アート作品を購入し、その後、作品の価値が高まったタイミングで売却して利益を得る「アート投資」は、日本だけでなく世界の富裕層の間でも注目されています。
しかし、アート投資初心者の中には…
「素人がアートに手を出して大丈夫?」「どこで作品を購入すればいいのか分からない…」
など、疑問に感じる点もあるのではないでしょうか?
そこで今回は、
・アート投資の基礎知識
・人気が高まっている背景
・アート投資をするメリットとデメリット
・成功させるためのポイント
について解説します。
目次
アート投資とは?
アート投資とは、美術品や彫刻、写真、現代アートなどの芸術作品を財産の一部として取得し、その価値上昇を期待する投資手法です。美術作品の価値は年代やサイズだけでなく、作家の名声や作品の希少性、歴史的な重要性などによって決まり、評価の高い作品は時間と共に価値が上がることが期待されます。
投資の対象となる作品は、新進気鋭の現代アーティストの作品から、すでに価値が認識されている有名アーティストの作品まで多種多様です。安価なアート作品の中には数万円から投資できるものもあるため、予算に合わせて投資することが可能です。
また、アート作品へ投資する手法と似たものに、ワインや腕時計など高級品を購入する現物投資もあります。詳しくは関連記事をご覧ください。
関連記事:現物投資で注目されているワイン投資や腕時計投資とは?
アート投資に注目が集まっている理由と魅力
なぜアート投資に注目が集まっているのか、その理由とアート投資の魅力について解説します。
世界的なアート投資需要の高まり
アート投資は、金融資産や不動産資産と異なるリスク・リターンの特性を持っています。そのため、資産形成のポートフォリオ(投資商品の組み合わせ)の一つとしてその価値が認識され、世界的に需要が高まっています。
また、2020年頃からの新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛やテレワークが普及して自宅で過ごす時間が増えたことも要因です。投資価値に加えて、自宅やオフィスにアートを飾って楽しむことができる点も、アート投資が注目されるようになった理由の一つです。
■アート投資の特徴
金銭的な利益を生むだけではなく、豊かな暮らしを象徴する所有の喜びや教養といった、非物質的な価値を内包しているのが特徴といえるでしょう。
NFTアートにも注目が集まっている
NFT(ノン・ファンジブル・トークン)の広がりも、アート投資の注目度を上げる一つの要因となっています。
■NFTとは…
ブロックチェーン技術を利用した「偽造不可能な所有証明書となるデジタルデータ」
各NFTは一意の情報を持っているため、その唯一性が証明されます。
そのため、これまで物理的なアート作品でしか保証できなかった「作品が一点物であること」をデジタルアートでも証明できるようになったのです。技術の進化によって、デジタルアートの作品価値が飛躍的に向上しました。
アート投資を行う3つのメリット
アート投資を行うことには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、アート投資のメリットを3つご紹介します。
1.作品の価値が低下しにくい
アート作品の取引価格は主に作品自体の芸術的価値から決まるため、経済や政治の変動が直接的に作品価格に影響を与えることは稀です。また、株式や暗号資産などの金融商品と異なり、実物資産なので値崩れしにくいのも魅力です。
このような特性により、アート投資はほかの投資手段に比べて、不確実な経済状況下でも、貴重な資産としての価値を保ち続けることが期待できます。
2.鑑賞して楽しめる投資である
アート投資は、投資対象を自分自身で実際に鑑賞し、その美しさや魅力を楽しむことができるという特徴があります。
その作品を所有すること自体に喜びを感じ、投資という観点以外の価値を得られることはメリットです。さらに、アート作品は見る人に感動やインスピレーションを与え、所有者のステータスを示すこともできます。
また、購入時には無名だった作家の作品の価値が将来高騰した場合には、作家と一緒にその成功を喜びあえるのもアート投資ならではの醍醐味といえるでしょう。
3.節税対策になる場合がある
法人の場合は美術品やアート作品の購入費は経費として認められ、節税できる場合があります。
2015年1月1日以降に取得した美術品については、「取得価額が1点100万円未満、かつ、時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」であれば、減価償却して処理することが認められています。
◆注意◆
