不動産投資先として地方都市が注目されています。首都圏をはじめとする大都市と比較すると、高い利回りが期待できるなどのメリットがあります。
その一方で、大都市とは違う地方都市ならではの特色があるため、投資を成功へ導くためのポイントを理解しておくことが大切です。
そこで今回は、地方の物件へ投資をする魅力やメリット、地方の物件投資ならではの注意点、投資先としておすすめの地方都市について解説します。
目次
首都圏にはない魅力がある!地方(田舎)への不動産投資
地方は東京などの大都市圏と比較すると人口が少なく、不動産の需要が低いと考えられがちですが、大都市圏に負けない魅力を秘めています。
例えば、地方の都市部であれば人口が100万人を超える地域もあり、活発な不動産需要が存在する地域もあります。一方で、大都市圏と比べて不動産価格が手頃で、設定家賃によっては高い利回りが期待できることが大きな魅力です。
地方ごとの特色があるため不動産市場を深く理解する必要はありますが、適切な物件を見極めることで、地方への不動産投資で成功できる可能性があるでしょう。
地方(田舎)で不動産投資を行うメリットとは?
地方の不動産市場は、物件価格の手頃さだけでなく、投資家にとってさまざまな魅力を秘めています。
ここからは、地方の物件への投資ならではの以下のメリットについて解説します。
- 不動産投資を少ない資金で始められる
- 都心よりも利回りが高いケースがある
- 競合が少ない
- 固定資産税が安くて済む
不動産投資を少ない資金で始められる
地方では東京などの首都圏と比べて、専有面積が広い物件を手頃な価格で見つけることが可能です。首都圏では投資が難しいような物件も、地方であれば同等の条件で、より低コストで投資ができます。
少ない資金で不動産投資を始められることは、金融機関などから不動産投資ローンの借入を行う際にもハードルが低くなるため、大きなメリットです。
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都心よりも利回りが高いケースがある
地方の不動産市場では、物件価格が比較的低く設定されていることが多いため、都心よりも利回りが高めになりやすいのが特徴です。空室リスクを抑えて満室状態での賃貸運営を維持することができれば、家賃設定によっては高い利回りが期待できます。
また、不動産価格が低めであることによって、もし計画通りの借り手が見つからなかったとしても、都心の物件よりも損失を少なく抑えられるのもメリットです。
競合が少ない
競合物件の少なさは、地方での不動産投資のメリットの一つです。
東京などの首都圏では狭い区域にマンションが密集していて、競合物件との競争が激しくなります。このため、家賃や敷金・礼金の割引をはじめ、部屋のリフォームや最新設備の導入など、他の物件との差別化を求められます。
また、競合が多く人気が高いエリアでは、駅近など立地条件の良い物件を手に入れることは困難な状況です。
その点、地方都市の不動産市場では比較的競合が少ないため、有利な条件で物件を運用するチャンスが広がっています。
固定資産税が安くて済む
不動産投資を検討する際、考慮しなければならないコストの一つが固定資産税です。固定資産税は土地や建物など固定資産の所有者が支払う地方税で、その額は毎年「課税標準額×税率(原則1.4%)」で計算されます。
固定資産税の課税標準額は、各自治体によって個別に定められた固定資産の評価額に基づき算出され、基本的に評価額は不動産の実勢価格の約70%前後といわれています。
不動産価格が低いことは、購入コストや利回りだけではなく、税金面でも大きなメリットがあるのです。
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地方(田舎)で不動産投資を行うデメリットとは?
