動産投資で大きな時間はとられません。だから、所有する物件が空室になって、賃料を上げたり、高く売り抜けるための施策を考えたりするときはすべてのリソースを投入して、それ以外の時間は人脈を広げたり、仲間を作っておくのが大事だと思います。そのつながりからノウハウを得て、次の空室のタイミングでその知見を活かす。そんな循環ができるといいですよね。
山口:オーナー様同士で横のつながりを持って、「どのようにして家賃をアップしたのか」「どういうふうに売却したのか」などを共有し合うことができれば、不動産投資の成功確率は格段に上がると思います。
今回、石井さんへのインタビューを通じて、不動産投資というものの本質、そしてコミュニティの大切さをあらためて認識することができました。本日は、どうもありがとうございました。