古美術品や古文書、出土品などのように歴史的価値があるものについては、減価償却資産とは認められません。また、取得価格が1点100万円以上の作品の場合は、原則として非減価償却資産となります。
■参考サイト美術品等についての減価償却資産の判定に関するFAQ|国税庁
アート投資を行うときのデメリット
アート投資を始める前には、メリットだけでなくデメリットについても把握しておくことが重要です。
ここでは、アート投資のデメリットを3つご紹介します。
1.贋作のリスクがある
アート投資には、少なからず贋作(偽物)を手にしてしまうリスクがあります。高価な美術品はしばしばコピーされ、オリジナルとして誤って売られることがあるため注意が必要です。
アート業界の専門家や美術品の調査サービスを利用することで一部のリスクを軽減することは可能ですが、全てのリスクを取り除くことはできません。間違って贋作を購入してしまうと、その価値はほぼゼロとなり、大きな損失を被る可能性があります。
★ポイント★
アート投資を行う際には信頼できるギャラリーやオークションハウスから購入するなど、専門家の意見を仰ぐことが大切です。必要に応じて美術品の鑑定や認証を行うことも重要なポイントです。
2.短期的な売買には適していない
アート投資は、一般的に長期的な投資戦略に適しています。なぜなら、アート作品の売買には高い手数料がかかる上に、売却するまでに時間がかかるためです。
一般的に美術品オークションで作品を購入するには、およそ20%の売買手数料がかかります。これは、株式などの金融投資にかかる売買手数料と比べるとかなり高い手数料率です。そのため、短期で売買を繰り返すよりも、長期的な保有による価値向上を狙う方法が向いています。
また、アート作品の評価や価値は時間をかけて上がっていくものであるため、短期間で高いリターンを期待するのは、アート投資には向かない考え方といえます。
3.経年劣化や盗難のリスクがある
アート作品は、時間の経過や保存方法などによって劣化する可能性があります。劣化や汚れは作品自体の価値を下げることにつながるため、デメリットの一つといえます。
★ポイント★
アート作品購入後は、温度や湿度、紫外線による変色などに注意しながら適切に保管し、購入時の状態を保つことが大切です。
また、盗難のリスクも考慮する必要があります。有名で価値の高いアート作品は、盗難のターゲットとなり得ます。万が一に備えて、盗難保険や動産保険(財産補償保険)への加入、セキュリティ体制の整った保管方法などでコストが生じる可能性もあるでしょう。
アート投資のための作品購入方法・やり方は?
実際にアート投資を始める際、アート作品の購入はどのようにすればいいのでしょうか?
ここでは、アート作品の購入方法や注意点について解説します。
オークションで購入する
アート作品を購入する手段としてまず思い浮かぶのが、美術品オークションです。実際、多くの有名な作品がオークションを用いて売買されています。
特定の限られた人たちが利用するイメージの強いオークションですが、実は事前に申込みをすることで誰でも参加可能です。また、インターネットの普及により、オンラインオークションサイトが登場し、世界中の人々がアート作品を購入するための手段として利用しています。
◆注意◆
オークションには鑑定済みの作品が出品されることや、事前に現物を確認できるメリットがありますが、20%近い手数料がかかる点に注意!
画廊やギャラリーで購入する
従来の購入方法として、アート作品を専門で取り扱う画廊やギャラリーで購入する方法もあります。購入前に作品をじっくりと観察し、自分のセンスや好み、投資目的に合致するかどうか確かめながら、ゆっくりと作品を選べる点が魅力です。
場合によっては、アーティストとの会話が可能なこともあり、作品の背後にある物語や作家の意図を聞くことで、その作品への理解を深めた上で購入することができます。
★ポイント★
画廊やギャラリーは展示スペースに限りがあります。担当者に好みや予算を伝えることで、展示していない作品を紹介してもらえる可能性もあるので、相談してみるのもおすすめです。
オンラインで購入する
オークション会場や画廊などへ足を運ぶことなく、インターネットを介してオンラインのみでアート作品を購入する方法もあります。
世界中の多くの作品の中から、自分の好みに合った作品を探し出せる点が魅力です。比較的安価なものから販売されており、アート投資初心者にとって手を出しやすいのがメリットといえます。
◆注意◆
実際に作品を目の前で確認できないため、購入後に「イメージしていたものとサイズ感や色味が違っていた」などの失敗が考えられます。また、詐欺や贋作(偽物)のリスクにも注意!
