不動産投資はいくらから始められるのか?頭金など自己資金の目安は?

最終更新日:2023.07.27 (公開:2023.06.29)

不動産投資に興味があっても、資金不足を理由に投資を避けている人は多いです。「投資は富裕層が行うもの」というイメージが根強いことも理由の一つでしょう。しかし、実際の不動産投資は多額の自己資金を必要としません。むしろ、不動産投資を自己資金だけでスタートするケースはまれです。

そこで今回は…
・不動産投資はいくらから始められるのか
・不動産投資に必要な頭金や初期費用の種類
・少額の自己資金で不動産投資を始めるためのポイント

などについて解説します。資金面で不動産投資をするか迷っている方や、これから不動産投資を始めようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

不動産投資はいくらから始められる?

はじめに、「不動産投資を始めるのにいくらかかるのか?」について解説します。一般的な不動産投資で必要とされる自己資金の目安や年収水準についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

自己資金の目安は一般的には物件価格の2~3割程度

不動産投資をスタートさせる際、一般的には、購入する物件の2~3割程度が自己資金として必要といわれています。投資用不動産を販売する会社によっては、1割以下での自己資金でもスタート可能です。

例えば、5,000万円の物件のケースであれば、1,000万円~1,500万円が自己資金の目安です。残りの3,500万円~4,000万円は金融機関などからの融資でまかないます。物件価格の2~3割の自己資金があれば、かなり余裕をもって融資が受けられる可能性が高いといえるでしょう。なお、ワンルーム投資のケースでは、物件価格の1割以下の自己資金でもスタートできる可能性があります。

★注意★
融資審査で評価されるのは自己資金の額だけではありません。借主の年収や勤務先、借入状況など、いくつかの要因によって条件は大きく変動します。自己資金が多くても融資がおりないケースはあります。

一方で、投資用不動産を専門に扱っている会社によっては1割以下の自己資金で融資可能という好条件の場合もあるので、豊富な取り扱い実績やノウハウを持っている不動産投資会社などの専門家へ相談してみるのがいいでしょう。

年収500万円からでも不動産投資は始められる

驚く方もいるかもしれませんが、不動産投資は年収500万円からでも始められます。実際、年収500万円台の会社員で不動産投資に取り組んで成功している人はたくさんいます。

もちろん、融資の条件として高年収であることが当然ながら有利です。ただ、年収がそこまで高くないからといって不動産投資を諦める必要はありません。はじめは少額からスタートし、やり方によっては将来的に投資規模を拡大することも可能です。

審査の対象となる条件は各金融機関などによって異なるため、まずはチャレンジしてみましょう。融資の検討をする際には、実績豊富で信頼できる不動産投資会社などに相談することが非常に重要です。

少額でも始められる?

不動産投資は、投資用に不動産を購入して第三者に賃貸するのが一般的ですが、他のやり方もあります。それは、不動産小口化商品や不動産クラウドファンディングなどの金融商品を購入する方法です。

これらは、基本的に不特定多数の投資家から集めた資金を不動産で運用し、発生した収益を分配する仕組みの商品です。現物の不動産投資よりも少額からスタートでき、運用もプロにお任せできるので、初心者でも安心して投資できます。

中には、1万円から投資できる商品もあり、複数の商品にお試しで分散投資することも可能です。「はじめは本当に小さい額からスタートしたい」「はじめから不動産を購入するのは不安がある」という方は検討してみるのもいいでしょう。

不動産投資の初期費用は頭金+諸費用

不動産投資を始めるときには初期費用がかかります。初期費用とは頭金と諸経費の合計で、物件購入に必要なコストです。

ここからは、初期費用の内容について詳しく解説します。

頭金

頭金とは、物件価格に充当することでローンを減らすための費用です。「物件価格-ローン金額」で算出すると分かりやすいでしょう。

頭金の目安は物件によってさまざまですが、物件価格の2割までが多いようです。

例)5,000万円の物件であれば1,000万円を頭金にして、残額4,000万円をローンで購入するイメージ

物件によっては、さらに少ない頭金で購入できるケースもあるので、自分の資金計画に合った投資をしましょう。

また、物件価格が大きいほどリスクが高いため、頭金を求められるケースは多くなります。自己資金が少ない人は、頭金0円で購入できる区分マンションなどの小規模物件からスタートするのがおすすめです。