地方(田舎)での不動産投資は魅力的な面も多いですが、一方で考慮すべきデメリットもあります。ここからは、地方で不動産投資を行う際に知っておきたい潜在的なリスクについて解説します。
空室リスクが高い
現在、東京を中心とする首都圏に人が集まる傾向は続いており、その結果、多くの地方では人口が減少しています。昨今では田舎暮らしを求めて地方に移住する人もいますが、仕事や教育、生活の利便性を求める人のほうが多く、大都市への人口流入は今後も変わらないでしょう。
人口が流出している地方の場合、空室リスクが高くなりやすいため注意が必要です。空室が増えると、想定した収益を上げることが難しくなります。家賃の値下げや初期費用の減額など、入居者を確保するために運用計画を下方修正することになれば、投資家にとってはデメリットです。
需要と供給のバランスに注意する必要がある
賃貸市場の需要と供給のバランスが容易に崩れ得るリスクがあることもデメリットです。
地方の賃貸市場は、大学や企業の移転、商業施設の閉鎖などによって大きく変化します。周辺環境の変化に伴い、その地域で生活する人々がほかの地域へと流出し、結果的に賃貸需要が大きく減少することがあります。
将来にわたる賃貸市場の動向を考慮せずに物件選定をしてしまうと、期待した収益を得られない可能性が高まるでしょう。
物件の売却時に買い手が見つかりにくい
不動産投資の収益の考え方には、インカムゲイン(毎月の家賃収入)と、キャピタルゲイン(物件購入時と売却時の差益)の2つがあります。
このうち、資産運用の出口戦略としてキャピタルゲインをねらう際、不動産の流動性が低い地方では、物件を売却しようとしてもすぐに買い手が見つからないケースがあります。収益性が低下した場合など出口戦略について具体的に計画しておかないと、運用が失敗するリスクがあることもデメリットといえるでしょう。
地方(田舎)で不動産投資を成功に導くためのポイント
地方での不動産投資を成功に導くためには、地域の状況をよく把握し、物件選びを慎重に行うことが大切です。
ここからは、次に挙げる地方における投資物件選びのポイントを解説します。
- エリア選定を慎重に進める
- 賃貸需要のある物件を見つける
- グレードの高い設備の物件で差別化を図る
- 駐車場のある物件を選定する
- 管理会社は慎重に選定する
エリア選定を慎重に進める
地方での不動産投資成功のカギは、適切なエリア選定にあります。投資前に立地特性や賃貸市場の需要を調査することが重要です。
例えば、大都市へのアクセスが良好な通勤圏エリアや、行政の中心である県庁所在地などは、投資に適した地域である可能性が高くなります。これらのエリアでは人口の維持・流入が見込まれ、不動産市場が活発になることが期待されます。
★ポイント★
特定の施設や企業の存在に大きく依存している地域はリスクを伴うことも押さえておきましょう。大学や工場が閉鎖・移転した場合、人口が急減して賃貸需要が大幅に減少する可能性があります。
賃貸需要のある物件を見つける
地方においても首都圏と同様に、入居希望者の条件に合った物件には人気が集まります。そのため、その地域に合った需要のある物件を選定することが大切です。例えば、単身者世帯が少ないエリアには単身者向けの間取りの物件は向かず、ファミリー世帯が多いエリアではファミリータイプの間取りの物件のほうが需要があると考えられます。
その一方で、現在の賃貸需要だけではなく、将来の開発計画や潜在的な人口動態にも目を向ける必要があります。例えば、近隣エリアに工場や大学が新設され、そこに勤務・通学する単身者世帯に「この地域は通勤・通学圏内なので、単身者向けの賃貸物件がもっとあれば入居したいのに…」という潜在的需要が生まれるとすれば、物件選定の判断が変わってきます。
このように、地域の賃貸需要を知るためには現在の賃貸需要はもちろん、その地域ならではの動向にも目を向けることが大切です。
グレードの高い設備の物件で差別化を図る
賃貸市場での競争力を高めるためには、物件の設備グレードが大きな役割を果たします。競合の多い地域では、キッチンやトイレ、バスルームなどの生活に直結する設備の差が物件の魅力を左右します。
例えば、最新の食洗機やオーブンが完備されたキッチン、ミストサウナ機能付きのユニットバスなど、築年数が経過した物件では見られない最新設備があれば、入居者の目を引くでしょう。グレードの高い設備は、単に快適な住環境を提供するだけでなく、賃貸市場における物件の差別化を実現し、賃貸需要を高める効果を持っています。
駐車場のある物件を選定する
地方では車が移動手段の中心となるため、最寄り駅からの近さよりも駐車場の有無が重視される傾向があります。車の所有率が高い地域では、駅近くの物件でなくても、駐車場が付いていれば需要を見込むことが可能です。