オンラインで購入する際には、信頼できるプラットフォームや運営元のサービスを利用し、必要であれば専門家の意見を求めることが重要です。
アート投資ファンド・アートコンサルティングを利用する
個人事業主や法人での利用になりますが、アート投資ファンドやアートコンサルティングといった専門サービスを利用する方法もあります。プロのアドバイスを受けられ、自己判断だけで投資するよりリスクを低減することが可能です。また、自分でリサーチしたり、購入したりする手間が省けます。
デメリットは、作品の保管、保険、運営などに関わる運用管理費用をファンドに支払わなければならないため、投資リターンが減少する可能性がある点です。ほかにも、自身で作品を選ぶことができない場合もあり、投資以上にアートへの情熱が強い人には向かないかもしれません。
アート投資を成功させるためのポイント
アート投資を成功させるためには、いくつかおさえておきたいポイントがあります。
ここでは、購入前のポイントと、購入後に注意すべきことについて解説します。
事前にしっかりと作品の価値をリサーチする
アート投資では、作品自体の価値を理解するだけでなく、その作家の評価や市場状況も丁寧に調査することが大切です。
★ポイント★
同様のジャンルや時期の作家の作品はどのように評価され、その作品の価格がどのように推移してきたのかなどをおさえておくことも、アート投資成功のポイントです。
アートの世界は流行も大きく影響するので、現在の市場トレンドやこれから求められるであろうテーマなども理解しておくことも重要になります。
無理をせず事前に決めた予算内で購入する
アート投資を行う場合は、事前に予算を決め、その範囲内で購入することが大切です。
アート作品は一点物であることが多いため、気に入った作品に出会ったとき、予算をオーバーしてでも手に入れたい気持ちになることがあります。
◆注意◆
高額な作品を追い求めて無理な出費をしてしまうと、その後の投資戦略に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、作品購入費用だけでなく、保管費用や保険料、売却時の手数料など、所有と売却に伴う経費も考慮することが求められます。
多くのアート作品を見て目利き力をつける
アート投資を成功させる上で、作品の価値を正しく評価できる目利き力は不可欠です。たくさんのアート作品を見て感じ、理解し、比較することで、作品そのものの価値を見抜く力が磨けます。
また、時代や世界情勢により人気の作家やアートジャンルが変わるため、トレンドだけでなく、作品そのものの質や歴史的意義に目を光らせることが大切です。
経験を重ねながら感性を磨くことで自身の視野を広げ、より良い投資判断ができるようになるでしょう。
購入後は最低でも5年は保有する
アートの価値は1日や1カ月、1年で急激に上昇するものではありません。一点物のアート作品の価値が評価されるには、一定の時間と市場の成熟が必要なためです。そのため、「長期保有」はアート投資を成功させる上で重要なポイントの一つです。
アート作品を購入したら、最低でも5年は保有することがおすすめです。時間を味方につけ、市場の成長を待つことがアート投資の成功につながります。
アート投資は鑑賞や所有による満足感を得られる投資手法
アート投資は、アート作品を購入して、価値が上がったときの売却益で利益を得る投資手法です。運用益だけでなく、所有者としての社会的ステータスや知的な満足感、そして作品を鑑賞する喜びといった精神的な価値も得られます。
しかし、本格的なアート投資は専門的な知識が不可欠で初心者にはリスクを伴います。まずは小規模な投資額で、自分が気に入った作品から始めてみるのがおすすめです。
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