不動産仲介手数料

不動産仲介手数料とは、購入する物件を紹介(仲介)してくれた不動産会社に支払う報酬です。手数料金額は法律で決まっており、物件価格が400万円を超える場合、「物件価格×3%+60,000円(税抜)」が上限となっています。

例)5,000万円の物件であれば以下のように計算し、仲介手数料は156万円(税抜)
計算例:5,000万円×0.03=150万円+60,000円=156万円

仲介手数料は諸費用の中でも高額で、どのような物件を購入するのかで大きな違いが出ます。算出方法は簡単なため、自分が購入したい物件があれば事前に計算しておきましょう

なお、不動産会社から直接物件を購入する場合、特に新築不動産を建設から販売まで手がける会社から直接物件を購入する場合は仲介に当たらないため、仲介手数料が発生しません。諸費用を大きく抑えることができるでしょう。

融資の事務手数料

物件の購入に金融機関などの融資を利用する際には、融資の事務手数料がかかります。ローンを借り入れることに対して発生する手数料であり、ローン手数料とも呼ばれます。

手数料の条件は金融機関などによってさまざまですが、借入金額の0.5~3%前後で設定されている場合が多いようです。

例)5,000万円を借り入れる際に1%の事務手数料が発生する場合、50万円が事務手数料としてかかる

融資の事務手数料は、仲介手数料と並んで負担が大きい諸経費です。金利や融資年数など他の融資条件と総合的に判断して、最も自分に合った借入先を選ぶのが大切です。

融資の保証料

不動産投資で金融機関などから融資を受ける場合、返済リスクに備えて保証会社を立てることがあります
保証会社とは、ローン契約者が返済できない場合に金融機関などに対して返済を保証する会社。

保証料の支払方法は、以下のいずれかになることが多いでしょう。
・ローン契約時に一括払い(借入額の1~2%)
・ローン金利に組み込む(借入金利+0.2~0.3%)

ローン契約時に一括払いする場合は、初期費用としてかかります。

なお、購入する不動産会社が指定する金融機関よっては保証料が必要ないケースもあります。金融機関や契約者の属性によって変わることもあるので、支払方法と合わせて事前にチェックしましょう。

印紙代

物件を購入する際に売主と交わす売買契約書には、金額に応じて収入印紙を貼る必要があります
印紙代とは、収入印紙の額であり、売買金額によって代金が変動します。

例)物件価格が3,000万円の売買契約であれば、2万円の印紙代がかかります。

また、印紙代は売買契約書のほか、ローンを借りる際の金銭消費貸借(きんしょう)契約書にもかかります
印紙代について詳しく知りたい方は以下の国税庁サイトでご確認ください。

■参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁 (nta.go.jp)

不動産登記費用

不動産を購入すると、所有権の移転や抵当権の設定など登記手続きが必要になります。

所有権の移転や抵当権の設定には登録免許税がかかりますが、費用の計算は、以下の国税庁サイトを参考にしてください。
■参考:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁 (nta.go.jp)

登録免許税の計算は少し複雑ですので、不動産投資会社などに確認するのがおすすめです。

また、登記は自分でも手続きできますが、プロである司法書士に依頼するのが一般的で手間もかかりません。司法書士に依頼する際の報酬は、10万円~30万円前後が相場となります。

不動産投資会社が日頃から付き合いのある司法書士を紹介してくれることも多いため、紹介可能か問い合わせてみるのがおすすめです。

火災保険料・地震保険料

投資用に物件を購入する場合、災害に備えて火災・地震保険に加入します(地震保険については任意での加入が多い)。保険料の金額は、保険会社や購入する建物の構造によっても変わります。保険に加入する時点で一括して先払いするケースが多いので、保険料や契約期間について事前に確認しましょう