物件敷地内に多くの駐車スペースを確保している物件であれば、家族で複数の車を所有する世帯からの集客も期待できます。また、敷地内に駐車スペースの確保が難しい場合には、近隣の月極駐車場を入居者専用駐車場として借り上げる方法も有効です。
管理会社は慎重に選定する
不動産投資では、物件の日常管理や入居者対応、集客活動などを管理会社に委託するのが一般的です。特に、オーナーの居住地から離れた遠方の物件を運用する場合には、信頼できる管理会社を選定することで、物件の価値を長期にわたって維持・向上させることが可能です。
また、管理会社を選ぶ際には、賃貸経営を考慮した次の3つのポイントに注意するといいでしょう。
- 入居者が物件で暮らす上で、トラブルが発生したときなどの対応の早さ
- 管理会社と仲介業者との関係性が密かどうかや、空室情報・内見予約システムなどの管理体制について、しっかりと連携がとれているかどうか
- 所有物件と同じ種類のマンションやアパートを管理している数や、入居率などの管理実績が豊富かどうか
【関連記事】投資用不動産で初めての空室!!入居者がつくまでの流れや対策、管理会社の選び方を解説
不動産投資先としておすすめの3つの地方都市
不動産投資を考える際、県庁所在地など人口が多い地域は魅力的な選択肢の一つです。人口動態、都市の発展、観光産業の有無などは、不動産価値を左右する重要な要素といえます。
ここからは、特に注目すべき地域を紹介していきます。
広島県広島市
瀬戸内海に面し、中国・四国地方の中心地として約110万人が住む、暖かく過ごしやすい地域です。
健美家が発表した「収益物件市場動向四半期レポート2022年1月〜3月」では、広島市が地方都市の中でも特に一棟アパートの表面利回りで高い数値を記録しています。この高い利回りは非常に魅力的で、東京23区と比較すると4.7%高い利回りを期待できます。
また、2020年のデータでは、広島市内の世帯のうち37.3%が単独世帯であり、単身者向けのワンルームタイプや小規模な賃貸物件に対する需要が増加傾向です。温暖な気候、人口の多さ、そして高い表面利回りという3つの強みを持つ広島市は、不動産投資の観点から見ても非常に魅力的な地域です。
■参考:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)|収益物件 市場動向 四半期レポート2022年1月~3月期
■参考:広島県統計情報
福岡県福岡市
福岡市は、人口増加が続く政令指定都市であり、特にファミリー向け物件の需要が高まっています。また、新幹線やバス、地下鉄など、交通の利便性が良く、周辺都市と比較しても地価が上昇傾向にあるため、投資機会に富んでいる地域です。
博多駅周辺や天神地区では、福岡市が推進する再開発プロジェクトが進行中であり、ビルの建て替えや地下鉄の延伸などが計画されています。これらの開発は、企業の進出や新たな雇用の創出を促し、結果として不動産への需要をさらに引き上げることが期待されます。
■参考:福岡市|規制緩和によって民間投資を呼び込む『天神ビッグバン』着実に進行中!!
愛知県名古屋市
名古屋市は不動産投資の魅力があふれる都市です。リニア中央新幹線の工事が進行中であり、東京と大阪の中間点に位置するこの都市は、未来の交通アクセス向上が期待されています。
さらに、現在大規模な都市開発が進行中で、リニア開通に伴い街が一新され、新たな公共交通システム「スマート・ロードウェイ・トランジット(SRT)」の導入が計画されていることも注目すべき点です。インターネットとアプリを活用した革新的なシステムで、便利な移動体験が期待されています。
また、名古屋は人口が増加しており、特に生産人口も増加しているため、賃貸マンションへの需要拡大が期待されます。
■参考:名古屋市|新たな路面公共交通システムSRTの導入に向けて Smart Roadway Transit
【関連記事】不動産投資から見た名古屋の魅力について解説!
地方の不動産投資は地域特性を理解して検討を!
地方の不動産投資は、東京などの首都圏とは異なる魅力と可能性を秘めており、適切なアプローチによって高いリターンを期待できる魅力的な選択肢です。ただ、その地域固有の事情を考慮した戦略が必要で、地域の発展性、アクセスの良さ、人口動態などをよく理解して物件を見極めることが成功のカギです。
失敗のリスクを避けるためには自己判断せず、物件の選び方や運用計画などについて不動産投資の専門家に相談するのがおすすめです。地方を含めた不動産投資を検討されている場合は、実績が豊富なメイクスまでぜひご相談ください。専門知識を持ったコンサルタントが最適な資産形成をサポートします。
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