また、最近では、保険でカバーできる内容について各保険会社でさまざまな差別化を図っています。物件周辺における災害リスクも考慮しながら、保険内容を比較検討して最適な保険を選ぶことが大切です。

固定資産税・都市計画税

固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している人に対して課される税金であり、固都税(ことぜい)とも呼ばれます。

課税額については、その年の固定資産税評価額に基づいて決まります。納税通知は毎年4~6月頃に、全額、1月1日時点の所有者に届きますが、買主は物件の引渡日から年末分までの税金を支払わなくてはなりません

例)5月1日に物件の引き渡しを受けた場合、5月1日からその年の12月31日までの固都税は買主の負担です。負担額は、売主の納税通知書をもとに算出します。

不動産取得税

不動産取得税とは、不動産(土地や建物)の購入・贈与、建物の増築などによって不動産を取得した人に対し課される税金のことです。地方税の一種であり、不動産のある都道府県が納付先になります。

税額は以下の計算式によって算出されます。通常、土地も建物も税率は4%です。
課税標準額 × 税率(4%)

ただし、2008(平成20)年4月1日~2024(令和6)年3月31日に取得するケースでは、軽減措置で以下の計算式が適用されます。
土地宅地:課税標準額 × 2分の1 × 税率(3%)
建物:課税標準額 × 税率(3%)

課税標準額ですが、通常は公示価格として「固定資産税評価額」が適用されます。この固定資産税評価額は、土地が時価の7〜8割程度、建物が時価の5~6割程度が目安とされています。

気をつけたいのが、新築の場合は固定資産税評価額が決められていないことから、納税通知書が遅れて送付されてきます。具体的には半年後、遅いケースでは1年後になることもあるので注意しましょう。

管理費・修繕積立金

区分マンションを購入する場合には、毎月支払う管理費・修繕積立金も諸費用に入ります。

例)5月15日に物件の引き渡しを受けた場合で考えてみましょう。すでに売主が支払っている管理費・修繕積立金のうち、15日から月末日までの分を買主が売主に精算する必要があります。

管理費・修繕積立金は物件によって金額が違いますので、事前に確認しておきましょう。

不動産物件によって初期費用はいくらかかる?

ここまで見てきたように不動産投資の初期費用にはいくつかの種類があり、投資物件の種類によっても金額に違いがあります。

続いては、不動産物件の主な種類別に、初期費用の目安について見ていきましょう。投資する物件に必要な初期費用がいくらくらいなのか参考にしてください。

区分マンション(新築ワンルームマンション)

区分マンションは、投資物件の中でも初期費用を抑えられる投資先の一つです。

頭金0円のフルローンで購入できる物件も多く、自己資金100万円前後からの購入が一般的。特に新築ワンルームマンションは、耐用年数が長く、融資の審査に有利でフルローンが使いやすい傾向にあります。物件価格が新築時で1,500万円~2,000万円程度の物件もあるので、ローン審査に通りやすい点も大きなメリットです。

はじめから高額の物件に投資するのはハードルが高いと感じる場合、区分マンションであれば、収入や自己資金に不安がある人でも無理のない投資が可能です。これから不動産投資を始める初心者の方にもおすすめといえるでしょう。

アパート・マンション(1棟物)

アパート・マンションなどの1棟物は、物件価格が高額になることもあり初期費用も他と比べて高くなります。土地と建物を合わせて1億円を超えるような物件もあり、初期費用も500万円~数千万円レベルでかかることがあるでしょう。

物件価格が高額なため、ローン審査のハードルが高く、借り手の属性も厳しく評価されます。また、1棟物は土地の担保力で大きく初期費用が変わるのも特徴です。

物件評価が融資審査に与える影響が大きいので、自己資金を抑えて投資するには、より投資家としての目利きが重要です。

一戸建て

物件の価格帯が幅広い一戸建ては、初期費用もさまざまです。

例えば、新築の一戸建て物件の場合には物件価格は高額になりやすいですが、売主がデベロッパーであることが多くその場合には仲介手数料がかかりません。また、固定資産税が減額される優遇措置もあります。

中古の一戸建て物件の場合には、新築物件と比べて物件価格が安くなりますが、仲介手数料は必要となり場合によっては高額になるでしょう。

少額の自己資金で不動産投資するポイント

最後に、少額の自己資金で不動産投資をするためのポイントについてご紹介します。

個人の属性の高さを利用する

個人の属性を利用することは、金融機関などから融資を受ける際にとても重要なポイントとなります。例えば、会社員は安定した給与収入がある点で審査において有利です。

少額資金から不動産投資をスタートするには、融資の利用が必要不可欠となります。自分の属性を見てどこが強みになるのか、客観的に把握して融資を上手に活用しましょう。

融資期間を長くできるなどアレンジできる金融機関を選ぶ

金融機関のローン商品は、ある程度条件が決まっているものが一般的です。

例えば、年齢的に余裕がある人であれば、通常よりも返済期間を長くすることで毎月の返済額が減り、キャッシュフローに余裕が生まれます。

また、元利均等返済よりも元金均等返済の方が初期の返済は大変ですが、元金の減りが早いです。
金利面など他の条件も合わせて総合的に判断することが大切です。

資産価値の高い物件を選ぶ

金融機関などからローンを借り入れても足りない部分は、自己資金で補うしかありません。担保力が高く、フルローンを利用できるような物件であれば自己資金を安く抑えることができます。

★ポイント★
資産価値の高い物件を選ぶことも、自己資金を抑えるために重要なポイントです。

投資物件の場合、ローンの審査で物件の担保力を厳しく評価されます。自己資金を抑えたい場合には、信頼できる不動産投資会社などに相談し、資産性の高い物件を紹介してもらいましょう

不動産投資において伴走できるパートナーを探す

不動産投資で重要なのは、大きく分けて
「物件選び」
「賃貸事業の運営」
「物件の売却」
の3つです。

その3点の中には、「どこから融資を受けるか」「入居者をどうやって募集するのか」「定期的なメンテナンスはどうするのか」など、細かい重要な要素が含まれています。

これらを自分だけで、しかも失敗せずに進めるには、相当な知識と経験が必要です。しかし、専門家と手を組むことで、知識と経験の浅い初心者でも不動産投資が可能になるのです。そして、不動産会社の中には不動産投資に精通した専門家と呼べる会社があります。

不動産投資に精通しているかどうかは、以下の項目を参考にして見極めるといいでしょう。
・不動産投資物件の取引を頻繁に行っているか
・物件情報に詳しいか
・物件の周辺環境を理解しているか
・融資ができる金融機関との関係性があるか
・賃貸管理の経験が豊富か
・税務に関する情報に詳しいか(専門家と関係性があるか)
・物件の購入から売却まで見据えた提案をしているか

上記について、ホームページなどに情報が記載されていることもありますので、調べてみましょう。分からないことがあれば、直接、不動産会社に聞いてみるのもいいでしょう。

不動産投資を成功させるには、分からないことはすべて明確にすることができ、安心して任せられるパートナーを見つけることが重要です。

不動産投資はサラリーマンでも始められる

今回は、不動産投資を始めるのに必要な頭金や自己資金、初期費用について解説してきました。

多額の資金が必要というイメージの強い不動産投資ですが、投資物件によっては自己資金が少なくても無理なく始められます。

将来に向けた資産形成などを目的に、不動産投資を始める人はとても増えています。不動産投資を始めたいと思っている方は、実績豊富なメイクスまでお気軽にご相談ください。専門知識を持ったコンサルタントが最適な資産運用をサポートします。

※本記事では、記事のテーマに関する一般的な内容を記載しており、より個別的な制度が読者に適用されるかについては、読者において各記事の分野の専門家にお問い合わせください。㈱メイクス・㈱メイクスプラスにおいては、何ら責任を負うものではありません。

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著者/監修者紹介

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メイクス100年不動産ナビ編集部

メイクス100年不動産ナビ編集部は、不動産投資をはじめ、資産形成についてワクワクしてもらえるようなの情報の提供を目指しています。初心者向けの情報から既にオーナーの方、知見のある方に向けた、不動産投資や資産形成についての疑問を客観的な視点から発信しています。

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